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越境ECブログ

米国の関税の非課税基準値撤廃措置をバイデン大統領に超党派で上院議員が訴え

PHOTO BY Evan El-Amin
こんにちは。ジェイグラブの横川です。

越境ECを始めようと検討している事業者にとって、まず思いつく不安の一つに「関税」があると思います。しかし、関税については弊社のセミナーを受講された方は、そんなに心配はないということをご存知だと思います。

なぜなら、関税は必ず発生するものではないからです。
関税にはデ・ミニマスと言われる「関税の非課税基準値」というものがあるからです。この基準値は国によって異なります。基準値が高い国は、高額なものを送っても関税が発生しませんし、基準値の低い国へ送ると、数千円のものでさえ関税が発生します。

アメリカ合衆国の場合、この非課税基準値はBtoCの場合、800ドルまで無税なので、2024年2月27日現在の為替レートで計算すると、日本円で約12万円の商品までは無税で通関するということになります。

非常に太っ腹な基準値を設けているアメリカですが、この太っ腹も続かないかもしれません。


米国上院議員、800ドル未満の小包に対する免税措置の廃止をバイデン大統領に要請

無税で通関する中国からの荷物の数を取り締まろうとする2人の米国上院議員が、ジョー・バイデン大統領に行政措置を取るよう求めている。オハイオ州選出のシェロッド・ブラウン上院議員(民主党)とフロリダ州選出のリック・スコット上院議員(共和党)は、800ドル未満の電子商取引貨物に対する免税措置を廃止するようバイデン大統領に求めている。両氏は、現在の政策は外国企業やTemuやSheinのようなeコマース・プラットフォームを不当に利するものであり、米国企業を競争上不利な立場に追いやるものだと言う。
この状況は転換点に達しているというが、ビジネス界には、低価格商品の免税扱いは商業を加速させ、消費者の節約につながると反対する意見もある。

参考:Senators urge Biden to end duty-free treatment for packages valued at less than $800


おわりに

民主党大統領とは反対の共和党議員だけからの訴えであれば、アメリカ国内の政争の具にしようとしているのでは?という気もしますが、上記記事の通り、共和党と民主党双方から訴えが出されていますから、これは大局的視点で思慮されているという感じがします。

記事を見ると、やはり中華系ECモールの猛威から米国経済を守ろうという意志が感じられます。今のところ中国側からはなんのコメントも確認できていませんが、中国からすれば「なら買うな」といいたくなりそうな話ですね(笑)。個人的にはむやみに個人情報を提供したくないので、中華系ECは使っていませんが。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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