こんにちは。ジェイグラブの横川です。
越境ECの相談を受けると、中国や東南アジアについての相談が多いのですが、売りやすい、売れやすい欧米圏を視野に入れないのはなぜなんだろうと不思議に思うことがあります。
このブログで何度か触れていますが、東南アジアは今一番急成長している地域です。将来は非常に期待が持てます。あくまで、将来です。今すぐ大儲けできるエリアではありません。
いまはまだ日本製は手の届かない物が多いです(いずれ日本は東南アジアの風下に立つ日が来るような気もしますが)。
そして、まだ、小売全体の売上のうち、オンラインで行われた率は5%程度です。なので、その現実を理解した上で進出するべきであり、無闇に夢を見ないことです。日本好きも多いし、日本製と聞けば買うだろうという思い込みはあっさり裏切られるでしょう。日本が好きなことと、日本製を買うこととは全く別の話です。例えば日本人でも韓国が好きだからといって、韓国車を買っている人をほとんど見ません。
東南アジアのECは”前説”の段階だ
東南アジアのベンチャーキャピタルのジャングル・ベンチャーズの創業パートナーであるエイミット・アナンドによると、東南アジアのeコマースはまだ「黎明期」にあり、この地域でより多くの企業が形成されているとのことです。
アナンドはインタビューで「東南アジアのeコマースは、まだ非常に初期段階にあると思います。コマース全体の普及率と比較すると、デジタル普及率は1桁台です」と語りました。
アナンドは、Grab、Sea、Gotoといった地域のeコマース企業は「まだeコマースという映画の序幕にいるようなもので、決して1つのベンチャーの成功や失敗が業界全体の結果を決めるとは思えない」とも述べた。
また、「世俗的なトレンドは明らかで、新型コロナは、より多くの消費者、より多くの企業に、インターネットを通じた行動を促したのです」。
東南アジアでは、パンデミック時にeコマース、フードデリバリー、オンライン決済などのデジタルサービスの利用が増加したと、グーグルなど各種の2021年レポートで明らかになっています。
EMQQグローバル社の創業者兼CIOのケビン・カーターは、「東南アジアは、インターネットやスマートフォンの普及率が非常に低い状態から上昇し、多くの点で、20年前の中国と米国のような場所です。この地域のインターネットチャンピオンは、その数十年の波に乗ることができるはずです。」
この地域で最大のハイテク企業である前述のSea(ショッピーを運営)は、最近、第1四半期の売上高が29億ドルで、アナリストの予想27億6000万ドルを上回り、1株当たり利益も予想を大きく上回った。
参考:Southeast Asia’s E-Commerce Market Still in Opening Act
まとめ
以前のブログに書きましたが、スマホ普及率は非常に高いエリアです。東南アジアに商売をするのなら、真っ先にスマホでどう見せるかが癖づいてないと難しいかもしれません。
なにせ、普及率が一番低いというフィリピンでさえ、81%もスマホが普及しています。日本は68%です。東南アジアに抜かれる日もそんなに遠くない気がしますね。