こんにちは。ジェイグラブの横川です。
先日Amazonが400近いアカウントを特に事前説明もないままシャットダウンしたということがニュースになっていましたが(外資では事前説明がないことは結構あるあるなので、なにかあるごとに丁寧に説明してくれる日本の感覚でいると駄目です)、Amazonがそうしたことをするのは、特に珍しくないので、スルーしてましたが、今回は、休眠アカウントとか、グレーなことをするアカウント以外も含まれていたようで、セラーが怒っているようです。
越境ECをこれから検討する人には、Amazonにどういう側面があるのかを知るにはいい記事かと思います。
フロリダのAmazon販売者、アカウント停止を巡り集団訴訟を提起
フロリダのAmazon販売者のグループが、同社による400以上のアカウント停止が不当であるとして訴訟を提起しました。この訴訟では、Amazonが販売者に十分な説明や通知を行わず、任意でアカウントを停止し、結果として多額の収入を差し押さえたと主張されています。
訴訟の背景と課題
- 法律上の論点:Amazonのビジネスソリューション契約(BSA)は、すべての紛争を仲裁で解決することを義務付け、集団訴訟を禁止しています。これにより、訴訟が裁判所で進められる可能性は低いとされています。
- 販売者の主張:Amazonのアカウント停止措置は、透明性を欠き、特に小規模販売者に不利であると主張。事前通知や問題解決の機会が与えられなかったとしています。
訴訟の可能な展開
- Amazonの防御策:同社は、仲裁条項や集団訴訟禁止条項を根拠に訴訟の却下を求める可能性があります。
- 販売者への影響:裁判所での審理が認められた場合、販売者に有利な判決が出る可能性があり、Amazonのアカウント停止ポリシーの見直しを促す契機となるかもしれません。
販売者への提言
この訴訟は、販売者がAmazonの契約条件や仲裁プロセスを理解する重要性を浮き彫りにしています。アカウント停止を経験した場合、適切な法的支援を求めることが重要です。
参考:Florida Amazon Sellers Sue Over Account Deactivations
まとめ
もともとAmazonの規約、契約内容は強圧的であるのは有名な話で、大昔からアメリカ下院司法委員会でも話に上がるほどです。そのアメリカ下院司法委員会では、
- 契約はAmazonに決定的に有利になっており、販売者への支払いを保留したり、理由もなくアカウントを停止したり、その他の虐待的な事ができるようになっている。
- 停止やそれに伴う金銭的影響が大きいため、多くのAmazonセラーはAmazonを恐れて生活している
と、報告しているくらいです。
ところで、越境EC周りの話で行くと、以前は経産省系から補助金がでていたのですが、近年は農水省系からでていることが多く、なぜかAmazon一択でやるような建付けを多く見かけます。
Amazonでやるのは、そんなに簡単ではないのに(特に農水関連)、なぜAmazon一択なのかが知りたいものです。Amazonが簡単でないことは経産省に事前に聞けば、蓄積された話を聞くことができただろうにと思うのですがね。税金を無駄遣いできる余裕があるとは思えないのですが、例のいわゆる縦割り行政なのか、よく知りませんが、簡単ではないと思います。