こんにちは。ジェイグラブの横川です。
本格的なウィズコロナ時代になり、これまでの「あたりまえ」がもろくも瓦解している現在、生き残りのために多くの事業者様が新規事業を模索しています。特に人と人の至近距離での接触を避ける必要が出ていますので、「非対面型ビジネスモデル」への転換は急務になっています。
そこで、日本市場の縮小とも相まって、越境ECに注目が集まっています。しかし、越境ECと聞くと多くの方はCtoCやBtoCを連想し、オンラインでのBtoB越境ECというとアリババくらいしか思いつかないというのが大勢かと思います。
しかし、海外ではむしろBtoB越境ECのほうが遥かに市場規模が大きく、盛り上がっているのです。しかもアリババのようなマッチングサイト以外にも!そこで、2020年以降にBtoB越境ECを検討している事業者の皆様に読んでいただきたい情報をまとめておきます。
元ネタはアメリカのマグネット・ソリューションズ社のデータなのですが、コピペを一切禁じたページの情報ですので(それだけ有用な情報ということ)、ここにコピーはできませんが、かいつまんで翻訳します。是非お役立てください。※ここで言うBtoBとは、通常の卸販売の他にボリューム・ディスカウントや定期購買も含みます。
1.米国におけるBtoB
EC先進国であるアメリカでは日進月歩で進化しており、その変化を示すいくつか指標が多く提示されています。特に以下に特徴的な変化を示す指標を示します。
- BtoB顧客の87%は様々なチャネルを通して購入することを望んでいます(常に様々な商品を探しているということです。故に市場の寡占化は起きにくいと言えるでしょう)。
- 海外のBtoBバイヤーの96%、メーカーや問屋との取引をオンラインで行うことを好んでいます。
- 55%以上のユーザーは、実際に購入する前にマーケティングリサーチツールを使用すると回答。
2.トレンドはBtoCからBtoBへ
最新の統計によるとBtoC eコマースが2.3兆ドルの増加を見込んでいるのに対し、B2Bは7.7兆ドル増加すると予測されています。実に市場規模は2.3倍以上あります。
- 62%のBtoB顧客は常に、優れた購入経験を頼りに購入を選択します(一度でも嫌な体験をしたらリピートしないということです)。
- BtoB購入者の67%は、売り手に対し最大24時間以内の対応を期待しています(出荷スピードではなく、問い合わせに対する反応時間です)。
3.オンラインショップ立ち上げの課題
近年のビジネスは、eコマースでの規模などに準じたペースで成長しており、オンラインビジネスへの需要の高まりについてのビジョンを共有している国は僅かです。現在の市場規模は以下のとおりです。
中国:6,720億ドル
米国:3,400億ドル
イギリス:99億ドル
日本:79億ドル
ドイツ:73億ドル
フランス:43億ドル
韓国:370億ドル
カナダ:200億ドル
ロシア:200億ドル
ブラジル:19億ドル
4.BtoBのマルチ・チャネル・マーケティング
マルチチャネルマーケティングとは、さまざまな手法を組み合わせて、サービスを提供し、目的の顧客にリーチする戦略です。
BtoB顧客の61%は魅力的なサービスを受けていると感じている間は他社に浮気しないと回答する一方、半数の事業者がマルチ・チャネル戦略を行うほどの余裕がないと答えておりますが、これこそが今後顧客を逃さないための重要な戦略になっていくでしょう。
というのも、BtoBのマルチ・チャネル戦略とはつい最近叫ばれるようになった概念だからです。現在海外のマーケターは購入者がより良い購入プロセスで買えるように戦略を練り、狙ったターゲットの50%が反応してくれれば上出来とされています。そしてこの戦略が功を奏すると、89%の顧客が逃げなくなると言われています。
5.誰をターゲットとするか
BtoBトレンドの世界に影響を及ぼしているBtoBのECの顧客には5つのタイプがあり、最良の戦略を理解する上で非常に重要な役割を果たします。
プライスファイター・・・価格、割引、タフな値引き交渉など、催行のサービス得ようと真剣に検討している顧客です。そのような顧客は、価格で市場を勝ち抜きたい場合、どんな影響があり得るかを理解する一助になります。
範囲のバイヤー・・・価格、形状、サイズ、色などバリエーションで製品を見ている顧客もいます。この顧客は、オンラインストアで現在どういったワードで検索してくるのか、需要があるのかを理解する一助になります。また、商品ページで顧客の興味を引きつけるオプションがなにかを理解することもできます。
配達バイヤー・・・配達はECにおいて重要なプロセスです。ECのフローの最終段階にあり、時間通りに到着できるかなどは重要なポイントです。配達を気にする顧客からはサービスに対する印象に影響を与える可能性があります。
品質狂信者・・・品質について妥協しない買い手でこの点について強いこだわりを持ってサービスを得ることに集中する人です。これは、顧客に最高の品質を提供することにより、堅実なサービスを提供することになります(日本の企業はこれは得意な部類です)。
伝統主義者・・・これは、オンライン・オフラインに関わらずポピュラーなテクニックですが、季節や年中行事などでの販売企画で商材を選ぶバイヤーの場合には、こうしたイベントを通して良いショッピング体験を感じてもらうための仕組みを構築しておくと、より多くの購入者を引き付けることができます。
6.BtoBの配送オプションを考える
入金確認から配送までの全体を通じてより良いカスタマーエクスペリエンスを提供することを事前に考えておくと、顧客の囲い込みに繋がります。
その時、自社だけで実現できなことも多いので、その場合は様々なトライ&エラーを繰り返しながら、物流のプロの仕組みの支援を受けながら提供していくといいでしょう。
様々なオプションがあります、例えば早く送ることに注力するのか、準備のできた順に配送するのか、複数の倉庫から発送できる体制を作るのか、返品プロセスをわかりやすくするのか、など。
海外のバイヤーやマーチャンダイザーは日本企業の担当者よりも決断が早く、無駄なアポイントや交渉をせずにビジネスになる傾向があります。
弊社には20年近い越境EC経験を持つスタッフがおり、補助金も4年連続延べ50社以上の補助金採択実績をもち、多くの事業者様にアドバイス、コンサルティングの伴走支援をさせていただきます。すでにBtoB越境ECで成功している企業様もおられます。現在は補助金を使ってBtoB越境ECを始めることもできます。