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SNSを利用したEC事情@ベトナムー3ーSNSを活用した購入経路を探る

こんにちは。ジェイグラブ・スペイン特派員の渡部です。

前回はベトナムで最も利用されている4つのSNSについてお話ししました。

今回は、ベトナムの人々はそれらのSNSからどのように商品購入に至るのか、購入経路を探っていきます。

出典:Q&Me

上のグラフによると、買い物目的でSNSを利用する人は44%と、ベトナムでもSNSはネット販売の潜在市場と言えます。

全体として、オンラインチャネルとオフラインチャネルの両方が、消費者の購買過程において重要な役割を果たしています。
ほとんどの製品(ホームケア、ソフトドリンクなど)はオフラインで購入されることが多いため、消費者は通常、オフラインチャネルで買い物をする際に最初に製品を知ります。
オンラインプラットフォームは、購入前の製品に対する消費者の信頼を高めるための情報源として、検討段階と購入後の段階で高い人気を示しています。

以降は、「Facebook Commerce Vertical Report 2022」(※1)の資料を元に、Facebookに焦点を当て話を進めます。

※1:「Facebook Commerce Vertical Report 2022 (link)」

出展:Facebook Commerce Certical Report 2022 by Decision Lab
消費者の購買プロセスにおけるFacebook利用率

購買行動に関しては、消費者の57%が購入を計画的に行うことが多く、43%は衝動的に行われるというデータがあります。
消費者行動への影響を十分に活用するために、ブランドとマーケティング担当者は、消費者の購買行動の各段階で次の側面を考慮する必要があります。

【発見段階】

栄養価(例:乳製品)、フレーバー(例:アルコール飲料)、ブランドの評判(例:ソフトドリンク)、価格設定・プロモーションコンテンツ(例:家電製品)など、製品の利点・品質を伝える有益なコンテンツは、消費者を引き付け、さらなる情報探索を奨励します。

出典: Facebook Commerce Certical Report 2022 by Decision Lab

オンラインチャネルは、スキンケア、ハイテク機器、家電製品、金融サービスなどの消費者の間で人気が高まっています。

他のオンラインプラットフォームと比較して、Facebookは、家電製品を除くほとんどのカテゴリで、消費者の約40%が製品について情報を集めていることから、認知度を高めるのに効果的です。

特に、Facebookをはじめとするソーシャルメディアプラットフォームは、金融サービスの重要な認知源となっています。

【検討段階】

出典: Facebook Commerce Certical Report 2022 by Decision Lab

検討段階において、ほとんどの消費者にとって大きな課題は「信頼できるかどうか」です。
購入時の消費者の主な懸念は、不正な製品広告やチャネル間での価格の不一致で、消費者の54%は購入を決定する前に積極的にオンラインで情報を検索していることから、オンラインチャネルは、この段階で使用される最も一般的な参考資料と言えます。
しかし唯一の例外はソフトドリンクのカテゴリで、これは主にオフラインで購入され、オンラインで参照する必要があまりないようです。

Facebookは、他のオンラインプラットフォームと比較して検討段階でも強い存在感を示しており、製品を検討する際に消費者の45%が利用しています。
また、興味深いことに、消費者は情報を調査する際、製品の特性や品質などの情報だけでなく、予防情報(製品の安全性、副作用など)やアフターサービス(返品・トラブルシューティング プロセスなど)にも高い関心を示しています。

【購入段階】

Facebookは、間接購入に関しても重要な役割を果たしています。
消費者の45%は、Facebook、Instagramで情報を見た後、eコマースプラットフォームで購入することがよくあります。

一般的に、衝動買いの割合(43%)は、計画的な購入に比べてわずかに小さくなっています。

Facebookユーザーの購入者の48%は衝動的に購入する傾向があり、特に粉ミルク、パーソナルケア、家電製品、食品を購入しています。

購入場所としては、オフラインチャネルとeコマースが最も顕著なチャネルで、eコマースプラットフォームはパーソナルケアとスキンケアでより人気があります。

Facebookで直接購入する消費者は約20%にすぎず、まだ強力ではありませんが、Facebookは間接購入とCPASで重要な役割を果たしています。

Facebookの間接購入は、ホームケア、スキンケア、食品の購入者の間で最も人気があり、これはeコマースプラットフォームでのこれらのカテゴリの高い購入率に関連している可能性があります。

間接的な購入については、F&B(外食産業)およびエレクトロニクスカテゴリでの販売を促進するために、いくつかのオフラインチャネル(スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど)との連携が検討される可能性があります。

購買意欲を高めるために、消費者の優先志向はカテゴリごとに様々に変化します。

◆消費者の優先志向

・乳製品、粉ミルク、スキンケア、パーソナルケア製品

 →製品の原産地などの製品品質の保証。

・エレクトロニクス(ハイテク機器、家電製品)

 →購入前に製品を試すことができるかどうか。

・ホームケア、食品、金融サービス

 →価格設定、プロモーションコンテンツ。

・清涼飲料や酒類

 →最寄りの店舗住所のナビゲーション。

消費者の関心を維持し、より多くの購入を促すには、明確な製品の出所や購入前の製品トライアルなど、実証済みの製品品質情報を伝えることが効果的です。

出典:we are social、KEPIOS

ホームケア、食品、金融サービスに関しては、消費者の購入決定はプロモーションや価格設定に最も影響を受けます。

清涼飲料や酒類はオフラインでの購入が多いため、流通経路の情報は消費者の購買意欲を高める上で重要な役割を果たします。

FacebookとInstagramには、現在のところ消費者を詐欺から保護する完全な商用機能がないため、フィードバック検証、返品サポート、詐欺レポート、価格比較機能を導入することも、消費者の信頼を獲得し、より多くの販売を促進するのに役立つ可能性があります。

【購入後の段階】

消費者は購入した製品を再購入する傾向があり、次の購入を促すには、良好な購入体験と消費者とのつながりを維持することが重要です。

Facebookはまた、購入後の段階でも最も人気のあるチャネルの1つで、消費者の47%が販売者をフォローして製品の最新情報を受け取っています。

過去の肯定的な購入経験は、消費者の再購入の決定において重要な部分であり、消費者の54%がソーシャルメディアを通じての購入決定に影響を与え、購入経験を高く評価しています。

したがって、消費者のエンゲージメントを維持することは、再購入の意思決定に不可欠です。

また、健康上の利点、保証、レビューなど、製品の品質と利点に関するコンテンツは、消費者への安心材料として最適です。

次回は、ベトナムのSNSを活用して購入する人習慣について深掘りいたします。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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