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越境ECブログ

最新版 中国ECの変化の兆しを捉える

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

弊社では高頻度で越境ECセミナー(現在はオンラインセミナー)を行っています。そこで主張していることを簡単に言うと「日本の感覚に引きずられたままでは成功しないよ」という事です。

また、インターネットの世界はとにかく変化のスピードが早いので「日本企業が最も不得意と言われる『早い決断体質』に移行しないとほぼ負けですよ」ということです。知識を仕入れただけでは頭でっかちな状態になっているだけで、「外国人を相手に商売をすること」とはどういうことか、という意識を変えないままでは難しいのが越境ECです。

さて、多くの事業者様が越境ECで進出したいと希望するエリアに中国があります。マスメディアが流す「1日でこれだけ売り上げた!」という表層的なニュースに触れたり、訪日外国人の多くが中国人だったという経験や、中国人の爆買いが記憶にあったりすれば(新型コロナとは無関係に、もはや中国人の爆買い自体が起きていませんが)、中国市場が魅力的に映るのは自然なことです。

しかし、弊社に限らず、多くの同業者や公的機関でさえも「中国は進出は可能だが、一番難しいエリアだ」という認識でほぼ一致しています。なぜか?という話はセミナーで話していますので、その詳しい話はセミナーに譲るとして、とにかくスピードの早いeコマース。中国でも変化の兆しが如実に現れてきています。

それは、「ソーシャル・コマース」です。

実はソーシャル・コマース自体も全く斬新な手法ではありません。数年前からeコマースの手法のひとつになっていましたし、その萌芽は10年前には既にありました。それよりはソーシャル・コマースの伸び率、シェア率が急速に大きくなってきているというところがポイントです。その話を始める前に簡単にソーシャル・コマースについて説明しておきます。

ソーシャル・コマースとは、「ソーシャルメディアとeコマースの組み合わせで販売促進を行うこと」で、SNSをECサイトへの誘導を促すツールとして使う方法や、SNS自体で販売をしてしまう方法などいくつかのやり方があります。

欧米では9割近くがSNSの影響を受け、7割近くがSNSで流れてきた商品情報に影響受けて購入したというデータがありますし、東南アジアでは3割がSNS経由で購入され、購入まではしないまでも8割の人が商品リサーチをSNSで行っているというデータがあります(日本は同じ調査の結果、SNSに影響を受けて購入まで至った人は9.4%です)。

中国では早い段階からECサイトとチャットシステムの組み合わせが主流でした。お店への問合せはメールではなく、チャット。したがって中国市場に打って出るということは、リアルタイムにユーザーの問合せに対応できるかが重要になっています。

そこで、最近の中国市場を見てみましょう。eMarketer社の6月11日の記事が参考になります。それによると、2020年の中国のソーシャル・コマース予測は242.41億米ドルでEC全体の11%になり、2023年までには4748億米ドルまで伸長すると予測しています。

その中心プレーヤーはテンセント社のWeChatで、2017年にミニプログラムと呼ばれるライトアプリがリリースされ、主だったセラーたちはWeCahtプラットフォーム内で直接販売できるプログラムを作成しはじめました。2019年のミニプログラムによる取引高は1150億米ドルだったようです。

Retail Social commerce Sales China 2019-2023

eMarketer社のアナリストによれば、現状は新型コロナの影響もあり、食料品の取引が多いようですが、徐々に他のジャンルにも適用され、伸びていくであろうと予測しています。実際、これは私が一年前に書いたブログですが、欧米の高級ブランドは中国での売上の6割はWeChatであげています。

カルティエ、ブルガリなど、高級ブランドはWeChatに群がる

また、中国にはすでに3億5720万人ものソーシャルバイヤー(中国にいる消費者の代わりに海外の商品を購入し、転売する際の手数料を収益にしている代理購入者のこと)がおり、実に中国の人口の3割を占めます。今後、この人数は増加し、4億4680万人まで増えるだろうと言われています。

Sosial Buyers China 2019-2023

日本ではパソコン画面でみた場合のECサイトを重視しがちで、パソコンでの見た目に満足したあとにモバイルのセッティングに意識が行きますが、中国ではこうしたソーシャルバイヤーのほとんどがSNSで購入するため、お店の構えはモバイルでの見た目を先に考えて構築します(モバイルでの購入者が2人に1人以上となった欧米でも同様のトレンドが進行しており、この考え方についていけない時点でガラパゴス島にいることになります)。

参考:In China, Social Commerce Makes Up 11.6% of Retail Ecommerce Sales

弊社では常に最新のトレンドを仕入れて越境ECに取り組んでいます。同時に惜しげもなく越境EC成功法則をお伝えしております!最新の越境事情は是非弊社のセミナーで。また、個別の相談もどしどしお寄せください。現在は補助金を使ってBtoB越境ECを始めることもできます。

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Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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