こんにちは。ジェイグラブの横川です。
東南アジアの大手ECモールといえば、LAZADA(ラザダ)とShopee(ショッピー)があります。LAZADAはAlibaba(アリババ)系列で、販売スタイルはAmazon(アマゾン)に似ている印象があります。一方、Shopeeは元々はゲームアプリの会社でしたが、その得意領域を活かしてスマホのECアプリで急速に成長し、東南アジアの企業として初めてニューヨーク証券取引所の上場したことでも有名です。そんなShopeeが、近い将来大きなEC市場になると予測されているメキシコにアプリで進出したというニュースです。メキシコについてはもう2年前になりますが、ジェイグラブのブログでも触れており(盛り上がり始める中南米EC市場)、数年のうちにイギリスの全人口に匹敵する5940万人ものIT人口が生まれると言われています。
では、ロイターが報じた記事を見てみましょう。
東南アジアのSea Ltd.のeコマース部門であるShopeeは、メキシコ向けのアプリを立ち上げた。
調査によると、東南アジア大手のeコマースプラットフォームであるShopeeは、越境ECの試験的な取り組みとして2019年にブラジルで小規模な試験を開始し、その後、事業を拡大してきた。
1月の情報によれば、eコマース部門は他のラテンアメリカ市場の可能性を評価していると述べていた(具体的な国名は発表していなかった)。
ラテンアメリカ第2の経済大国であるメキシコへの進出は、ショッピングアプリのWishがすでに開拓している市場であるが、新たな大きな成長機会となる可能性がある。
メキシコのAppleのウェブサイトに掲載されたアプリのプレビューによると、Shopeeはメキシコ全土で送料無料で、電子機器、衣類、玩具、家庭用品などのアイテムを提供するとのこと。
アプリの説明によると、Shopeeは東南アジアや台湾での既存のベンチャーと同様のショッピングプラットフォームを提供することを目指しているという。「私たちは、これまでの経験を提供するためにメキシコでローンチしました」と説明には書かれています。
Shopee社のメキシコのウェブサイト(shopee.com.mx)はまだ利用できず、同社が注文の受け付けを開始したかどうかは明らかになっていない。シンガポールの本社もコメントをしていない。
しかし、Seaの株式は昨年400%以上の急騰を記録。月曜日の時価総額は1,326億8,000万ドルに達した。Seaは12月の株式募集で30億ドル近くを調達した。
参考:Sea’s Shopee to enter Mexico online market with app launch
冒頭で書きましたが、ECの次のフロンティアは中南米でないかと個人的には考えています。南米は送料が高くなってしまうのがネックですが、メキシコは北米とほぼ同じ送料で送れますし、ラテン諸国の一員ですが、アメリカと国境を接しているため、南米諸国よりアメリカの影響を受けており、記事中にあるWishの他にAmazonやeBayのユーザーも多くいます。したがって、eBayなどでメキシコにアピールすることも可能です。
いまのところ、Shopeeが東南アジアとメキシコにいっぺんに出品できるといったことは一切発表していませんが、いずれできるようになるのではないかと思っています。ECは先行者優位が強烈に働く世界ですので、いま既に成熟している市場の他に、これから伸びるかもしれない地域にも挑戦してみるというのは成功に近いやり方なのかなと思います。