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越境ECブログ

中国系ECプラットフォーム、まもなく課税に直面か

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こんにちは。ジェイグラブの横川です。

このブログで何度も可能性についてお伝えしてきた中国系ECプラットフォームへの規制で、EUがひと足早く動き出すかという記事がでていました。アメリカや東南アジア諸国でも同様の動きはあり、それらもお伝えしてきました。日本ではこうしたニュースを全く聞きませんが、おそらく同様の方向に向かうのではないかと思います。


テムとシーイン、EUの安価な輸入品に対する取り締まりに直面する可能性

発端:フィナンシャル・タイムズが報じたところによると、規制当局はEU域内に流入する大量の荷物を阻止しようとしているため、 Temu、 Shein、 AliExpressなどの中国のECプラットフォームは、まもなくEUで追加料金の対象となる可能性があるという。

EU当局は、以下を含むさまざまな対策を検討している。

  • ECプラットフォームの収益に課税する
  • アイテムごとの管理手数料の導入
  • 関税の非課税枠を完全に廃止

経緯::規制当局はプラットフォームのビジネス慣行について多くの懸念を抱いてきた。

当局は、価格や品揃えで太刀打ちできない地元企業よりも中国の小売業者が安い値段で商品を販売することを懸念している。
製品の安全性も懸念事項であり、当局はヨーロッパに入ってくる偽造品や危険な製品の数が増加していると警告している。
また、EUは、顧客に届く免税限度額以下の荷物の数も削減したい考えだ。免税限度額以下の荷物約40億個がEUに送られてきた計算で、これは2022年に送られた数のほぼ3倍となる。

効果はあるのか?:上記3つの措置はいずれも、Temu、Shein、AliExpressおよび類似サービスがヨーロッパで事業を展開することを困難にはするだろうが、それぞれに複雑なデメリットも伴う。

免税制限を撤廃すれば、中国のECプラットフォームの価格優位性は抑制されるだろうが、ただでさえ多忙な税関職員の負担は大幅に増加する。
EUは、ECプラットフォームに追加の料金や税金を導入するために、WTOとの長期にわたる交渉を経る必要がある。EV輸入に対する関税の導入ですでにEUに不満を抱いている中国からの激しい抵抗に遭遇する可能性も高い。
それでも、EUはTemu、Shein、AliExpressなどの企業に対してより厳しい措置を講じる可能性が高く、地元の小売業者を保護しようとする他の政府もこの動きを追随する可能性がある。

参考:Temu and Shein could face EU crackdown on cheap imports


おわりに

この手の話は、ちょうど一年くらい前から海外では記事になり始めていました。ほぼ一年で実行に移そうというあたりは、行政の動きも早いですね。
そして、来年はトランプさんがアメリカの大統領になります。彼は自分で「関税マン」と自称するほど他国に対し、関税を切り札に先制をかけることが好きな人ですが、正式に就任していない現時点でさえ、周辺国を動かしているのですから、正式に就任したあとはもっと世界が振り回される可能性があります。冒頭にも書いたように、この手の話で日本政府はどう考えているのか、全然記事を目にしませんが、こうした流れから逃れられるはずはありませんので、注意深くウォッチしておく必要があると思います。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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