EC業界は絶えず成長しており、減速の兆しは見られません。eMarketerによると、2024年には電子商取引の売上は8.8%増加し、世界全体で総額6.3兆ドルに達すると予想されています。2027年までには、市場は7.9兆ドルを超えると予測されています。
ルーマニアのECマーケティング会社の調査によれば、その中でも、今後EC市場で大きな成長が見込まれる業界として、以下の7つが挙げられています。
- 食品業界(Uber Eatsなどのフードデリバリー関連も含む):2028年までの年間成長率6.58%
- ファッション業界:2029年までの年間成長率 8.94%
- DIYとハードウェア業界:2029年までの年間成長率7.87%
- エレクトロニクス業界:2029年までの年間成長率 8.92%
- メディア業界:2029年までの年間成長率7.78%
- Eラーニング業界:2029年までの年間成長率 8.56%
- 家具業界:2029年までの年間成長率 3.79%
しかしこれらはECによって販売する商品であり、オンラインで商品が売れて実際に購入者の手元に届くまでの過程にも、様々な業界が活躍していることも事実です。
Eコマースと持続可能なパッケージングが乾燥剤市場の成長を牽引
乾燥剤市場は、ECの台頭と持続可能なパッケージングのトレンドにより大幅な成長を遂げています。
厳格な水分管理を必要とすることが多い化学産業業界の近年の成長が乾燥剤の大きな市場を生み出していることもひとつの要因ですが、3Dプリンティングなどの先進的な製造技術、ヘルスケアなどの多岐にわたる産業での応用も、乾燥剤市場が成長している主な要因です。
しかし、特にオンラインショッピングの増加により、輸送や保管中の包装の湿度管理の需要も高まっています。また、例えば最近特にEUで注視されている、環境に優しい製品へのシフトを反映し、再生可能、再利用可能、バイオベースの乾燥剤の開発が新たな成長機会を提供しています。
乾燥剤市場は2023年に5億5260万ドルと評価され、5.7%のCAGR(年平均成長率)で成長し、2034年までに10億ドルに達する見込みです。
おわりに
EC業界の目覚ましい成長により、技術革新や成長が促進されている業界は他にもあります。
例えば昨年、プリンター機器でお馴染みのEpson USは、新しいタイプの配送ラベル「Label Boost ソフトウェア」を発表しました。
これはクーポンや、広告とそれらのQRコード、中身が壊れやすい商品だった場合の「fragile」や、規制、コンプライアンス情報、小包数や速達配送など、様々な情報を追加して、既存の白黒配送ラベルをフルカラーでカスタマイズできるソフトウェアです。これにより、パッケージ取り扱いの正確性や配送の適時性などを高めることはもちろん、いくつものラベルを手作業で貼り付ける手間が省けます。
ECビジネスと聞くと、「オンラインショップで何が売れるか」と考えがちです。ですが、昨今のECビジネスを支える業界にも、また、一見ECとは関係性がないように思える業界でも、まだまだビジネスチャンスは隠されていると思います。