こんにちは。ジェイグラブの横川です。
幕末・明治の頃の先人たちは、海外情勢を見聞し、不利な状況に追い込まれた外国などを見て、同じ轍を踏まないように対策を打ってきました。越境ECでも世界で起きていることはしっかりチェックしておくことが重要です。
今回は、中国系ECプラットフォームの勢いある押し寄せに苦戦を強いられつつある韓国企業の動きを報じたニュースですが、これと似たようなことは日本でも起きないとは言い切れません。
韓国のeコマース・プラットフォーム、AliExpressの台頭を食い止めるために国境を越える
アリエクスプレスが韓国第2位のEコマース・プラットフォームとしての地位を確立する中、韓国のセラーは、韓国ユーザーが中国の最新プラットフォームに移行するのを阻止するため、あらゆる手段を講じている。
クーパン、11ストリート、Gマーケットといった韓国のeコマース大手が通常10~20%の手数料を取るのに対し、アリエクスプレスは手数料ゼロの方針で韓国人セラーを誘致している。
その結果、2月に韓国ユーザーに人気のあったオンラインショッピングアプリは、クーパン、アリエクスプレス、11ストリート、テムだった。クーパンは前年比で月間アクティブユーザーが57万人増加した一方、アリエクスプレスは463万人と大幅に急増し、急成長を示している。
アリエクスプレスが韓国セラーを積極的に勧誘していることを受け、韓国のEコマース企業は侵入に対抗する戦略を練っている。クーパンや新規参入のインターパーク・ショッピング+のような企業は、越境EC配送機能を強化しており、11ストリートはオープンマーケット出品者に特化した初のフルフィルメントサービスを開始した。
参考:Korean e-commerce platforms go cross-border to stem AliExpress tide
おわりに
冒頭に幕末・明治の話をしましたが、越境ECのコンサルタントをやっていると、日本という国が、メンタル的に、あの時代(生まれてませんが)からほとんど何も変わっていないということを思い知らされます。
・かつて越境ECを勧めた時に「外国人が怖いからやりたくない」と言われたこと
・アジアなら行けそうだけど、欧米はちょっと・・・という強烈な欧米コンプレックス
などなど。
また、インターネット黎明期に、IT業界は、アメリカから来た専門用語を安易にカタカナにしてしまい、ITを知らない相手を前に横文字連発で煙に巻いて優越感に浸る方を選んでしまったことが、日本のITリテラシーが平均して低くなった要因なのではないかと思っています。この時、明治の先人たちがしたように、漢字で表現するとかすればよかったのではないかと思っています(中国の人とのミーティングで、彼が言いたいことをド忘れした時に、漢字で書いてみてとメモを渡したら、「流量」と書いてきたのを見て、「トラフィック」のことを言っているなと理解したということがありました。中国では、全てではないですが、一部は中国語に訳して使っていますね。そうすると英単語ではすっと入ってこないコンセプトもすんなりと入ってきます。その点で上手くやっているなと感じました)。