こんにちは。ジェイグラブの横川です。
買い物などのときは、他者の評判、クチコミを参考にする方は多いと思います。こうしたクチコミ的なコンテンツを専門用語で「UGC=User Generated Content/ユーザー生成コンテンツ」とか、「Social Proof(社会的証明)」といいます。
海外に視野を広げている方は、海外の方が気にするクチコミツールに手を出していないと、売上につながりません。また、日本は5~6年後には60歳以上が人口の4割に達する高齢社会ですが、海外では日本より若い国も多く、若い世代の感覚を知っておかないと話になりません。
それらをよくまとめている記事がありますので、紹介します。
Z世代はInstagram上のユーザー生成コンテンツに大きく影響される:調査レポート
Z世代は商品を発見する際、Instagram(69%)、YouTube(62%)、TikTok(50%)を好み、ミレニアル世代はFacebook(66%)を好むことが、Bazaarvoiceの調査で明らかになりました。Z世代を含む世界中の消費者は、商品発見や購入の意思決定においてユーザー生成コンテンツ(UGC)にますます依存しており、個別化されたオファーが複数の製品カテゴリで売上を促進する重要な要因となっています。
消費者行動の変化
調査では、消費者行動の変化が指摘されています。オムニチャネルでの購買行動が進化し、「ウェブルーミング(購入前にオンラインで情報を調べる)」、「ショールーミング(店舗で製品を見てオンラインで購入する)」、ソーシャルメディアの利用が重要な要素となっています。88%の消費者が、すべてのチャネルで一貫した購買体験を求めており、5人中4人が店舗購入とオンライン購入を組み合わせることを好むと回答しています。さらに、消費者の4分の3はウェブルーミングを行い、59%はその逆を行っています。
ソーシャルメディアの役割
消費者の39%が商品発見やリサーチにソーシャルメディアを利用し、31%がこれらのプラットフォームで直接購入しています。2021年には、55%の回答者が「ソーシャルメディアで購入したことがない」と述べていましたが、今年はその割合が24%にまで減少しました。
コンテンツ作成者としての消費者
過半数の消費者が、自己認識として「作成者」であると回答し、製品を評価する際に意見を共有したいと考えています。昨年、回答者の46%は「パッシブ消費者(他人の意見を読むだけで、自分では共有しない)」と認識していましたが、今年はその割合が28%に減少しました。購入前にコンテンツ作成者の投稿に関わると答えた消費者は86%に達しています。
UGCの影響力
全世界の消費者の65%が、購入時にUGC(評価、レビュー、写真、動画など)を参考にしています。特にZ世代では、80%が意思決定においてUGCを重要視しています。一方で、世代によって好むUGCの種類には違いがあります。ベビーブーマー世代(※)は評価やレビューなどの伝統的なUGCを重視する傾向があるのに対し、Z世代は写真や動画など、ソーシャルメディアインフルエンサーによる視覚的なコンテンツを好みます。
※ジェイグラブ註:アメリカの記事で言う「ベビーブーマー」は1947年~1965年生まれあたりを指し、日本だと団塊世代としらけ世代あたりを包括しています。アメリカの世代表現はこちらで解説しています(参考:「知っておくと便利な用語」)
パーソナライズされたオファーの影響
パーソナライズされたオファーは、消費者の45%がオンライン購入を完了する理由となっており、Z世代ではその割合が61%に上ります。特に影響の大きい製品カテゴリは、電子機器(47%)、アパレル(42%)、ヘルス&ビューティー(39%)です。
ブランドへの示唆
BazaarvoiceのCMOのザリーナ・ラム・スタンフォードは次のように述べています。
「今年の調査結果は、現在成功するためには、ブランドと小売業者が消費者が買い物をする場所、特にソーシャルプラットフォーム上で顧客と接点を持つことが不可欠であることを示しています。ユーザー生成コンテンツに対する需要はこれまで以上に高まっており、購入決定に影響を与える真のつながりを構築する強力なツールです。消費者が読むだけからアクティブなコンテンツ作成者へと変化する中で、ブランドは本物の声を活用し、すべての接点で信頼を築く独自の機会を手にしています。」
この調査は、8,000人以上の世界中の消費者を対象とした調査に基づく「Shopper Experience Index」としてBazaarvoiceによって毎年発表されています。
参考:Gen Z highly influenced by user-generated content on Instagram: Report
まとめ
UGCの重要性は今に始まった話ではなく、随分昔から言われており、少なくとも4~5年前からSNSとUGCに関する論文やビジネス記事もでていました。日本ではSNSが苦手だとしてやらない担当者や、SNSの本質を理解せず、惰性でただなんとなく投稿しているだけの、これでは海外の人に相手にされないわ、そりゃ。なものが多かったりします。
しかし、この記事では、インスタに寄せられたUGCが非常に有用だということがわかります。
それであれば、日本人消費者から寄せられたレビューを英訳して紹介するコンテンツを投稿するというのも効果が期待できます。
また、実際に売ってUGCを集めるということもできます。
実際に売ってUGCを集めるとしたら、私なら「損して得取れ」ですね。
レビューを書いてくれることを条件に値引きするとか、クーポン出すとか、はたまた商品をギブアウェイ(無償で渡す)するとか。
世の中、とくに海外ではギブ・アンド・テイクが原則ですから、なにかしらのテイクが欲しいのなら相手のプラスになるようなことをギブしないとならないでしょう。