こんにちは。ジェイグラブの横川です。
サイバー5とは、サンクスギビングからブラックフライデー、その後の土日、そして月曜日のサイバーマンデーを合わせた5日間のことを言います。
欧米圏では11月中にギフトシーズン用の買い物を済ませてしまうと答える人が約半数に昇るため、日本のお歳暮、クリスマス、年末年始に合わせた戦略では立ち遅れが目立ってしまいます。これについては毎年のように、このブログでホリデーシーズンの準備をしましょうねと呼びかけるのですが、あまり反応がなく、実際、ホリデーシーズンに合わせた販売戦略を取る事業者が多いとは感じられません。
そんな虚しい数年を過ごしていたら、中国の独身の日と同じような傾向が欧米圏でも起きていることが判明。ますます、日本式の書き入れ時の準備と合わせていたら、外貨が稼げなくなっていきます。
サイバー5ホリデーEC売上シェアが縮小中
重要なポイント
2024年、アメリカでのサイバー5(感謝祭かサイバーマンデーまでの5日間)のEC売上は記録的な414億3,000万ドルに達すると予測されていますが、ホリデーシーズン全体のEC売上に占める割合は引き続き縮小しています。
詳細情報
多くのセールの実態は11月21日木曜日から始まり、サイバー5は「サイバーダズン(日本では「1ダース」など、ダースと言っています。「12」のことです)」と呼べるような期間に変化しています。
ブラックフライデーとサイバーマンデーは依然として年間最大のショッピング日ですが、多くのブランドがセール開始時期を早める一方、消費者は12月の値引きを待つ傾向が強まっています。
これにより、ホリデーシーズン全体での売上の重要性が増しています。
サイバーダズン(サイバーダース)が新しいサイバー5に
主要ポイント
感謝祭とクリスマスの間の期間が例年より短いため、小売業者やブランドがホリデーセールを早めに開始していました。一部の大手ブランドは11月21日に「ブラックフライデー」セールを開始しました。
「サイバーダズン」と呼ばれる新しいセール期間は、感謝祭の木曜日からサイバーマンデーまでの12日間を指します。
参加小売業者のセール詳細
Amazon
11月21日から29日の「ブラックフライデーウィーク」期間中に、35カテゴリ以上で数百万点のキャンペーンを展開。
Best Buy
11月21日からブラックフライデーセールを開始。
Google
11月21日からセールを開始。
Walmart
サイバーダズンには参加していませんが、11月25日から「ブラックフライデーディール」を実施。
背景と分析
ブラックフライデーは1980年代に、感謝祭翌日に大幅値下げを行うことで始まりました。その後2000年代初頭、感謝祭後の月曜日(Cyber Monday)にオンラインショッピングの需要が増加し、2005年にはこの用語が正式に広まりました。
サイバー5(感謝祭からサイバーマンデーまでの5日間)は2019年にホリデーEC売上の20%を占めるピークを迎えましたが、近年ではセール期間が前倒しされる傾向にあります。
今後の展望
感謝祭とクリスマスの間の日数が27日しかないため、小売業者は在庫を抱え込まないよう、早期に販売を促進する傾向が今後高まると見られます。
サイバーマンデーとブラックフライデーは引き続き年間最大のオンラインショッピング日であり、サイバーマンデーのEC売上は前年比7.8%増の139億3000万ドル、ブラックフライデーは5.5%増の107億6000万ドルと予測されています。
参考:Cyber Five’s share of holiday ecommerce sales is shrinking
The Cyber Dozen is the new Cyber Five
さいごに
ギフト需要が前倒しになり、キャンペーン期間も前倒しになり、期間自体も長くなるという流れは、一歩先に中国がそうのようになっていました。欧米も似たような道筋を辿っています。
また、記事中に「消費者は12月の値引きを待つ傾向が強まって」いるという文章があります。
下記参照記事でも書いていますが、「サイバー5の後、58%の消費者がホリデーギフトの買い物をほとんど、または完全に終えたと答えた」と回答しているので、ホリデーシーズンの中心がクリスマスの12月からサイバー5の11月に完全に移っており、クリスマスに照準を合わせた売り方では「スーパー閉店間際の値下げ販売」になったと言ってもいいでしょう。