※この文章は弊社EU担当の渡部による寄稿です。
今回の記事のトップ画像は、敢えて高齢のカップルの写真を採用しました。
こちらに住んでいると、日々の生活でなにかとスマートフォンを使用する機会があります。
つまりインターネットを使用する機会や必要性が多いということです。
それは若い世代に限らず多くの世代の人々に見られる光景で、高齢者がスマートフォンをサクサク使いこなしている姿もよく見かけます。
eurostatの調査によれば、2010年から2022年にかけて過去12ヵ月間に商品またはサービスを購入または注文したEUのインターネットユーザーの年齢層別グラフは以下のとおりです。
55~74歳の年齢層の数字はEU平均人口を下回っているとのことですが、それでも2022年時点ですでに約60%近くの利用率です。
2021年に発表された2020年の調査結果ですが、同じくeurostatによれば過去3ヵ月間にインターネットを利用した65~74歳の場合は61%というデータもあります。
割合が最も高かったのはデンマーク(94%)で、次いでルクセンブルクとスウェーデン(ともに91%)が続いています。
幅広い年齢層でインターネットが利用されていることも、今回ご紹介する記事の表れでしょう。
JETRO、欧州のEC市場は右肩上がりで成長 市場規模は11.0%増の7,970億ユーロ
JETROはこのほど、「欧州のEC市場に関する調査」を発表しました。
欧州のEコマース市場は右肩上がりで成長を続けているといい、同調査によると、2022年の欧州EC市場の推計規模は、前年比11.0%増の7,970億ユーロ(1ユーロ=約157円換算で約12兆5,772億円)。
JETROでは、2023年7月20日時点の情報に基づき、欧州全体の「総論編」や、欧州主要13カ国の「各国編」の、レポートを制作しました。
同レポートの「総論編」では、欧州のEC市場における、概要や法規制、ECを行うための基礎知識、主要マーケットプレイスなどについてまとめています。また「各国編」では、13カ国の国ごとに、基礎統計や主要EC企業、決済方法、配送、法規制などの特徴がまとめられています。
「総論編」によると、2022年の欧州の人口に占めるインターネット利用者率は91%。西欧と北欧はインターネット利用率とオンライン購入者(EC利用)の割合が高いようです。
一方で、東欧はインターネット利用率が低く、インターネット利用者に占めるEC利用の割合も5割を切っています。
欧州における越境ECの販売額は、2019年から2022年までの4年間、右肩上がりで増加しています。また国別にみると、国内市場の小さい国ほど越境ECの普及度が高いこともわかりました。
欧州の主要マーケットプレイスは、「Amazon」「eBay」など、米国資本の企業が多く、ポーランドの「アレグロ」など、欧州発のマーケットプレイスの特性も紹介しています。
出典:日本ネット経済新聞
おわりに
記事の中でAmazonとeBayの名前が出てきましたので、少し追加情報を…。
欧州で最もECマーケットプレイスを利用している国はドイツ、イギリス、フランス、イタリア、スペインです。
これらの国で断トツで利用されているのがAmazonで、この5か国だけでも月間のAmazon訪問者は約12億人と言われています。
eBayはAmazonに比べるとやや訪問者数は少ないですが、それでも上記5か国からの月間訪問者数は約4億6,300万人です。
AmazonとeBayは、欧州でいち早く取り入れられたECマーケットプレイスだということも圧倒的な利用率の高さの理由のようです。
これだけのシェア確立を誇れば、購入者へはもちろん販売者にも様々なサービスが充実しているのも利点と言えます。
今日ご紹介したJETROの「欧州のEC市場に関する調査」では、欧州地域に特化したAmazonやeBayのサービスなども詳しく書かれていますので、ぜひご覧になってみてください。