ジェイグラブの横川です。
越境ECに限らず、近年は企業広告の信頼度が落ちており(アメリカでは百貨店の広告を信頼しないと答える率が高い)、一般の人の評価が商品購入する際の重要な情報になっています。いわゆる口コミなどに代表されるものです。
そして、それを生業にしている人をインフルエンサーとかKOL(Key Opinion Leader)といいます。
中国では深夜の通販番組みたいにストリーミング配信でインフルエンサーが登場し、バンバン物を売る姿が日本でも報道され、それをきっかけに知った方も多いでしょう。
インフルエンサーというのは「影響力の強い人」という意味になりますので、芸能人のような支持者が多い人を連想しがちですが、そこまで大物になってしまうと、企業広告と変わらなくなってしまいます。そこで、現在注目されているのは・・・。
誰がインフルエンサーになれるのか?
インフルエンサーとは、スマホと共有したいメッセージがあれば誰でもなれる。
カディジャ・オリバーがそうだ。2023年3月、彼女はTikTokにターゲット(店名)の試着室でプラスサイズの服を試着する動画を投稿し、その動画は拡散した。今では5万3000人のフォロワーが彼女のコンテンツを定期的に閲覧している。
現在、オールド・ネイビー(ギャップ傘下)、アメリカン・イーグル、アバクロ、コールズ、米国Amazonなどのオンラインショップ、彼女に報酬を支払い、彼女の5万人以上のフォロワーに商品を宣伝してもらっている。
オリバーのようなソーシャルメディア・インフルエンサーは、インスタグラムやTikTok、YouTubeなどのソーシャルメディア・プラットフォームにアカウントを持っている日常的な人々だ。
プロのスポーツ選手やアーティストとは異なり、こうしたインフルエンサーは投稿するコンテンツだけでフォロワーを集める。消費者が知らない人物をフォローする理由は様々で、その人物を面白いと思ったり、有益だと思ったり、好感を持ったり、判断を信頼したりするためだ。
マイクロインフルエンサーが小売業者と消費者の支持を得る
数百万人のフォロワーを持つインフルエンサーもいる。しかし、最近では、数千人のフォロワーを持つ有名人ではないインフルエンサーであるマイクロインフルエンサーが、小売業者や消費者の支持を集めている。
インフルエンサー・エージェンシーのマーベリーは、オンラインショップとインフルエンサーを結びつけ、有償で商品を宣伝させる会社で、オリバーに声をかけた。加入後、オリバーはフォロワーにプラスサイズの服を紹介することで、最初の1週間で1,200ドルを稼いだ。それ以来、彼女は月に約6,500ドルから7,500ドル以上の報酬を得ている。
小売業者は、インフルエンサーに試用してもらうために商品を送ることもある。ジェン・ホワイトはインフルエンサーとして7年近く活動している。YouTubeとTikTokで活動しており、TikTokのフォロワー数は約98,000人だ。
ホワイトは、オンラインショップと直接仕事をするだけでなく、スポーツ用品・アパレルブランドのアンダーアーマーや、オンライン寝具ブランドのブルックリネンやディックス・スポーティング・グッズとも仕事をしている。
ブルックリネンはホワイトに一律料金を支払っている。彼女は、自分のTikToksに貼られた紹介リンクから、アンダーアーマーなどのブランドからコミッションを得る。
「エンゲージメントが高ければ高いほど、他の取引よりも多くのコミッションを得ることができます。ディックス・スポーティング・グッズの場合は、コミッションは発生せず、固定で支払われます」と彼女は言う。
インフルエンサーにとっての信憑性の重要性
ホワイトは、気に入った商品には自分でお金を使うが、小売店からウェブサイトや店舗で使えるようあらかじめ商品代金分の費用を受け取ることもある。また、正直なレビューを投稿する前に、無料で試せる商品も受け取っている。
「いろいろなパターンがあるから好きなんです。ブランドによっては商品を送ってくれるところもある。でも、合わないブランドや気に入らない商品とは仕事をしたくないの。投稿することに罪悪感を感じるから」。
アンダーアーマーは彼女にアスレチックシューズを送った。
「私は自分に関係のあることをするようにしています。そして私の視聴者は(正直さを)評価してくれていると思います」と彼女は言う。
オリバーは、ビデオで試着したアイテムのアフィリエイトリンクをフォロワーに提供している。
報酬はブランドによって異なる、とオリバーは言う。彼女は、オールドネイビーやアメリカンイーグルにリンクした投稿から発生した売上のパーセンテージを得る。 彼女は、コミッションの多寡で他のブランドを選ぶことはないという。
「アメリカン・イーグルは高い手数料を提供してくれませんでしたが、それでも私は彼らのジーンズが好きなのでリンクしています」とオリバーは言う。
オリバーは、気に入ったブランドがあれば、報酬に関係なくそのブランドについて投稿するそうだ。
「自分が買うものには自分のお金を使っています」とオリバーも言う。また、ホワイトと同様に、彼女は店の商品代金分の費用を先に受け取って使うこともある。
オリバーは「オールド・ネイビーは、私に商品代金分の費用を提供してくれました。でも、具体的にどんな商品を買えばいいかは指示がない(インフルエンサー任せ)です。本当にうまくいったビデオは、私がそのアイテムを買うのを楽しんだからです」とオリバーは付け加える。
インフルエンサーと小売業者がつながる方法
マーベリーやアーウィンのようなエージェンシーは、インフルエンサーと小売業者とのつながりを提供している。
「ブランドが何を求めているかによって、私たちはリサーチをカスタマイズします。最近、マイクロクリエイター(マイクロインフルエンサー)への大きなシフトがあります」と、アーウィン・グローバルのパイパー・ドネリーは言う。
おわりに
記事後半は同じような例え話が続くので割愛しました。
しかし、このインフルエンサーの流れを見ていると、アイドルの歴史と重なりますね。昔はきっちりとレッスンを積んだ人で素人風に見せながらもつぶさに見ているとやっぱりプロだと言う人が主流でしたが、ある時から素人風に見えて、ほんとに素人だったというアイドルがブームになりました。高嶺の花過ぎる人から、ちょっと頑張れば会えそうな人という感じですね。
そのくらいの方のが、リアリティーがあるのでしょう。
また、プラスサイズの人が服を紹介するほうがリアリティと信憑性が増しますね。ネット社会なので、ルックスを揶揄する人がかならず出てくるでしょうけれど、一定の支持を受けるインフルエンサーになってしまえば、そんな雑音気にならないはずです。見た目を茶化す心の貧しい奴より、あなたのほうが絶対にお金持ってます。