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越境ECブログ

ECで成功するダイナミックプライシング

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

ダイナミックプライシングとは、需給バランスを考えて価格を上げたり下げたりすることで、身近な例では航空券やホテルの宿泊費などがあります。最近はAIにまかせて自動で価格を変えるのも普通になってきていますが、今までのように人が変更することも行わています。

(ダイナミックプライシングとはいいませんが)越境ECの場合は通貨レートに合わせて価格をコロコロ変えることが可能なため、ダイナミックプライシングでテストマーケティングすることも国内ECよりはやりやすいですし、消費者からのクレームも起きにくいです。

今回はアメリカの経済誌フォーブスの記事を紹介します(オリジナルは長いので抜粋します)。


ECで勝つためにダイナミックプライシングを使う5つの最適な方法

ダイナミックプライシング戦略とは、eコマースにおける需要と供給、顧客の支払い意欲、競合他社の価格に見合った価格帯を見つける手法です。これにより、オンライン小売業者は競争力のある価格を提供することができます。ここでは、Eコマースで勝つためにダイナミック・プライシングを活用する5つの方法を紹介しましょう。

1.価格帯の最適化

経営者として注意しなければならないのは、たとえ世界最高の製品を持っていたとしても、価格が不適切であれば、会社に大きな問題を引き起こす可能性があります。競合他社の価格設定、需要と供給、顧客の支払い意欲を考慮し、戦略的に価格設定を行う必要があります。継続的な市場調査によって市場の需要と供給の要因を見極め、競合他社の価格追跡によって競合他社に目を光らせることをお勧めします。これを行う最も効果的な方法は、時間と労力を節約するために自動化されたソリューションと協力することです。

買い物の経験や販売数を通じて顧客の行動を観察することは、バイヤーペルソナを理解する上で極めて重要である。価格帯を最適化することで、ダイナミックなEコマース業界に対応し、競合の一歩先を行くことができます。

2.競争力の維持

ショッピファイの「コマースの未来レポート2022」によると、価格は消費者の74%に影響を与える重要な要素である事がわかっています。その結果、価格感応度は大幅に上昇しています。その主な理由のひとつは、世界経済が経験しているインフレ率の上昇です。インフレは需要と供給の不均衡を生み、eコマース小売業者が顧客の期待に応えることを難しくしています。

市場で競争力を発揮するには、ライバルと競争し、価格競争を繰り広げる必要があります。これを効果的に行うには、自社の価格を設定する前に、競合他社の価格を常に監視する必要があるのです。

3.価格戦略の再評価

価格設定は、特に変化の激しいeコマースの世界では、継続的なプロセスであることを理解することが重要です。効果的な価格戦略を維持するためには、定期的に価格戦略を再評価する必要があります。過去の価格を考慮したデータ主導の価格分析は、これを達成するための一つのアプローチです。このアプローチでは、価格感度を測定し、異なる価格水準に対する顧客の反応を見ることができます。そして、この情報をもとに価格戦略を継続的に調整することができるのです。販売数が減少した場合やカゴ落ち率が上昇した場合など、積極的に対策を講じ、必要に応じて変更を加えることが重要です。このような指標を注意深く監視することで、競合他社に先んじて長期的な成功を収めることができるのです。

4.価格設定の実験

Eコマースの世界では、消費者は豊富な選択肢を持っています。小売業者として成功するためには、この飽和市場で競争しなければなりません。価格戦略を大胆に試すことで、計算されたリスクを取り、より多くの顧客を惹きつけ、売上を促進する完璧な価格を突き止めることができます。その秘訣は、経費、競合他社の価格設定、顧客の支払い意欲などの変数に基づいて、さまざまな価格計算式を操作することです。広範なデータ分析が必要ですが、その努力に見合うだけのメリットがあります。戦略的な価格設定プランによって、競争上の優位性を獲得し、ビジネスを飛躍的に成長させることができるのです。

5.テストを続ける

冒頭で述べたように、価格設定は顧客に最適な価格をダイナミックに提供します。販売するEコマース・プラットフォームの販売統計をモニターすることで、価格を変更した後の販売数をすぐに判断することができます。販売量の増減は、価格が適切かどうかの優れた指標となるはずです。

実験とテストの違いは、実験ではバイヤーペルソナや競合について新しいアイデアを得ることができることです。一方、価格テストでは、現在の市場に最適な価格帯を決定することができます。したがって、ダイナミック・プライシング・モデルでは、絶えず変化するEコマース市場で最良の選択肢を見つけるために、継続的に価格をテストすることが極めて重要なのです。

参考:5 Optimal Ways To Use Dynamic Pricing To Win In E-Commerce


おわりに

結局のところ、日頃からセミナーやこのブログで言っている一言に帰結します。

「知識を得ることに注力するより意識を変えること」

これは、相手が外国人だから付き合い方を変えるという文化的な話だけでなく、日本でのこれまでの常識に支配されるなと言うことです。よく受ける質問に、

「日本での価格と違ってて問題ないのか」

という不安を言う方がいますが、ご自身が海外のサイトを見て、日本で100円で買えるものが500円していたって不満はないでしょう。輸送費や関税など、国内では発生しない費用がかかったり、コストが高くついたりすることが想像できますから。

仮に海外の人がそれで不満をぶつけてきても、何を恐れる必要があるのでしょう。堂々と正当性を主張すればいいだけです。相手は神様でもなんでもありません。

そのために常に市場をチェックし、海外の人が買いやすい価格を調査するためにダイナミックプライシングで価格を上下させるのは良い戦略と言えましょう。

越境ECは自動販売機ではありません。設置すれば勝手に売ってくれるものではありません。実店舗と同じように手間ひまかけられない企業は失敗します。

「知識より意識」です。これに成功している企業だけが越境EC成功例になっています。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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