弊社が運営する越境ECモール「j-Grab Mall」は、SNSショップはFacebook ShopとInstagram Shoppingに連携しています。
統計市場調査プラットフォーム「Statista」によると、TikTok利用者が最も多い国はアメリカで約1億2,200万人、続いてインドネシアが約9,980万人、3位はブラジルで約8,333万人のユーザーがいて、ちなみに日本での利用者数は約2,200万人とのことです。(2023年7月時点の情報です。)
TikTok、米国でECサービスを正式に開始、アプリ上から商品販売可能に
中国発の動画共有アプリTikTokは9月12日、米国で試験的に導入していた同社の電子商取引(EC)サービス「TikTokショップ」を正式に開始すると発表しました。
発表によると、TikTokショップはコンテンツ制作者やブランド、販売事業者にECサービスを提供し、米国内のユーザーはアプリ内の動画やライブ配信からタグ付けされた商品を直接購入できるようになり、また、アフィリエイトプログラムを通じ、コンテンツ作成者は新たな商品マーケティングの機会と販売事業者とのつながりから新たな収入源を得ることが可能になります。そのほか、販売事業者の商品の保管や梱包、配送まで物流サービスを支援するフルフィルメントプログラムを提供し、外部の決済プラットフォームと連携しているようです。10月上旬には米国の1億5,000万人のユーザーが利用できる見通しです(ABCニュース9月12日)。
インフレが長期化する米国では、中国からの低価格商品に特化したECサービスが若年層を中心に支持され、急速に成長しています。
中国発のECプラットフォームのTemu(ティームー)は2022年9月のサービス開始以来、月間アクティブユーザー数は1,100万人を記録し、2022年第4四半期(10~12月)には、米国でのアプリのインストール数はアマゾン、ウォルマート、ターゲットといった米大手小売業者のいずれも上回りました(CNNビジネス2月19日)。また、衣料品のECサービスを手がけるSHEIN(シーイン)は、米国のファストファッション市場でプレゼンスを高めており(2023年8月30日記事参照)、2020年3月から2022年3月の同社の市場シェアは約18%から40%と2倍以上に拡大しています(Statista3月28日)。
中国製品を販売するECサイトが事業を拡大する一方で、米国の規制当局はシーインとティームーのデータ収集や労働慣行への懸念を高めています。
米国連邦議会下院の中国特別委員会が6月に公表した報告書は、両社とも中国・新疆ウイグル自治区からの商品の輸入禁止を完全に順守していないことを示唆(2023年6月26日記事参照)。
また「米中経済および安全保障審査委員会」が4月に公表した報告書では、シーインの成長について「中国のECプラットフォームが規制当局を出し抜き、米国市場での支配的な存在感を高めているケーススタディー」と説明したほか、「デミニミス・ルール」(注)を活用した税関検査の回避といった貿易の抜け穴の悪用や、知的財産権の侵害、ウイグル強制労働防止法(UFLPA)への不十分な対応など、両社による多数の「物議を醸す」ビジネス慣行が言及されました。
TikTokについても、米国民の個人データが中国に流出する懸念の高まりから、2023年5月に米モンタナ州でTikTokの個人端末での使用を禁止する全米初の州法が成立しています(2023年5月24日記事参照)。
TikTokは、今回サービスを開始したTikTokショップでは安全な決済システムを提供し、米国内のユーザーのデータは全てソフトウエア大手のオラクルが管理するサーバーで保管・管理されていると主張しています(ABCニュース9月12日)。
(注)米国では、輸入貨物の申告額が非課税基準額(デミニミス)以下の場合、原産地などの情報を申告せずに輸入可能となっている。デミニミスは2016年に成立した「2015年貿易円滑化・貿易執行法」により、それまでの200ドルから、現在の800ドルに引き上げられた。
出典:JETRO ビジネス短信