ジェイグラブの横川です。
アジアでは中国を中心にストリーミングによるライブコマースが盛んです。深夜の通販番組みたいな商品案内をオンラインで行うものです。面白いことに台湾でのライブコマースはマレーシア人の視聴者多いなど、調べていくと面白いデータもあります。
日本や欧米でも、いずれこの波は来ると予想されていましたが、そのような予想に反して主流になったと言えるほど浸透していません。
では、東南アジアの先進国である、シンガポールではどんな感じなのでしょうか。シンガポールの国営放送のCNAが報じたものがありますので、内容を抜粋して翻訳します。
シンガポールはライブコマースブームに遅れをとる。業界関係者は人材不足を指摘
ライブストリームでの製品販売は今後も続くのか、それとも一過性のものなのか。業界関係者によれば過去数年間で需要が伸びている。
しかし、ライブ販売は小売業の主流にはまだなっていない。
ピーター・アンは1年以上前からフェイスブックでライブ配信している。ライブストリームでの売上は、現在では総売上の約15%を占めるようになった。
彼の店に直接来られない潜在的な顧客に届くという。「それは店に行く時間がない主婦がネットで買いたいものを探す消費行動かもしれない。」と、アンは楽観的だ。
しかし、あるアナリストは次のように指摘する。
シンガポールではライブコマースは 中国のようにはならないだろうと予測する。その理由のひとつは、シンガポールの小売店がすでに非常に便利だからだ。
例えば、口紅を例にとれば、口紅のアウトレットの多くは公共交通機関で500メートルから1キロ以内にある。そこで人と話したり、試すことができてしまう。だが、多くの国ではそうではない。
一方別のアナリストによれば、ライブ販売はより効果的だという。
顧客は最新のトレンドを追い求め、アイテムについて可能な限り知ってから購入したいと考える。ファッション、美容、ゲームなど、商品についての十分な情報を獲得してから購入できる。
また、AIを使ったライブショッピングで便利で非常に興味深い経験を顧客に提供できる。
業界関係者は「シンガポールの課題は、ライブ・ストリームのフロントを走る店や人でも誰もがこの仕事ができるわけではないことを理解する必要がある。」と話す。
多くのブランドが人気タレントやインフルエンサーに投資しているが、必ずしも売上につながるとは限らない。というのもライブストリーミングを行う際にはとても愛想がよく製品を売らなければならないからだ。
実際、タン氏は次のように考えている。「シンガポールではスーパースターのライブストリーマーが主流になると考えている。」
このようなサービスに対する需要は、過去2年間で3倍になっている。
おわりに
国営放送だけあってバランスの良い内容になっていますが、全体的に行間から読み取れるのは、うまく行くのは一握りのラッキーな人で、シンガポールでは予算を上げて、積極的に投資し、ある程度名の通った人を起用するなどしないと難しいと言っているように読めます。
そうなると、貧乏化する日本が、日本より物価の高いシンガポールへ投資するとなると、その負担感は大きく感じることでしょう。