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越境ECブログ

中国SNS、ECモール並みの規制準備か

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

来月になると、11月11日の独身の日で中国のECでは1日でいくら売り上げたと言うような「現象のみを伝える」ニュースがメディアから多数出てくると思います。同時に二匹目のドジョウを狙いに中国進出したいという日本企業の相談も増えてきます。しかし、生半可な情報収集では中国進出は危険です。中国のECモールは日本や欧米とは思想が異なります。そこを理解しないと、2000年代に頻発した中国人と合弁で現地法人を作ったが、いつの間にか乗っ取られて・・・のように、肩を落とす憂き目に遭うとも限りません。私がセミナーで「知識だけ仕入れても意識を変えなければ無理だ」と言い続ける所以です。

中国ECが難しいと考えるのは、実は日本人だけでなく、他の地域の人も同様に思っています。ただ、他の地域の人は日本人ほど臆病で神経質ではないので、割と早く順応したと言うだけです。日本でもそのことがようやく少し理解されてきたのか、中国SNSのWeChat(ウィーチャット)のミニプログラムで売りましょうというサービスを始めた企業が最近増えてきました。しかし、私に言わせれば、それもかなり遅いと思っています。なぜならWeChatのミニプログラムで販売する手法はヨーロッパの企業が2年ちかく前から始めており、その時に私はその実情を紹介した海外の記事を紹介しています(下記、「中国「WeChat」に群がる欧州高級ブランド」参照)。

というわけで、ヨーロッパ企業の動きから遅ればせながらWeChatのミニプログラムのサービスを提供し始める企業が増えた日本ですが、そのSNSもついにECモール並みの規制がかけられる事態が目前になってきたようです。まだ未確定な部分もあるようですが、すでにそうした動きがあることを伝える記事が先週末にいくつかの海外メディアから出ていましたので、お伝え致します。


中国のソーシャルメディアアプリ、ECモールと同等の新しい規制下に

Douyin、WeChat、Kuaishouなどの中華SNSは、ライブ配信ECの人気が高まっているため、新しい規制案が議論され始め、もし可決されれば、淘宝網(タオバオ)、Pinduoduo、JD.comなどのECモールと同様の規制監視の対象となる可能性がある。

中国の国家市場規制管理局(SAMR)はSNS、ライブ配信などは、ビジネスを行おうとする者に対し、ビジネスの場を提供し、商品閲覧、注文、オンライン決済などの取引に関連するサービスを提供しており、これは法律に従ってECプラットフォーム運営者と同等の責任を果たすべきであると、規制案の検討をしていることを発表した。特定のサービス名は挙げていない。

この発表によると、これらの責任には、プラットフォーム上での売り手の資格や製品の品質の監視、消費者の権利や知的財産権の保護、当局の要求に応じたデータや情報の提供などが含まれている。
SAMRは現在、規制案に対する公開聴聞で意見を募集している。

Douyin、TikTokの中国の姉妹アプリであるKuaishou、テンセントのWeChatなどのプラットフォームでのライブ配信販売キャンペーンは、コロナウイルス流行時の巣ごもり生活の大きな後押しを受けて、中国のインターネットの中で最も急成長している分野だ。
調査会社iiMediaが2月に発表したレポートによると、中国のライブ配信EC業界は、新型コロナウイルス流行時のアクセス増加により、2019年の4,338億元(6兆8千億円)から今年は9,160億元(14兆3千億円)に成長すると予想されている。

このスタイルの人気が高まると同時に、偽物や破損品、配送欠品、アフターサービスの欠如などの苦情が急増しており、規制当局の監視が厳しくなっている。

6月には、中国広告協会(CAA)ともう一つの業界団体である中国総合商会メディアショッピング専門委員会が、活況を呈する業界の規制に向け、それぞれが行動規範を起草した。
CAAの行動規範では、コンテンツの検閲と、ライブ配信ショッピングプロモーションの実名ユーザー登録が推奨され、中国総合商会メディアショッピング専門委員会のガイドラインでは、製品の品質と配信者の資格について取り上げている。

また、SAMR は 7 月に、中国のライブ配信EC業界に対する規制を強化する計画を通知を発表し、虚偽の広告や偽造品や低品質の製品の販売などの分野での罰則を再確認した。
最新の規制案のブリーフィングの中で、SAMRは、今年の新型コロナ流行の間に新たなECトレンドが出現したことにより、「様々なサービス提供者の機能的役割と、これらの新しいビジネスモデルの下での義務をより調査する必要がある」と述べている。
「ライブ配信ECの継続的な人気によって、より厳しい規制は消費者及びライブ配信者双方に規制をかけるであろう。草案はライブ配信EC界に標準化をもたらし、適者生存につながるだろう。専門のチームを持つほどのトップライブ配信者は厳しい規制環境にも適応できるが、実態が掴めず、一貫性のない粗悪品を売るような小粒配信者などは次第に淘汰されるでしょう。」と杭州の調査会社中国電子商取引研究センターは言う。

参考: Chinese social media apps held to same standards as e-commerce platforms under new draft regulation


粗悪品などが規制の緩いところで増えてきていることが当面の理由のようですが、規制が厳しくなると、参加条件も厳しくなったりすると思いますので、代行業者か求める手数料が上がるなども考えられます。この件は今後もチェックが必要そうです。

IT、越境ECの分野の進化は凄まじく早く、私がいわゆる「ヨコタテ記事(海外の記事を翻訳したもの)」を多く紹介するのも、新しい情報はほとんど海外から入ってくるからです。そして、海外で起きたブームは必ず数年遅れで日本でも起きているからです。ことITに関しては、先の読める経営をするには海外事情を知っておくほうがいいと思っています(例えば、あと5年位の間にメキシコにイギリスの全人口と等しいIT人口が誕生するという情報(下記、「盛り上がり始める中南米EC市場」参照)に接したらどうしますか?私ならもう中国より中南米対策を始めますね)。

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Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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