こんにちは。ジェイグラブの横川です。
過去に何度か記事にしたことがありますが、中国やベトナム以外にも世界各国で、国が越境ECの後押しをしています。日本も補助金という形で後押しをしています。補助金自体はとても素晴らしい制度だと思いますが、元を辿れば税金ですので、補助金を使ったのに1年そこそこで撤退というような税金の無駄遣いは避けたいものです。
これまで補助金のサポートなどもしてきましたし、補助金を使って越境ECのサポートもしてきましたが、うまく行っている企業とそうでない企業の明暗はどこでついてしまうのか、少し見えてきました。それを今回は書いておこうと思います。
前提(あくまで仮定)
まず、前提として、以下のような補助金があると仮定します。あくまで話をわかりやすくするために仮定の金額や仮定の補助率で話を進めます。
- 越境EC構築に100万円かかるとする
- 構築で終わりではなく、構築後にもコストはかかる(仮に50万円かかるとします)
- 補助金の補助率は1/2である
補助金はクーポンではない
補助金を使って越境ECを始めて、うまくいかない企業は「補助金をクーポン」かなにかと勘違いしているケースがあるように思います。
越境ECは構築後もプロモーション費や支援者への手数料、ECモールの成約手数料等々、コストはかかり続けます。始めるからにはそうした中長期的な視野でもって考えなければなりません。
ところが、失敗するケースの企業は、目先の構築にかかる費用が半額で済むとだけ考え、その後の事を考えておらず、構築後に息切れしてしまうというパターンに陥ります。大体黒転するまで3年は構えましょう。
今回の前提で言えば、構築費100万円とその後に50万円かかるところを当面は50万円で済むと考え、50万円しか工面しないという感じになります。
浮いた費用は今後にかかる費用に回せると考える
補助金をつかってうまくいく、あるいは長続きする企業は、補助金は返済義務のない融資のようなものととらえ、融資で少し資金繰りに余裕が出た分、その分を先々の投資に回せると考えます。
今回の前提で考えると、100万円かかるというのは構築にのみかかる費用であり、構築後にも費用がかかる(個のブログの例では50万円)のであるから、本来は150万円以上用意しておかなければなりません。
それが、補助金によって構築が半額で済むのだから、構築費として考えていた資金の一部は浮くことになり、それを構築後に回すことで、より豊かな越境EC運営ができる。本来なら150万円以上準備しないといけないところが、少なくとも最初の1年は100万円プラスαの工面でなんとかなる。結局100万円かかるなら100万円は用意しないとだめだということです。
こんな感じで中長期的に見てないとうまくいきません。
おわりに
補助金から補助金へと綱渡りをしないと持たないような企業は実態としてはもう存続不可能な状態で、遅かれ早かれ倒産の方向だろうと思います。補助金は一時しのぎで負担を軽くするツールではなく、中長期的に考えた際の負担を軽くするものです。
そろそろ来年度の補助金情報が出てくる頃かと思いますが、補助金の考え方を間違えていると、公的機関の人が気の毒に見えてきますし、なにより税金の無駄遣いだということになります。
今回、この記事を書こうと思ったきっかけは、越境ECに携わる同業他社などが集まる機会があったときに、多くの人が「補助金を使って成功している企業が皆無に等しい」と言っていたことでした。補助金自体は素晴らしい制度です。有意義に使って公・民でうまく携えあって成功していきましょう。
最後に公的機関の方にお願い。
(このタイミングで言ってももう遅いかもしれませんが)補助の対象を構築のみでプロモーションは対象外とか、あるいはプロモーションのみOKなどのように、構築とプロモーションを分けないでほしいと思います。現在の日本で構築済みでプロモーションだけが課題だという企業は多くないです。成功するには一体で考えねばならないので、分離しない補助金が必要です。1万社支援プログラムが発表された現在は特にです。これらの立て付けの問題もよろしくお願いいたします。