jGrab

越境ECブログ

天猫国際、越境ECの拡大で中国Z世代と女性を惹きつける

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

日本もあまり人のこと言えない時期が長く続きましたが、中国の厳しすぎるゼロコロナ政策で、中国の経済力は落ちました。しかし、ECのデータはそれほど落ち込んでいませんでした。そして中国のECの牽引役は若い世代と女性であるということがわかりました。

東南アジアなども国民の平均年齢が20代ですから、この世代に興味を持ってもらうことが肝要です。ちなみに日本は48才前後。アジア諸国とは親子ほど平均年齢が離れています。オジオバが好みそうなアイテムはアジアでは無理と考え、欧米圏へ目を向けてみましょう(例:ドイツの国民平均年齢は47.3才。日本と大差ありません)。


アリババのTmall Global、越境ECの拡大で中国のZ世代と女性消費者を惹きつける

アリババグループの国境を越えたB2Cプラットフォーム「Tmall Global(天猫国際)」では、プロバイオティクスから科学的に証明されたスキンケア製品まで、最新のショッピングトレンドに敏感な若い女性消費者が売り上げを牽引しています。

中国の消費者にサービスを提供する最大の輸入eコマース・プラットフォームであるTmall Globalは、今後3年間で約1,000の国際ブランドのインキュベーションを目指すと以前に発表しています。

7月31日までの12カ月間にTmall Globalで買い物をした年間アクティブ消費者は1億人を超え、その70%は女性でした。また、Tmall Globalの消費者の3分の2は1990年以降に生まれ、そのほとんどが中国のZ世代に属しています。

「女性は、私たちの顧客全体の70%を占めています。中国の家庭では、女性が買い物の主要な意思決定者ですから」とTmall Globalのゼネラルマネージャーであるリン・ドンはインタビューで述べています。

Tmall Globalの商品提供は、2014年の立ち上げ以来、急速に進化しています。当初は、家庭の基本的なニーズ、特に高品質な粉ミルクの需要に応えるためにスタートしました。この8年間で、4万を超える美容、ファッション、健康、食品などのグローバルブランドの中国進出を支援してきました。

現在では、消費者の要求が進化し、より高度な成分を購入するようになりました。

「パンデミックにより、人々の健康に対する意識は非常に高まっています。輸入プロバイオティクスや大人向けの栄養補助食品だけでなく、低アレルギー性のベビーミルクも急成長を遂げており、この1年間で、6,400以上の海外ブランドがTmall Globalを通じて中国に進出した」とドンは述べています。

このプラットフォームは、セルフケアへの関心の高まりなど、世界第2位の経済大国である中国における最新のショッピング・トレンドを国際的なブランドが把握するのに役立っています。

「美容消費者は、技術や科学に基づくスキンケア製品に熱中しており、専門的な結果に基づくヘルスケア製品も非常に人気があります」

Tmall Globalは、近年のサプリメント需要の高まりに着目し、ヘルスケア企業や原料サプライヤーと提携し、中国消費者向けの新製品の開発・カスタマイズを加速している。

オーストラリアのLife-Spaceはこのプログラムを通じてサプライチェーンを合理化し、3月にTmall Globalでプロバイオティクス製品の1つを発売した。わずか3ヶ月で、月商100万元を達成した。

また、Tmall Globalの買い物客の80%はアリババの88VIPクラブ会員であり、アリババ・グループのエコシステムの中で最も価値のある消費者層となっています。

「消費力が強ければ強いほど、消費者のTmall Globalに対するロイヤリティも高くなることが分かっています」

中国の国家統計局によると、中国のeコマース・プラットフォームの売上高は2021年に前年比19.6%増となりました。

Tmall Globalは、中国の若者や女性消費者の需要に応えようとする海外商社のビジネス成長の機会を促進しています。

Tmall Globalは、ブランドのマーケティングと越境物流をサポートし、2025年末までに年間商品総額1000万元(148万ドル)の達成を支援します。

「越境ECの商材は今年も難題に直面します。信頼と相互扶助ほど重要なものはありません」と、ドンは語りました。

Tmall GlobalのFrontee部門(以前はTmall Overseas Fulfilment)は、消費者が世界中から良い商品を発見し、ライフスタイルのトレンドを先取りできるようリードしたいと考えています。

Tmall Globalでの購入が女性に追いつきつつある若い男性消費者向けに、輸入酒やゲーム機などのレコメンドを行う予定です。

これらのカテゴリーは、男性のグルーミングやサプリメントと並んで、中国の男性消費者に対応することを望む販売業者にとって、今後最大の成長機会である。

参考:Alibaba’s Tmall Global Attracts China’s Gen Z, Female Consumers As Cross-Border E-Commerce Grows

まとめ

この記事は、中国の消費者がレベルの高い化粧品類を求めるようになってきたということに言及しています。そして、

Tmall GlobalのFrontee部門(以前はTmall Overseas Fulfilment)は、消費者が世界中から良い商品を発見し、ライフスタイルのトレンドを先取りできるようリードしたいと考えています。

と、現場担当者が言っています。

実は、弊社には中国担当スタッフがいて、中国側がどんなものを欲しがっているのかリストを入手していますので、かなり具体的に把握しています。しかし、それを見ると、日本でも超がつくほど有名な企業のブランドばかりで、中小企業が作っているオリジナルブランドはあまり相手にされないであろうこともわかっています。

以前、紹介したブログで「国際的緊張の中でも中国人は欧米製品を欲しがっている」という記事を紹介しました。

今の中国はかつて日本が通ってきた道を歩んでいます。(世代を選んでしまう話になってしまいますが、)かつて景気の良かった日本では、左ハンドルの車、ヨーロッパのブランド、ヨーロッパの料理、何でも横文字にしたり、会話中に現地発音をいきなりぶっこんでカッコつけることでステータスシンボルマウント合戦をしていたものです。

いま、こういうフェーズに中国があるということですから、日本企業は、欧米の老舗ブランド、高級ブランド、五つ星ブランドに挑む戦略が要るということになります。いまの中国人消費者は「中国国産品のプレミアムな代替品と見なされないと外国産は買わない」という状況です。

日本国内の知名度ですらそこそこというものが、このレベルになるわけがなく、身の丈に合わない戦略は失敗するだけという事がわかるでしょう。極論すれば知名度がないという場合は、スタートラインに立つのも難しいのだという覚悟が必要です。

私達の日頃の行為を振り返った時、一般的に日本で知名度の低い外国ブランドであっても積極的に手を出して購入している人をほとんど見かけないことを思えば、日本製なら中国人は買うはずと思うのは中国人を甘く見すぎだと思います。

とはいえ、ジェイフラブではここまでの現実を理解した上で日本企業にとってよりよい中国進出の方法を模索し、提案いたします。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

SEARCH

CATEGORIES

MOST READ

ARCHIVE