こんにちは。ジェイグラブの横川です。
ネクストチャイナとも言われ、日本企業の多くが注目するベトナム(個人的にはネクストチャイナ=ベトナムというのも、かなり色あせた情報に感じますが)。日本企業が注目するということは、当然ながら世界中の企業も注目するわけで、モタモタしていると海外企業に先手を打たれてジ・エンドです。
ECに関して言うと、東南アジアのECモールである、LAZADAやShopeeだけでなく、ベトナム政府が自国のECプラットフォームの成長に国を挙げて力を入れ、東南アジアのECモールトップ10にはかなりベトナム企業がランクインしています。また、ECに関連した法制度も整備されようとしています。そういう状況ですので、外国のECモールが触手を伸ばしてくるのも当然でしょう。まだまだ目の離せない市場ではあります。
参考:東南アジアのECサイト、ベトナム勢が成長
参考:ベトナム、ECに関する税制のドラフトを作成中
アマゾン、ゴールドマン、JD.comが成長するベトナムのeコマース市場を狙う
アマゾン、JD.com、ゴールドマン・サックスなどの大手企業が、急成長するベトナムのEコマース市場に注目していると、ブルームバーグが報じました。
ブルームバーグによると、ベトナムのデジタル経済は2025年までに520億ドルに成長すると予測されており、これは2020年からの年間29%の増加に相当します。
ベトナムの多くの住民は、パンデミックの影響で、今になってようやくオンラインショッピングを試しているところであり、ベトナムは長い間、現金に頼ってきました。ブルームバーグによると、ベトナムの消費者のうち、クレジットカードを所有しているのは5%以下、銀行口座を持っているのは3分の1程度とのことです。
しかし、前述の大企業は今、ベトナムの成長する中間層をターゲットにしています。ブルームバーグによると、2016年から2020年前半の間に、投資家はベトナムのオンライン部門に19億ドルを注ぎ込んだという。
オンライン販売は、2025年までにベトナムの小売売上高の10%を占め、ホーチミン市やハノイなどの地域では50%にも上る可能性があるとブルームバーグは報じています。
ブルームバーグによると、政府は現金決済を減らし、より透明性が高く、デジタルフレンドリーで近代的な経済への道を模索しています。これには、公共サービスのためのキャッシュレス決済の促進や、電子決済のための規制の枠組みの改善などが含まれる。
しかし、買い物客が詐欺を警戒していることや、オンラインショップでは通常、返品ができないことなど、まだ課題が残っています。ハノイ在住のエコノミスト、グエン・トライ・ヒウ氏は、ブルームバーグの取材に対し、「ベトナム人は目に見えないものは信用しない」と述べています。そのため、一部のサイトでは、キャンペーンや値下げなどを行っています。
パンデミックはEコマースに活気を与えましたが、コロナウイルスを避けるために人々が家の中で過ごしていたため、2020年には食品から電子機器までのすべての商品が30%も急上昇したとブルームバーグは報じています。
参考:Amazon, Goldman, JD.com Target Vietnam’s Growing eCommerce Market
記事中では、ベトナムは現金主義であるという記載がありましたが、これには注意が必要です。現金主義ではない「欧米からみたら」現金主義だというふうに捉えておくといいでしょう。
実際のベトナムでのEC決済は35%はカードで、26%が銀行振込、現金は21%です(参考:東南アジアの決済方法のトレンド)。
また、これはあくまで個人の感想ですが、記事中の地元の人のコメントとして、目に見えないものは信じないというものがありましたが、もうすこしウラがあるように思いました。ベトナムの人たちの国民感情として、アメリカ企業や中国企業は警戒したくなってしまうからあのような発言が出たのではないかと。このあたりはベトナムの歴史を理解する必要があります。