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越境ECブログ

アマゾン(Amazon)、労働争議と手数料アップでユーザー離れのリスク

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

アマゾンでは、FBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン)という、アマゾンの倉庫に在庫し、オンラインで売れたら、その倉庫から顧客へ短時間(1日か2日)で商品を届けることをウリにし、他のライバルより大きなシェアを取りました(最近では、早く発送されても不在中に届いたり、盗難の恐れのある状態で置いていかれたりするため、「早く発送することが素晴らしいわけでは無い。きとんと受け取れなければ意味がない」という意見も増えてきました)。

そのため、倉庫にはアマゾンのスタッフが必要なわけですが、労働組合が結成されたりと、労働条件はあまり良くないようです。

越境ECで販売しようとする側にとっては、アマゾン倉庫の労組結成、労働争議は大きな問題ではありませんが、手数料が上がっていくことは問題です。この2~3年は何かしらで値上げが続いており、場合によっては売上の4割も手数料で消える場合もあります。そこで、アマゾン離れが加速するのではないかという記事がありました。

アマゾン、労働争議と新たな手数料で販売者を遠ざけるリスク

CNBCによると、アマゾンは、ウーバー、フェデックスなどの企業に続いて、同社のフルフィルメントサービスを利用する出品者に5%の燃料およびインフレサーチャージを追加するとのこと。

この手数料は既に4月28日から適用され、すべての商品タイプに適用される(この手数料は、1個あたり24セントの負担となる)。
この措置は、マーケットプレイスでの取引ですでに高い手数料を課せられている販売者を困らせることは間違いない。

ある試算によると、販売者の売上に占めるアマゾンの加盟店の売上割合は現在34%であり、今回の手数料が加算される前であっても、その代償は甚大である。
アマゾンの広報担当者はCNBCに対し、サーチャージは「サプライチェーンプロバイダー間で広く使われている仕組み」だと指摘した。しかし、ウーバーのサーチャージは顧客が負担するのに対し、アマゾンの場合は加盟店が手数料を支払わなければならず、価格上昇という形で消費者にコストを転嫁することになりそうだ。
しかし、消費者は値上げに耐えることはできないだろう。アマゾンの販売業者の中には、顧客が値上げを拒否したため、特定の商品の利益率を下げざるを得なかったとブルームバーグに語った者もいる。

労働争議も継続中

この燃料割増金は、アマゾンが労働者の採用と維持に苦心し、各地の倉庫で組合結成に対抗しようとする中で発生したものだ。アマゾンは「地球上で最高の雇用主」を目指しているが、その従業員は違う話をしている。

ストラテジック・オーガナイジング・センターによると、アマゾンの倉庫での重傷率は、アマゾン以外の倉庫の2倍以上であるとの報告している(アマゾンははこの事実に異議を唱えている)。
ニューヨークの倉庫での組合結成運動の成功を受けて、50以上の倉庫がアマゾン労働組合と接触しており、労働者の不満は明らかだ。

大きな収穫?

アマゾンは株主向けの年間報告書で、約15ヶ月で3年分の予測成長率を達成したと述べており、かつてないほど強くなっていることがうかがえる。

そう考えると、燃料費やインフレ関連コストを販売者に転嫁するという同社の決定も、ニューヨークの組合投票結果を受け入れることを拒否したことも、不可解なことである。アマゾンは、他の企業と同様に人件費やフルフィルメントコストの上昇に悩まされているが、マーケットプレイス、広告ビジネス、AWSなど、いくつかの主要な利益源があり、他の消費者ビジネスにおける利益率の低下を相殺することができる。
アマゾンが労働者組織と戦えば戦うほど、そしてアマゾンの労働者の経験について否定的な話が出れば出るほど、同社の倉庫で働こうとする人々を見つけるのは難しくなるだろう。

参照:Amazon risks alienating sellers with a new surcharge as its labor struggles continue

さいごに

現在はエネルギー価格の高騰や新型コロナの影響もあるので、致し方ない部分もあるにはありますが、コロナや戦争が落ち着いても、一度値上げした手数料を元に戻すかどうかは非常に怪しいです。
そこで、事業開始の最初のうちはマーケットプレイスに頼ることになりますが、中長期的視野では、自社ECサイトで回していけるように戦略を立てることが重要になってきます。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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