こんにちは。ジェイグラブの横川です。
ちょっとタイミングを逃してしまいましたが、実はeBay(イーベイ)は1995年の9月3日に生まれました。26年前のことです。あれからずっとオンラインのECマーケットプレイスとしてAmazonと競ってきました。
eBayの知名度は”世界では”抜群です。eBayと聞いてポカンとしてるのはガラパゴス日本人と情報統制されてる国の人くらいなんじゃないかと個人的には思うくらいです。
そこで、eBayを知ってもらうために、26年前から今日までのあゆみをまとめた記事を紹介しつつ、記事が触れていない部分を元社員が補足します(※で補足します)。
eBayはどのようにして生まれ、オンラインショッピングを永遠に変えることになったのか?
今から26年前、新しいブランドが登場し、オンラインショッピングのあり方が大きく変わりました。
1995年9月3日、ピエール・オミディア(※)は、個人間での取引を可能にした初のオンラインオークションサイト「AuctionWeb(オークションウェブ)」を立ち上げました。
※発音については、日本の記事などでは「オミダイア」とされていますが、実際のインタビュー映像など、ネイティブの間では「オミディアー」と呼ばれています。(本人写真)
ピエールは、AuctionWebを「正直でオープンな市場で買い手と売り手を結びつける専用スペース」と表現しました。
彼の妻がペッツディスペンサーを集めるためにAuctionWebが作られたという偽りのPR(※)スキャンダルと戦った後、ピエールは最初の販売を行い、ビジネスは大成功を収めました。
※ペッツ容器コレクターの妻のために作ったという話は出処が不確かな話だったのですが、独り歩きしていました。しかし、eBayにとって特に不利になる話でもないので、強く否定しなかった時期が続いたため、古いスタッフの間ではこの話をいまも信じている人もいます。しかし、4代目のCEOであるジョン・ドナホー時代に明確にこのストーリーを公式に否定しています。
その後、多くの出来事があり、名前も変更され、現在ではAuctionWebはeBayとして知られています。
成功への入札
ピエールは、カナダ人のマーク・フレイザー氏に初めてオンライン販売を行いました。その商品は壊れたレーザーポインターで、フレイザー氏は14.83ドルで落札しました。
ピエールがフレイザー氏に商品が壊れていることを理解しているか確認したところ、フレイザー氏は「はい、壊れたレーザーポインターを集めています」と答えたと言われています。
後に明らかになったことですが、フレイザー氏はレーザーポインターがあまりにも高価であると考えており、全額を支払わずに済むように壊れたものを購入して修理したかったのだそうです。
※フレイザー氏はその当時のレーザーポインターを今でも持っているそうです。
この最初の販売は、デジタル環境で中古品を販売する市場があることに注目を集め、一般の人々にも受け入れられ、ビジネスは好調に推移しました。
デジタルのマイルストーン
事業開始からわずか9ヶ月後の1996年半ばには、AuctionWebで販売された商品の総額は720万ドルに達しました。翌年には、ビーニーベイビーのフィーバーが世界を席巻し、AuctionWebだけで5億円が落札されました。
1997年には、会員が取引を評価できるフィードバック機能が導入され、100万件目の販売が行われました。そして1997年、おそらく最も重要な出来事が起こりました。AuctionWebがeBayにリブランドされたのです。
eBayは上へ上へ
eBayとしてリブランド化した後、サイトは完全に軌道に乗り、ドイツ、オーストラリア、イギリスで国際的にスタートしました(※)
※同じ時期に日本にも進出していました。当時の日本スタッフがなんとか知ってもらおうと「電湾通信」という日本だけのページを作って運営したのを懐かしく思い出しました。ちなみに、この時期のイーベイ・ジャパンの営業に応じてアカウントを作った人達は今はものすごい強力なIDとなっています。
2000年には「Buy it now」ボタンがリリースされ、2001年には最古のリーバイスがeBayで46,000ドル以上で販売され、ファッションの歴史に名を残しました。
2001年には、ガルフストリーム・ジェット機もeBayで490万ドルという破格の値段で売れ、eBayの価格新記録を樹立した。
2002年、eBayはPayPalを買収し、驚異的な成長を続ける。
現在、eBayは世界180カ国以上で利用されており、1億8300万人のバイヤーがいます。そして16億件以上の商品が掲載されており、危険物を除いて、ほとんどの商品を販売することができます(※)
※このころ、楽天の三木谷さんは「eBayが楽天化した」と評価していました。そう、このあたりからeBayはオークション色の強いECマーケットプレイスではなく、定価販売のサイトとなり、すでに20年経っているんです。
今やグローバルコマースのリーダーとなったeBayですが、AuctionWebとしての謙虚なスタートは、明るいアイデアがいかに世界を変えるかを示しています。
参考:How eBay was born and went on to change online shopping forever
おわりに
というわけで、eBayの歩みでした。現在、海外のECマーケットプレイスとしては、総取引高で比較するとAmazonの後塵を拝しています。
しかし、この数字を無批判的に見てしまう人が多いので、要注意なのですが、年間の総取引高が大きいというのは、あくまで市場の規模そのものを表しているだけで、それがイコール「自分にとってよく売れるサイト」ではないのです。
市場規模が大きければ売れるチャンスが大きいではないかという意見もあると思います。それは確かに理屈は通ります。しかし、いくら取引が盛んに行われているとしても、注視しないといけないのは、日本からの出品物が売れるのかどうかです。
そこで、わかりやすい指標として、総取引高ではなく、国際取引率をみてみましょう。
eBayは10回取引が行われたとすると、そのうち6回は国際取引です(売り手と買い手の国籍が違う)。ライバルのマーケットプレイスは3回です(10回中7回は海外からのモノは買われていない)。
その3回という少ない国際取引での主役は圧倒的に中国人セラーです。それは日本人には太刀打ちできない安値で提供できるからですね。
そう考えると、日本から世界へを考えた場合、個人的には自ずと選択肢が決まってくるように思えるんです^^;
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