皆様ご存知のWalmartですが、2024年8月に米国のアーカンソー州で開催された「Let’s Grow! 2024 Walmart Marketplace Seller Summit」にて、カテゴリーの拡大、マルチチャネル・フルフィルメント、市場間での販売を簡素化する新機能など、最新の戦略が発表されました。

ライバルのECモール eBay、Amazonなどに対抗！

Walmartは、パンデミック中から現在もEC事業を強化しており、eBayやAmazonなどの競合から多くの消費者を獲得するため、なんと中古時計やコレクターズ・トレーディング・カードなど、いままでeBayが得意としていた領域に参入を発表しました。正直大変驚きのニュースでした。

Walmartの最高EC責任者のトム・ウォード氏は、Walmart ECの顧客の要望に応えるため、サードパーティ・ベンダーからの商品を提供するとしており、新たなカテゴリーには、高級美容品、収集品、その他中古品も含まれることになり、Walmartの顧客基盤の拡大と成長の原動力になると述べました。

新たなカテゴリー：「Premium Beauty」

「Walmart Marketplace」に新たに「Premium Beauty」が展開されます。これにより、20以上の新ブランドを含む高級美容品がスキンケア、ヘアケア商品として出品されます。より高級でシームレスなブランド体験を提供することになりますので、Walmartとしては、本格的なビューティー分野を深堀していくことになり、結果として競合に負けないトップデスティネーションとしての地位を強化するのだと思います。

中古品を扱う初のデジタルサイト「Resold at Walmart」の導入

初のデジタルプラットフォーム「Resold at Walmart」が導入されます。約 1,700以上の販売者から提供される500万点以上の商品が販売されることになり、高級ファッションから電子機器、コレクターズアイテム、スポーツ用品など、さまざまなカテゴリーのUSED品が販売されます。

また、「Collector shop」では、Walmart限定商品や予約注文も可能となるようで、また「Resold at Walmart」では、コレクターズアイテムに中古販売での条件が追加されるようです。対象となる出品者はアクションフィギュア、人形、トレーディングカード、スポーツ記念品、コミックブック、レコード、楽器などのコレクターズアイテムについて、10月31日まで手数料0％の特典も利用できそうです。

新しいフルフィルメント・ソリューション

Walmartはまた、自社のサプライチェーンと物流サービスを強化、出品者に対する支援を拡大するとアナウンスしており、Walmart Fulfillment Services（WFS）を利用する出品者は、効率的かつコスト効果の高い方法で商品を顧客に届けることができるようになるようです。また、越境ECにおいては、フルコンテナ貨物を対象とした新しいWalmart Cross Border輸入サービスを通じて、アジアから米国内のWFS施設へ直接輸入貨物を輸送することができるようになるとのことです。

出品者はWalmartの新しい物流ソリューションを活用することで、商品の保管、梱包、配送、さらにはカスタマーサポートまでを一括して任せることが可能になります。出品者が自身の物流手配にかける時間とコストを削減でき、自らのビジネス・コア業務に集中できる環境を提供するとしています。AmazonのFBA同様かそれ以上にスピーディーで信頼性の高い配送を実現できるようで楽しみではあります。

オムニチャネルとマルチチャネルの革新

さらに、Walmartの強みでもあるリアルとネットの融合「オムニチャネル」および「マルチチャネル」戦略が強化されるようで、オンラインとオフラインの販売チャネルが今までは完全に縦割りで別事業として扱われていましたが、今後統合され出品者はシームレスに商品を購入者に提供できるよう支援されるようです。一例では消費者がオンラインで購入した商品を店舗で受け取ることができる「クリック＆コレクト」をはじめ、店舗内の在庫をオンラインでリアルタイム表示するなどです。

また、マルチチャネル戦略の一環として、Walmartは出品者が自社のECサイトや他のマーケットプレイスでも同時に商品を販売できる連携ツールも提供するとのこと、出品者はWalmartの顧客基盤を有効に活用しながら他のプラットフォームでも売上を拡大する機会を得られるようになります。

Source：Walmart Marketplace Accelerates Growth; Launches Category Expansion, Multichannel Solutions and Omnichannel Innovations for Sellers（Walmart）

おわりに

Walmartは現在、米国を含む24か国で展開しており、毎週約2億5,500万人の顧客と会員が、19か国にある10,500以上の店舗とECサイトを訪れています。Statistaのデータによれば、2023年世界で最も売上高が高かった企業第1位はWalmart、次にAmazon、eBayでした。

現在のところ日本からWalmartへの出品ですが、米国法人、返品受付可能な商品倉庫、専任のスタッフがいないと越境EC出店ができませんが、ジェイグラブが運営する越境ECマーケットプレイス『j-Grab Mall』は特別な許可をWalmart本社からいただき越境EC販売をさせていただいております。Walmartで越境EC販売を検討されている事業者様、お気軽にご相談ください。

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