こんにちは。 ジェイグラブの横川です。
先週、11月11日の独身の日(シングルズ・デー、ダブル・イレブン)がありました。昨年から中国政府によるIT企業への規制強化や新しい個人情報保護法等の法規制もあり、金額を公表しないようになっています。
今年は中国経済の雲行きが少し怪しいという報道がされているように、それを受けてか中国の消費者の動向はかなり節約志向だったようです。
また、日本ブランドは軒並み購入予定ランキング圏外になってしまい、大手化粧品企業のアイテムまでランク外になったようです。背景には(水産物ではないけれど)アルプス処理水などの反日感情が影響したという分析もあります。
私は越境ECはデータを取って特定の国にフォーカスする戦略はナンセンスだし、センスの欠片もないといい続けていました。
今回の中国のように、特定の国に絞り込んでいると、何らかの国際情勢の変化によって、一気に食い扶持を失うからです。そうなってから次の市場を探す・・・などとやっていたらスピードが遅く負け濃厚です。
国内ECで、ウチは京都府民だけにターゲットを絞って販売しますとかやっている会社ありますか?(あるかもしれないけど、それはかなり特異なケースですよね)
越境ECは地球規模で考え、その中から特定の国からの売上が高いと見たら、絞りこむのではなく、そこに重点をおきつつも、引き続き世界規模でやるべきです。
「独身の日」セール、今年は伸び悩み 中国
中国「独身の日セール」日本ブランド大苦戦の深刻
海外ではどのように報じられたかについては、追記してまいります。
追記:
アメリカのヤフーファイナンスでは、ベイン・アンド・カンパニーのレポートを引用し、「調査対象となった3,000人の消費者のうち77%が、昨年と比較して独身の日の消費額を減らす、もしくは同額にする予定と答えた」と記述し、「消費者はティッシュ、ハンドウォッシュ、インスタントラーメン、ペットフードなどの必需品に支出する一方で、家電製品や家具などの大物カテゴリーでは買い控えや実際に買い控えをする意向だ」と付記している。
また、独身の日とは11月11日だけセールが行わるのではなく、それよりも早くから祭りは始まっており、11月11日までに予約購入をし、11日に決済をするようになっていますので、「消費者が会計時に大幅な割引を得るために多くの商品を(予め)購入し(ておくだけしておき)、不要な商品だけを返品するため、今年は返品率が高くなると」予想しています。
一方で、ナイキやルルレモンなどの世界的ブランド(日本を除く)が好調な売れ行きを示し、健康・ウェルネスやアウトドア・ライフスタイルに関連する商品が好調に推移すると予想しています。
同じく、米国のABCニュースも「今年の中国のセールスイベントは節約志向で財布の紐が固い」と報じ、上海を拠点とするチャイナ・マーケット・リサーチ・グループのショーン・ライン氏は、「独身の日にまつわる誇大広告や興奮は、ある意味終わったようなものだ。消費者はこの9ヶ月間、日々安定した値引きを受けてきたため、消耗品を除き、独身の日に大きな値引きを期待していない。」と語っています。
また、eコマース・コンサルタント会社WPICマーケティングCEOのジェイコブ・クック氏は「中国の消費者は、自分の豊かさに確信が持てなくなり、より安価なブランドに切り替える」と予想しています。
参考:Worried Chinese shoppers scrimp, dimming the appeal of a Singles’ Day shopping extravaganza