こんにちは。ジェイグラブ株式会社越境ECコンサルタントの横川です。
オリンピックの延期、首都圏の行動制限要請など、日本もいよいよ新型コロナ対策に本腰が入ってきましたが、この新型コロナウイルスが世界のECにどういった影響を及ぼしているか、つい2日前に米国Shopify社のアーロン・オレンドルフ氏がレポートをまとめておりましたので、抜粋してこちらでお知らせいたします。
データ自体はeMarketer、Retail Dive、The Drumなどの調査結果で、eコマースビジネスがこの不確かな時代を乗り切るための助けとなるのではと思います。
eコマースに対するコロナウイルスの影響
グローバルレベルでは中国のサプライヤーに復活の動きが見えること(ロイター、CNBC)、世界各国が様々な制限を課しているとは言え、人間の行動制限のみで、商品や貨物については一部例外を除けば問題ない点などがポジティブな兆候として捉えられています。
eコマースを調べるベンチマークとして以下のデータを見てみます。下記のデータは3月1日からの10日間と3月24日以降を比較した数値です。
- ROAS(かけた広告費に対して得られた売上):+ 3.78%
- CPM(広告掲載(表示)回数1000回あたりにかかる料金):-28.99%
- CPC(広告1回クリックあたりの料金):-12.57%
- クリック率:-3.36%
マイナスデータが増えるのはこのご時世ですから仕方のないことです。しかし、よく見ていただくと、こんなときでもプラスに上向いている指標があります(ROAS)。これは当初考えられていたより有望です。
また、楽天が発表した新しい消費者レポートでも、3月12日までの米国のeコマースは前年比で最大36%支出していることを報告しております。
具体的に商品ジャンル別にブレイクダウンしてみましょう。厳しい分野はビューティー、アパレルになっていますが、他のジャンルでは好成績を上げているジャンルもあります。MoMは前月比、WoWは前週比のことです。
食品、健康系が落ちているのは品薄とか、急を要すと考えた人がオフラインに殺到したことも影響したと思います。このような時だから、ローコストでできる8つの戦術(テストも含む)を提案しています。
1.正直に現状をを伝える
配送や製品の安全性などを伝えるバナー、ヘッダーバー、プッシュ通知等が、コンバージョン率に影響を与える可能性があります。
2.巣ごもりのための必需品に適応させる
本、DIY、おもちゃ、石鹸、衛生、ろうそく、植物、セルフケアなどの製品、家族向けや子供向けの商品などをプレゼント用の特別なパッケージしてみるなどという手もあるかもしれません。
3.SNSでコミュニティを維持する
美容、化粧品、ファッション、アパレルなど、こうした時には優先順位の下がるアイテムは、コミュニティを育成し、ストーリーをホストすることで、社会的により距離を取られやすい製品に輝きを与えることができます。
4.トップページアイテムの変更
高価格帯の商品、または自宅向きの商品(フィットネスウェアなど)の場合、通常通りの注文を維持するために目立つところに位置付けるのも効果的です。
5.マイクロインフルエンサーとして情報発信
音楽、マイナーリーグスポーツなどのイベント産業は、閉鎖の影響を過度に受けています。
これらのカテゴリーは、売るための戦略だけでなく、マーケティングやコンテンツ制作に時間を割き、行動制限がなくなった時の準備をしましょう。
6.価格に敏感な時期だけにできること
特別割引が可能なら設定してみましょう。ボリュームディスカウントなども役立ちます。
7.積極的な発信とサポートを充実させる
メール、ブログ、オーガニックソーシャルなど無償でできる情報発信。または、コロナ問題を直接取り上げずにサポートコンテンツに注力する。
8.トラフィック増大が低コストなので、テスト、テスト、テスト
現状では低いコンバージョンの時代に突入する可能性があります。こうした時期は訪問者は一定の緊張状態であり、何も買わずにウィンドウショップに満足してしまう傾向があります。
逆にトラフィック増大にはコストがかからないので、今実行できそうなことはやってみましょう。例えば動画コンテンツを増やす、価値提案の文章草稿、メルマガ、クイズやアンケートなどのイベント、ランディングページ作成など。
eコマースで成果を出すこととは、より広いくニーズ、原因、および現実への観察力、感受性を維持しながら、行動する際の障害を取り除くことが必要です。