こんにちは。ジェイグラブの横川です。
日本企業の多くが注目する東南アジア市場、多くの企業がタイ、ベトナムを狙っています。それはネクスト・チャイナと呼ばれているからでしょう。経営的にそうした意味でこうした国を狙うのは正解だと思いますが、どうも日本人お得意の「みんながそうしているから自分もそうする」といった、実質的に思考停止している人もいそうな気がします。ブームというのは、みんながやるわけですから競争率が高いわけで、大きなシェアを握りにくいというデメリットがあります。
私なら、ブームには一応乗りつつも、みんなが開拓していないところに賭ける逆張りの種まきもし、みんなが気づく頃には自分が美味しい果実は刈り取り済みで、後発者には痩せた土地しか残さない状況にしてしまう戦略も立てますね。
そんなわけでちょっと期待しているのがフィリピンです。東南アジアのECがすごいすごいという話題は数年前からありますが、そんな中でとんと話題に上がってこなかった国がフィリピンでした。一体どうしたフィリピン?と思うほどに。しかし、このフィリピンの逆襲が始まりそうな気配がしてきました。それは皮肉にもコロナ禍が影響しています。
デジタル化が進むフィリピン、eコマースの可能性が広がる
概要
2019年の段階で国民の2/3以上が銀行口座を持っていないという状況だったため、クレジットカードを持つ人も少なく、アプリ決済などもあまり広がらず、ジ・IT後進国ニッポン同様に現金主義が幅を利かせていました(参考:東南アジアの決済方法のトレンド)
この状況に手を貸すことになったのが、日本の企業たちで^^;、一気にデジタルキャッシュ化を進めるようになります(7000近い島々があるフィリピンはデジタルキャッシュにすると、これまでの不便さを一気に解決できるポテンシャルがある)
現金主義の強かったフィリピンは、このコロナ禍でお金にまつわる状況を変えていかないと、国中の中小企業が苦境に立たされることが予想されていました。このコロナ禍で中国のAlipay、シンガポールのGrabに加え、フィリピンの国産電子ウォレットであるGCashやPaymayaの口座数も急速に増え、多くのフィリピン人が現金からシフトしました。
この状況が生まれると、eコマースもうまく軌道に乗れるので、実際オンライン購入も増えたようです。フィリピンはタガログ語の他に英語が広く通じる地域ですので、新しい言語を習得する必要なく販売ができることが魅力です。物流フルフィルメント拠点計画や、運送業者のレベルアップも(まだ課題はありますが)図られる予定で、今後楽しみな地域になります。
参考:Rising digital tide in Philippines is laden with ecommerce potential
6月1日にShoppee日本支社から、日本からShopeeフィリピンもできるようになったというリリースもありましたね!