こんにちは。ジェイグラブの横川です。
ペット市場は日本でも熱い市場ではありますが、外国の方のが比較するともっと熱いです。
だからといって知名度や認知度もないうちから、越境ECを始めればすぐにウハウハになるということはほぼありません。
しかし、地道にすべきことをして行けば結果につながる市場であることは明らかで、それがデータでも見て取れます。今回はイギリスのペット市場に絞っていますが、EC普及率が世界で2位につけるイギリスのペット市場は、可能性を感じます。
英国のペットオーナーはeコマースへの支出増加と予測される
EC特化型物流企業のウィスルによると、イギリス全土のペット・オーナーは、2023年にオンラインでの支出が12%増加すると予測している。同社が今年初めに発表した「eコマース消費者調査」レポートは、1,000人を対象にしたもので、その61%がペットを飼っている。
調査回答者のうちペットを飼っている層では、世帯収入の中央値が少なくとも7万ポンド(約1300万円)であること、56%が家族でペット買うだけでなく、子供が自身でペットも飼っていること、46%が男性、54%が女性であること、ペットを飼っている回答者の73%が犬を飼っており、53%が猫を飼っていることが判明した。さらに、32%が18歳から24歳、49%が35歳から43歳、19%が55歳以上であった。
調査によると、英国のeコマース市場は2022年に1,115億ポンド(20兆円)を突破し、2027年のオンライン売上は1,688億ポンド(31兆円)に達すると予測されている。この売上は、国内5580万人以上のオンライン消費者によって支えられている。また、ウィスルによると、英国の普及率82.7%は世界第2位であり、英国の消費者がeコマースで大きな役割を果たしているのは明らかだ。
しかし、この大きな関心には大きな財政的責任が伴う。
調査によると、経済状況について「最も自信がなく、最も心配している」のは、子供やペットのいる消費者、女性消費者、若い消費者、世帯収入の低い消費者であった。
このような不安要素があるにもかかわらず、ペットを飼っている回答者は、2023年にはオンラインでの支出が平均12%増加すると予想している。これらの消費者は定期購入(サブスク)にも精通しており、現在40%がeコマースの定期購入を利用している。
購入が完了し、あとは配送を残すのみとなったとき、ペット・オーナーは配送コストを最重要視しており、その重要性は配送スピードにさえ勝っている。ペットを飼っている回答者の半数以上(52%)が、配送コストを最も重要な配送機能の第1位に挙げているのに対し、配送スピードを第1位に挙げた回答者は26%であった。
ウィスルによると、ペットを飼っている消費者は、返品無料の商品に魅力を感じる傾向が強く、この層の47%が返品無料を「非常に魅力的」であり、購入の誘惑であると回答している。さらに、英国のペットオーナーは、オンラインで購入した商品を返品する傾向が強い可能性を示唆している。同レポートは、ペット・オーナーは2023年にオンラインで購入した商品の平均15%を返品すると予想しており、これは「オンラインショッピング利用者全体の平均よりかなり高い」と指摘している。
その他、ペットを飼っている回答者特有の魅力的なオプションには、無料配送があり、63%がこの機能によって商品を購入する気になると主張しているほか、他の商品の無料サンプル(34%)、既存顧客限定のオファー(33%)、当日または翌日配送(32%)、購入時の無料ギフト(31%)、商品のウェブサイトに掲載された商品レビュー(31%)、「グリーン」または持続可能な配送オプション(30%)などがある。
反面、英国のペットオーナーが無視しそうなEコマース戦術もいくつかある。例えば、61%が年会費無料の返品に魅力を感じないと回答しており、そのような商品は無視する可能性が高い。さらに、この層の大部分はソーシャルメディアで活動しているが、61%はソーシャルメディア上のインフルエンサーによる商品の推薦には興味がないと答え、56%はソーシャルメディア・サイトから直接商品を購入しないと答えている。
参考:Survey: UK pet owners expect e-commerce spending to increase
おわりに
ペットは家計に余裕がないとなかなか飼うことが難しいと言うのが一般的な考えだと思いますので、そいう意味で購入されやすいという側面もあるでしょうし。
人と動物の間に一定の線引をして飼う人もいれば、人間扱いして飼う人もおり、特に後者のタイプに気に入られれば繰り返し買ってくれる上得意客になる可能性もあります。
ただし、ただ売り始めればどんどん売れていくということはありません。逆に目利きも多い分野だけに気に入られなければ全く売れません。簡単に見えて、実は一番シビアな世界かもしれません。