こんにちは。ジェイグラブの横川です。
中国では、ロシア応援購買が起こり、ロシア関連商品の売り切れが続いたというニュースがありましたが(参考:ロシア製品を購入し、ロシアを支持する中国人ユーザー)、ロシアチームと対峙する日米欧側の大手ECマーケットプレイスのイーベイ(eBay)では、ウクライナ関連商品の売上が急増し、ロシアのウクライナ侵攻後から10,534%も急増したというニュースが有りました。
これで、中国は日本と政治的には完全に逆の立場にあることがわかりますので、この政治的なスタンスの違いから、日中関係が今後こじれることがあれば、通商的報復を受ける可能性もあるため、経済安全保障という視点で考えると、中国一辺倒というのはだいぶリスクの高い活動ではないかと思います。
イーベイ、ウクライナ商品売上高、プーチン侵攻後10,534%急増
ロシアのプーチン大統領の侵攻が続く中、多くの人がウクライナへの支持を示そうとし、イーベイの親ウクライナをテーマにした商品の売上が、戦争が始まってから米国内で10,534%も跳ね上がった。
ウクライナ侵攻が2ヶ月近く経とうとする今、イーベイ広報担当者は、2月24日の侵攻開始以来、ウクライナ国旗の売り上げが、それまでの3カ月間を合わせて17,889パーセントも増加したとニューズウィーク誌に語った。
同スポークスマンによると、2月24日以降、米国で販売されたウクライナの国旗は20,328枚で、前の3カ月間の合計が113枚であるのに対し、イーベイはこれを記録しているとのこと。
Tシャツやステッカーなど、その他の親ウクライナ的なアイテムは、侵攻後のイーベイでは、過去3カ月間の合計と比較して6,456%増加している。侵攻までの数カ月間に販売された199点とは対照的に、合計で12,849点が販売されたことになる。
開戦以来、ロシアの行動を非難し、市民がロシアでビジネスを続けるブランドや企業をボイコットする中、米国はウクライナに支援を申し出てきた。
国旗をはじめとするウクライナグッズの購入も、同国への連帯の象徴となっている。
カリフォルニア州ベルモントのある独立系ギフトショップは、KRONニュースに、「ウクライナの国旗はすぐに買われてしまうので、品切れが続いている」と語っている。
ジュディ・フラッグ・シティのオーナーであるジュディ・シェルトンは、販売に合わせて一日おきに新しい荷物が届けられていると語っている。中には、ウクライナの旗を自作して販売しているところもある。
国際的には、フランスのある国旗工場がAFPに語ったところによると、最近、ウクライナの国旗の需要が急増している。「通常、私たちは毎年4、5枚のウクライナの国旗を作っている。しかし、10日間で1000枚の旗を作ったことがある」と、ノルマンディーにある旗製造会社の社長、エリック・ボニーは先月語った。
ウクライナの青と黄色をテーマにした典型的な商品のほか、米国での販売では、ウクライナのゼレンスキー大統領の象徴であるオリーブグリーンのシャツの需要が高い。ゼレンスキーが幾度となく着用した、ウクライナ軍のシンボルが描かれたオリーブグリーンのシャツは、現在アマゾン、イーベイ、エツィーで販売されている。以前の報道では、エツィーのある小売業者は、このシャツで1週間に約3000ドルの利益を上げたとニューズウィークに語っている。
参考:eBay’s Ukraine Merchandise Sales Jump 10,534 Percent Since Putin Invasion
おわりに
Tシャツとかマグカップなどにはすぐにプリントできるため、なにか目立つ出来事が起きると、すぐに商品化されます(日本でもそういうTシャツやさんはありますね)。このフットワークの軽さが海外ビジネスでは重要です。
そして、「越境ECは経済欄だけでなく、国際欄も読め」という、経済安全保障視点の話もさんざん言い続けてきましたが、これまでは予測や憶測で話し、想像してもらおうとしておりましたが、こうして実際に戦争が起きると、この話の意味が現実味を持ってご理解いただけるのではないかと思います。