こんにちは ジェイグラブの横川です。
越境ECを考える際、一番時間がかかるのが配送です。理由としては、多くの事業者が国内通販と同様に考えてしまうというのが大きな理由です。関税などが発生することは多くの企業さんが想定してきますが、そこよりも厄介なのは、日本の物流システムに慣れすぎてしまい、送料や配送設定を日本のやり方と同じように考えてしまっていて、うまく行かなくなるというパターンが多いです。
物流に関しても日本は非常にきめ細かくサービスが行き届いています。これが標準だと思ったら大間違い。むしろここでも日本はガラパゴス化しているのだと思ってください。そこで越境ECの配送を考える際にどのように解決したらいいのか、オーストラリアのフリーランスライターのデラン・クーパー氏の記事が参考になりますのでご覧ください。
eコマースにおける配送は、消費者から見れば追加コストです。しかし、しっかりとした計画と適切な戦略があれば、配送コストを活用して最大限の利益を得ることができます。ここでは、Eコマースビジネスの収益を増やすことができる5つの配送ソリューションをご紹介します。
1. お客様に配送料の補助を提供する
送料を補助することは、お客様がロジカルに取引を完了させやすくする方法のひとつです。余計なコストになることを理由に注文を放棄する可能性は低くなります。つまり、この補助戦略が収益の増加につながります。
この戦略では、お客様の送料負担を軽減するためのコストをかけて、より多くのお客様を獲得します。ここでは、この解決策を実現するためのいくつかの方法をご紹介しましょう。
・まとめ買いをしていただいたお客様に、送料無料を含む割引を提供する
・送料の一部を負担することで、消費者の送料の負担を軽減する(※ジェイグラブ註:東南アジアのECモールであるShopeeが採っている戦略です)。
・商品の価格を少し高めに設定して、配送料を含める(※ジェイグラブ註:ジェイグラブが一番オススメしている戦略です)。
2. ローカルデリバリーの活用
近くにいるお客様には、商品を直接お届けしましょう。簡単に行ける範囲の商品に送料をかけるのは意味がありません。これは、ビジネスにとってより経済的な解決策となります。
地域限定の配送サービスを提供することで、地域のお客様をより多く確保することができます。宅配サービスを提供することで、あなたのビジネスの拠点を訪問して商品を受け取ることができる忠実な顧客を増やすことができます。また、配達時にお客様からのフィードバックをすぐに受け取ることができます。
(※ジェイグラブ註:国内に居住する海外の方からの注文もありえますので、その際に検討してもよい戦略です)
3. 思い出に残る開封体験でお客様を感動させる
eコマースの配送では、お客様に魅力的な印象を与える必要があります。パッケージングは既存のお客様や見込み客にブランドについて多くを語ります。人は楽しい体験を共有したいものですから、これはマーケティングの機会にもなります。
興奮したお客様は、箱を開けたときの体験をソーシャルメディアで共有するかもしれません。このように、eコマースの配送戦略は、貴社のブランドを構築します。既存のお客様を維持し、新規のお客様を獲得するのに役立ちます。
パッケージングの方法は、商品がダメージを受けずに安全にお客様に届くかどうかを左右します。パッケージに美的価値を与えるだけでなく、極端な寒さや暑さから荷物を保護することもできます。例えば、壊れやすい貨物にはキルティングを採用するのが良い例です。
キルティングは、適切な断熱材を選択しないとうまく機能しません。貨物用キルトは、輸送中の貨物にダメージを与える熱の侵入を防ぐのに非常に有効でなければなりません。お客さまは、自分が買ったものが間違った扱いを受けて腐ることがないと確信すれば、何度も足を運んでくれます。
(※ジェイグラブ註:梱包材代わりに駄菓子を詰め込んで喜ばせたひともいます。梱包だけでなく、お礼に手紙とかでも構いません。)
4. 適切な出荷プラットフォームを選択する
複数の注文を維持して収益を上げるためには、優れた配送プラットフォームを利用する必要があります。それは以下の通りです。
・すべての注文を管理するツール
・出荷のトラッキングとコミュニケーション機能
・顧客からのフィードバックを収集・分析する機能
・すべての注文を統合し、注文状況を監視するシステム
出荷ソリューション・ソフトウェアを提供している企業は数多くあります。しかし、経験則から言えば、手頃な価格でわかりやすいものを選ぶべきです。
5. 海外への配送の障害となるものを減らす
Eコマースの配送では、かなりの割合で海外のお客様に商品を発送します。関税、税金などの問題は、お客様の頭を悩ませることになるかもしれません。これらのコストについては責任を持てないかもしれませんが、すべての情報を確実に開示することはできます。
お客様に、商品が目的地でどのような関税を課せられるのかを知ってもらうことができれば助かります。そうすれば、お客様は発送手続きに同意する前に、十分な情報を得た上で決断することができます。そうすれば、お客様のロイヤルティと信頼を得ることができます。
(※ジェイグラブ註:ジェイグラブでは、クレームになりそうな部分はクレームさせないよう先回りした方法を取ることを推薦しています)
参考:5 ECommerce Shipping Solutions To Increase Revenue
江戸時代の商人の遺した言葉に「損して得取れ」という言葉があります。本来は、金銭の損得勘定だけではなく、いまは負けたように装って将来逆転させるなどのような駆け引きなど戦略的思考全般に使うのですが、送料についてはまさにこの戦略が一番発揮されるところだと思います。数百円の損を惜しんで客を逃してしまうのなら、数百円の損を飲んで、客を喜ばせ、リピートしてもらったり、将来友人を連れてきてもらったりするほうが結果的に得です。