こんにちは。ジェイグラブの横川です。
1月28日に中小機構で開催されるオンラインの企画「EC活用チャレンジ企画 冬」のSNS広告をご覧になりましたでしょうか。
「インバウンドは観光地だけのビジネスで、自分のEC事業に無関係だと思っていませんか?旅マエ、旅ナカ、旅アトでインバウンド客を掴むための、セミナー開催!」
参照:EC活用チャレンジ企画 冬
まったくそのとおりです。弊社ではセミナー等で「越境ECは物やサービスを提供するものだ」と話しており、手に取れるもの、目に見えるもの以外もやり取りができるのだと言うことを話してきています。
その具体的な事例としてウォーレン・バフェット氏との昼食会参加権がネットで買えるという話をこのブログで書いています。
参照1:ウォーレン・バフェットと昼食できる権利がeBay(イーベイ)にでますよ
参照2:「ウォーレン・バフェットと昼食できる権」は終了。彼に変わる昼食の相手は誰か?
インバウンドとは関係ないし、外国人と接点ないし・・・と自らで制限をかけてしまうのは非常にもったいないです。
イノベーションというほどではないですが、イノベーションや創意工夫ができる人は、そういう課題に直面したあとに、そこで終わらず、従来の常識を破った思考でいろいろ考える人です。頭の中で大金を盗んでも窃盗罪に問われないのと一緒で、頭の中で非常識なことを考えても誰にも迷惑かけません。そうした試行錯誤の末に、社会常識に沿う形で行動に移す人がイノベーションを起こせる人となります。ここで商才の差、センスの差が生まれ、先行者優位の恩恵をたっぷり受けられる人になれるのです。
日本人はIQは高いが、EQは低いとよく言われます(一説には世界最下位とか)。
EQは心の知能指数と呼ばれ、感情のコントロール面にスポットが当たりますが、自らで学び、考え、やり抜く自己解決力も見ることができるので、これが低いと、創意工夫する力が低いということになります。なにか困ると、ネットがあるのに調べもせず、他人に頼ろうとする人が多いのはこのせいかもしれません。
実際こういった記事もありました。
参照:高学歴なのに貧乏な人が増えているワケ
日本人がイノベーションを起こせないのは、学んだことを実社会でいかに応用するかという思考習慣が養われていない、あるいは社会に出てからそういう姿勢で取り組んでいないことに起因します。 学んだ知識を組み合わせて統合し、より複雑な問題に適用できないのは、与えられた問題を解くことに慣れてしまっているからです。自分で問いを発して探求し、解決方法を自らの頭脳で編み出し、成し遂げるという経験をしてこなかったから。
うーん、このとおりだとすると、もう日本の再浮上はないですね・・・
さて、「創意工夫しない日本など目もくれず、ユニークな発想をする海外」の事例を見て、触発されてみてください。
今回の紹介記事は企業だけでなく、自治体などでも応用できる内容です。
たとえば、外国人観光客に自治体首長の案内で観光とか、自治体首長が教える郷土料理で一緒に夕食とか(首長も、税金使って海外のイベントに出張して地元のセールスマンを買って出ることがあるんですから、こういう企画のために時間を作ってもいいと思いますけどね)。大抵の地元民にとっては、1円の価値もない企画ですが、訪日観光客にはユニークで面白い企画に見えます。私も自治体首長と飯など(数人を除いて)基本興味ありませんが、外国に旅行に行って、その土地の市長などと飯が食えるとわかったら面白い体験にワクワクしますし、普通にSNSで自慢投稿しますね。
ベルリンの劇場が舞台上での宿泊をeBayオークションで提供
ベルリン・アンサンブルは、首都ベルリンの文化財予算削減による打撃を和らげようと、世界的に有名な舞台での一夜限りの宿泊公演をオークションに出品している。
ベルリン・アンサンブルがステージ宿泊をオークションにかける
15分間の名声、あるいは8時間もの名声を求めていますか? 世界的に有名な劇場、ベルリン・アンサンブルが、壮大な舞台で宿泊する機会を提供しています。
1949年に女優ヘレナ・ヴァイゲルと夫のベルトルト・ブレヒトによって設立されたこの文化施設が、この機会をeBayに掲載した際、入札は250ユーロから始まった。
入札額はすぐに1,400ユーロに達し、2025年1月21日まで入札を受け付ける。最終的な落札者は1月28日に友人4人を宿泊パーティーに招待できる。
その夜、落札者とその招待者は劇場で現在上演中のブレヒトの『コーカサスの白墨の輪』を鑑賞し、快適なベッドを与えられ、午後11時30分に防火鉄のカーテンが閉まる前に、アンサンブルのメンバーによる就寝時の詩の朗読を受けることができます。翌朝8時からの朝食が含まれています。
劇場の歴史上、舞台上での私人の就寝が許可されたのは初めてだ。「政治家の提案を真摯に受け止め、新たな方法を模索した」とベルリナー・アンサンブルの芸術監督オリバー・リース氏は語った。
ベルリン上院、文化予算を1億3000万ユーロ削減
ベルリン市当局が12月末に予算削減を決定したことを受け、世界的に有名なベルリンの文化施設への2025年の予算は1億3000万ユーロ削減される。これは前回の予算から12%の補助金削減となる。その結果、美術館、ギャラリー、劇場、ナイトクラブなど、大小さまざまな施設が財政難に陥り、閉鎖に追い込まれることが予想される。
ベルリンの文化シーンはさまざまな課題に直面している。11月、市内のナイトライフ施設を代表する団体「クラブコミッション」は、ベルリンにある250軒のクラブのうち約半数が、家賃が 高騰しているため2025年には閉店に直面すると警告した。
ベルリンのトレプトウ地区とフリードリヒスハイン地区を通るA100高速道路の開発は、エルゼ、クラブ・オスト、レナーテ、フィップス、オキシーなど、いくつかの老舗店にも脅威を与えている。
2021年に開始されて以来、毎月第1日曜日に市内の60の博物館や美術館への無料入場を提供してきたミュージアムサンデープロジェクトは、最近の削減の影響を受けた最初の文化イベントの1つでした。最後のミュージアムサンデーイベントは2024年12月1日に開催されました。
参考:Berlin theatre offers on-stage sleepover in eBay auction
さいごに
記事中の当事者はオークションを開催していますが、なにもオークションでなくても日本に観光で来る人に、日本にいる間に体験できる企画やイベントに参加できる権利を定価で売ったりすることもできます(たまにいるんですよね。記事がオークションだったから、自分もオークションでやらないといけないのかと思い込む人が。まさにEQの低さを露呈させてます。)。
現時点で、そういう企画を持っていなくても、ちょっと考えれば、なにか思いつくでしょ?というのが、今回の中小機構の言いたいことだと思います。なにかイベントを行い、影響力のある外国人にSNSやYouTube、Tripadviser、Google Map、redditなどに良いレビューが書かれたら、一気に人(=収益)が増える可能性があります。
参考:外国人観光客に質問!「日本に関するクチコミを教えてください」|TBS NEWS DIG