こんにちは。ジェイグラブの横川です。
東南アジアはコロナ禍の最中に一番ECが成長した地域です。とはいえ、日本とは物価の違い、送料の高さもあり、なかなかそう簡単に売れては行きません。
また、残念ながら日本には、欧米への憧れの裏返しによる欧米への畏怖心があり、反面アジアに対しては下に見るという、明治~昭和の感覚もはびこっており、もう令和ですよと言いたいほど国際感覚がアップデートされていない人がまだまだいます(欧米は怖いけど、アジアは親日が多いから日本と聞けば買うだろう的な)。
それはともかく、東南アジアはECの急成長している地域であることは事実なのですが、そうと聞けば、世界中がその市場に注目します。ゆえに軋轢も生じるので、ルールの変更等も起こります。
今回はインドネシアが外国に対してECの規制をするかもというニュースがありましたので、紹介します。
インドネシア、外国製電子商取引プラットフォームの規制を計画
インドネシアの協同組合・中小企業省大臣によると、インドネシアはオンライン小売業者、特に電子商取引業者の参入を制限する予定であるとのことです。
同大臣によると、同省は、事業許可、マーケティング、電子システム間取引(PMSE)の監督に関する貿易大臣規則第50/2020号の変更を提案しています。
同大臣は、国内で販売される製品をよりよく維持するために、この計画が必要であると強調したとのことです。
現在、東南アジアの国で直接販売を行うことができる外国の電子商取引は数多くありますが、その製品はインドネシアの国家規格(SNI)や食品医薬品監視局(BPOM)の販売認可を満たしていないと、12月26日の記者会見で地元メディアから引用して話しました。
また、国際的な電子商取引は基本的にインドネシア市場への参入を許可されるべきであるが、インドネシアに会社を設立することを要求されなければならないと主張しました。
同大臣は、この制限政策が将来実施される際に、零細・中小企業が取り残されたり、国産品に比べて安価な海外のECプラットフォームで販売されている輸入品に対抗できなかったりしないことを望むと述べました。
また、インドネシア政府は、インドネシア国内のECプラットフォームの所有者を巻き込んで、価格競争を牽引するような価格略奪者を撃退できるようなプログラムを作成する予定であるとも述べています。
参考:Indonesia plans to restrict foreign e-commerce platforms
まとめ
この記事で触れている「価格略奪者」は、おそらく中国の業者を指しているような気がしますが、それはともかく、現在日本からでも展開できるShopeeインドネシアなども今後の動向次第ではどうなってしまうのか注目していく必要はあります。
今回はインドネシアの話ですが、こうしたルールの変更はどこの地域でも頻繁におきています。しかし、ルールが変わっても、基本的に後からできたルールが過去に遡って適用するということは、よほどの例外でもない限りありえません(事後法の禁止)。
ゆえに、ルール変更前にやっていていた人は影響を受けないか、移行準備期間があり、ゆっくり対応していけます。しかし、ルール変更後に参入する人たちには必須条件として課してきますので、ハードルが高くなってしまいます。
つまり、早く決断して早く動いていた企業は、決断の遅い企業より有利になるのです。とかく決断の遅い日本企業は厳しくなってからのルールの中でやらないとならないケースが多くなりがちで、より越境ECが難しくなっていってしまいますし、海外の企業と張り合えなくなっていきます。
このブログで「The First Mover’s Advantage(早く動いていた人はアドバンテージがある=早くやったもん勝ち)」と言い続けている意味がわかるかと思います。