こんにちは。ジェイグラブの横川です。
先日、アマゾンとイーベイのそれぞれの返品システムを巡って、アメリカのユーザーの間で議論が起こったようです。それは、アマゾンによる返品に関するルールの変更アナウンスがきっかけのようでした。この変更は9月から適用されます。議論の結果、大勢の意見はどうなっているのでしょうか。
このアマゾンの変更はモロに日本の出品者にも影響します。したがって、これも日本から海外ECモールを選定するときのヒントになるはずです。
売り手がアマゾン(Amazon)、イーベイ(eBay)の国際返品をめぐって議論
アマゾンが米国の返品先住所を提供していない販売者に対する返品ポリシーの変更を発表したことに対し、販売者からはさまざまな反応があり、中にはアマゾンでの海外返品とイーベイでの返品を比較する人もいた。
このアマゾンのポリシー変更は、米国の購入者に米国の返品先住所を提供していない海外の販売者に影響します。2024年9月16日より、販売者による海外返品に関するポリシーにより、セラーセントラルにデフォルトの米国の返品先住所を設定していない海外の販売者は、返品リクエストから2日以内に返品商品の確認なしに払い戻しを行うか、運送業者に前払いして、買い手から自分自身宛の海外返品配送ラベルを提供することが義務付けられます。
「現在、当社(アマゾン)の返品ポリシーでは、返品リクエストから5日以内に返品解決策のいずれも提供されない場合、当社が売り手に代わって買い手に返金し(アマゾンが立替え)、その金額を販売者アカウントに請求する場合があります」とアマゾンは8月19日に発表した。「顧客体験を向上させるため、この期間を5日から2日に更新します。」
この発表について、ある販売業者は、アマゾンに対し、より安い返品ラベルを入手する方法を提供するよう求め、販売業者が顧客に商品を発送できるようにアマゾンが配送業者と交渉して料金を安くできると確信しているとコメントした。
発表記事にコメントした販売者たちは、海外の販売者への影響についてコメントすることだけにとどまりませんでした。たとえば、米国を拠点とするある販売者は、アマゾンに、税関書類と送料前払いの返品用送り状をアップロードできるようにしてほしいと依頼しました。
何人かの販売業者は、米国の販売業者に対する海外販売に関するイーベイのポリシーはアマゾンのポリシーよりも優れていると考えていると述べた。「ここ(アマゾン)では海外販売をしなくて本当によかった」とある販売業者は書いている。「ここ(アマゾン)での海外販売に関するポリシーは狂気じみている。海外販売に関してはイーベイの方が私にとってはるかに優れている」と。
別の出品者も「イーベイは海外での販売に向いている」と同意し、「しかし、プラットフォーム全体としてはアマゾンより何年も前に中国の安物のジャンク品を扱っており、今ではアマゾンも似たようなものになりつつある。配送を含めた取引全体の処理はアマゾンより500%優れている」と付け加えた。
「返品もイーベイの方がよい」とある出品者は書いている。「少なくとも、購入者が商品を返送する前に、購入者と問題を解決する機会がある。たとえば、誰かに鍵付きの箱を発送したとしよう。アマゾンの顧客が「鍵がない」と言い、ラベルを貼って返送するだけだ。イーベイでは、購入者に「箱の内側の左側にテープで留めてある」とメッセージを送る。購入者も出品者も満足だが、アマゾンではどちらも欲しいものを手に入れられず、簡単なメッセージで問題を解決できたのに、時間と労力を無駄にする。」
ある販売者は、次のように書いています。「言いたくはありませんが、アマゾンが海外への発送を安価に行える方法を提供しない限り、FBM(自社発送)の海外提供は中止されるでしょう。アマゾンのほとんどの取り組みには賛成です。一度ゲームに参加してしまえば、それはあなたに有利に働くからです。しかし、1 回の返品で、FBMでの海外販売が台無しになってしまいます」。
参考:Sellers Debate eBay, Amazon International Returns
まとめ
記事を読む限り、国際取引に慣れたユーザーの意見をまとめると、軍配はイーベイに上がる感じですね。にもかかわらず、アマゾンしか選択肢にない人が日本に多いのは、未だに不思議です。
日本の場合、お上意識、横並び意識が強いため、なにか新しいことを始めることに対して非常に腰が重く、そして尻に火がつくまで追い詰められた末にようやく動き出すのですが、その際には冷静さを欠いているので、「新しいことを始める前から知っていた」ものに対してのみ信頼し、非常に視野の狭い状態でスタートするため、実際には何も考えずに始めてしまったも同然なので、上手くいくはずもなく、気づいたときには後の祭り・・・というケースが目立ちます。
日本人の多くは、生まれた瞬間に目にしたものを親と認識してしまう「ひよこ」なのかな?と思うときがあります。例えば、海外では全くメインストリームにない、ヤフーが今でも主要な位置にいたりするのがいい例です。パソコンやインターネットが普及し始めた90年代に、「とりあえずヤフーなら聞いたことあるから」という理由だけでユーザーが集中したように、いわゆる情弱と呼ばれる人を多く含むレイトマジョリティでも知っている、認知度があるところに集中する傾向があります。これって、考えているようで全く考えていない行動なんですよね。
越境ECでも「イーベイなんて知らないから信じられないけど、アマゾンなら知っているから」程度で始めてしまって失敗している事業者を良く見ます(実際の相談のときには、ここまで正直に言ってくる人はいませんが、聞いていれば分かっちゃいますよwww)。というより、地方の方では支援する側の組織の中に、自身の無知を棚に上げて大手を振って偉そうに上述のようなことを話すオッサンがいるそうです。もう開いた口が塞がりませんね。本来は、事業者とプラットフォームそれぞれの性格を見て、適切なプラットフォームを選ばねばならないのに、です。
さらに不思議なのが、「認知度が高くて、自分でも知っていたから」と理由で、プラットフォームを選んだ人が、自分の取扱商品の認知度についてほとんど考えていないというところです。認知度のない商品が短期間で売れていくわけがないのに、数ヶ月で結果を出したいと考えていたりします。。。
今回は、返品システムについての話でしたが、昔から、認知度アップフェーズならイーベイ、認知度がついたり、リピーターが増えたならアマゾンというように言われます。これは、日頃からアマゾンのヨイショ記事を書くような人ですら書いていることです(その記事の翻訳もこのブログで大昔に載せています。下記「関連記事」参照)。
最後は恨み節全開になりましたがw、考えていない責任者・担当者のいるところは悲劇ですので(お互いw)、しっかり考えましょう。