こんにちは。ジェイグラブの横川です。
「どうしたら売れるのか」これはどんな越境EC運営者でも考えることです。それを考えるにあたって、マーケティング調査をしたりもします。
しかし、少し目線を変えることで見えることもあります。
それは「どうしたら失敗できるのか（何をすると失敗するのか）」という視点で考えることです。
アメリカのギャラップ社が行なった従業員エンゲージメント国際比較調査によれば、日本は「熱意あふれる社員」の比率が6パーセントにとどまり、139カ国中132位の世界最低クラスであり、国際比較調査においても、日本人は相対的にネガティブな回答をする傾向があるということが分かっていますので、ネガティブなことを列挙するのは、世界に類を見ないほど非常に得意と見ています。
（参考：越境EC成功に導く素質、資質とは）
そこで、日本人の気質に合う、ネガティブ要素の列挙である、「オンラインでの購入が避けられる傾向のある5つのこと」という記事をヒントに見てみましょう。
Eコマースサイトでの購入を避けるべき5つのこと
オンラインショッピングは現代生活の利点の一つです。数回クリックするだけで、欲しいと思うほとんどのアイテムが数日以内に、時には一晩で、さらには購入後数時間以内に自宅に届けられます。
しかし、特定の購入において、eコマースの提供する即時性と迅速なアクセスは、実際にはお金を節約できていないことが多い「見かけ倒しのバーゲン」であることがあります。隠れたコストとして、送料や高額な衝動買いが含まれることがあり、最終的な合計金額が予想以上に高くなることがあります。
実店舗では、パジャマ姿で電動工具を購入する便利さは提供されませんが、日常の多くのアイテムは実店舗で購入した方がより手頃な場合もあります。
日常のアイテムはオンラインでは高価なことが多い
店舗や場所によって価格は異なりますが、これらのアイテムは実店舗の方が一貫して安価です。
グリーティングカードとギフトラップ
- オンライン価格：オンラインのグリーティングカードは1枚あたり$3から$10、ギフトラップは1ロールあたり$5から$15（送料は含まれていません）。
- 実店舗価格：ドラッグストアやディスカウントストアでは、グリーティングカードは$1から$3、割引されたギフトラップは$5未満で手に入ることが多いです。
オンラインはより広範なパーソナライズされたカードを提供していますが、標準的なグリーティングカードに関しては価格差が大きいです。同様に、ディスカウントストアでは季節ごとのギフトラップセールを行っていることが多く、店頭での購入は予算に優しい選択肢となります。
ハードウェアと工具
- オンライン価格：基本的なハンマーはオンラインで$10から$20かかり、送料が追加される上、手にフィットするかやグリップの快適さといった重要な特徴を確認することができません。
- 実店舗価格：ハードウェアストアではハンマーを$5から$10で販売していることが多く、自分で取りに行くことで送料を節約できます。また、実店舗では購入前に工具を確認することができます。
さらに、ハードウェアストアには知識豊富なスタッフがいることが多く、質問に答えたり、適切な工具を勧めてくれたりします。これはオンライン小売店やオンラインレビューでは頻繁に欠けている点です。
市販薬
- オンライン価格：多くのオンライン小売店では、イブプロフェンやアセトアミノフェンなどの通常の鎮痛薬のボトルが$7から$12で販売されており、送料が加算されるためさらに高額になります。オンラインでは2本以上のセット販売が多く、一見お得に見えますが、実際には価格が上がることもあります。
- 実店舗価格：ドラッグストアでは、プロモーション、店内クーポン、ストアブランドやジェネリックブランドの市販薬があり、これらは同じ効果を持ちながらはるかに低価格で提供されており、通常$3から$5程度です。
特定の薬や入手困難な薬が必要でない限り、地元のドラッグストアの棚を見て回る方が良いでしょう。
家庭用品（電池や電球）
- オンライン価格：AA電池のパックはオンラインで$5から$10かかり、さらに送料が追加されます。電球はオンライン小売店から購入するとさらに高額になり、配送中に破損するリスクもあります。
- 実店舗価格：ディスカウントストアや100円ショップでは、電池のバルクパックが$2から$5で販売されています。電球も種類によって異なりますが、店頭ではより安く購入できることが多いです。
大量の紙製品（ペーパータオルやトイレットペーパー）
- オンライン価格：ペーパータオルの大量パックはオンラインで$15から$20かかり、送料が大きな要因となります。
- 実店舗価格：倉庫型店舗や食料品店では、大量の紙製品が頻繁にセールで販売されており、価格が$10から$15に引き下げられます。
大量の紙製品のサイズと重量は送料を増加させます。さらに、実店舗では、購入前に紙製品の品質や吸収性を確認することができ、オンラインの写真では完全に伝えきれない点を評価することができます。
購入ボタンをクリックする前に考慮すべきこと
- 送料：Amazon Primeや類似のサービスを利用しても、送料は積み重なります（しかもAmazon Primeは無料ではありません）。オンライン上で一見お得な取引も、送料や会員費用がかかることで実際にはあまりお得ではないことがあります。
- 衝動買い：eコマースサイトは、より多くの商品を衝動的に購入させるように設計されています。衝動を抑えることが重要です。「なぜなら…」という理由でカートに商品を追加すると、不要な購入につながり、最終的な請求額が増えるだけです。
- 返品と交換：オンライン購入の返品や交換は、再梱包や商品の発送が必要で面倒です。オンラインでの販売者はこれを知っており、返品を抑えるための仕組みを備えています。店頭での返品や交換も手間がかかりますが、通常はより迅速かつ便利です。
参考：5 Things To Avoid Buying On E-Commerce Sites
おわりに
この記事はハワイの記者が、ハワイ居住者が何かを買うときに、オンラインより実店舗に行ったほうが得だという視点で書いています。したがって、これを読んで自社の製品が越境ECには向かないと考えてしまうのでは早合点です。その土地にはないポイントというものを訴求できれば購入者は必ず現れます。
例えば、記事ではトイレットペーパーはネットでは難しいと書いていますが、越境ECでは皇室御用達の桐箱入りの高価なトイレットペーパーなどは売れています。何を売りにするかです。そうしたポイントがまったくないという場合は、少し工夫が必要だと思います。しかし、そこが分かるだけでも「逆から考えてみる」というのは有用です。
