ジェイグラブの横川です。
アマゾンが先鞭をつけた、(運送業者の労働過多などいびつな構造も生み出していますが)「注文したらすぐ届く」が当たり前になりつつあります(スピードにこだわらない売り方もやりようによってできるのですが)。
しかし、コロナ禍以降は社会情勢や生産人口動向なども影響もあり、以前に比べると遅延する傾向は増えつつあります。そこで、そうした遅配に対する海外の記事がありましたので、紹介します。
7割の消費者、理由なき遅延を経験と答える
サプライチェーンテクノロジープロバイダーであるケーバー社の市場調査によると、Eコマース消費者の要求はますます高まっており、メーカー、小売業者、第三者物流業者(3PL)は、注文品を自宅に配送する際のスピードと利便性に対する彼らの期待に応えるよう求められています。
オンライン注文の履行が遅れることで、顧客の不満がますます高まり、ブランドの決定に影響を及ぼすことが、ドイツ企業の “2023 State of Shipping and Returns Survey “で明らかになりました。
ケーバーは、競争の激しい市場で売り手が直面する問題の程度を測定するため、消費者が「購入」ボタンをクリックした瞬間から商品が手元に届くまでの間の購入後の体験について尋ねました。
その結果、かなりの数の消費者(70%)が、遅延の理由(35%)が提示されないまま、配送の遅延を経験していることがわかりました。このような経験に直面した回答者の90%は、オンラインショッピングで悪い経験をしたブランドと認識し、再び購入する可能性は低くなったと答え、29%は否定的なレビューをオンラインで共有することに積極的になっていると答えています。
この数字は、アメリカ、カナダ、ブラジル、メキシコ、オーストラリア、ドイツ、フランス、イギリスの世界8地域の2,200人の消費者を対象に実施された調査によるものです。
ケーバー社のビジネスエリアサプライチェーンのソフトウェア担当CEOであるチャド・コリンズは、「新型コロナ以降、顧客の期待はますます複雑になってきており、最新の調査では、良いショッピング体験は、長期に渡るロイヤル・カスタマーを作ることができることが明らかになりました。逆に、悪い体験は破壊の航跡を残すことになります。売り手は、これらの課題を克服し、消費者の期待に確実に応えるために、シームレスに統合された技術を必要としています。」と答えている。
この調査により、企業は出荷の可視性と説明責任を強化し、予期せぬ遅延の回避を支援する機会を得ていることが明らかになりました。調査によると、38%の消費者は、最近遅延した注文について、補償、返金、または割引を提供されなかったが、83%はそれが重要であると回答した。
そのため、遅延が必ず発生する場合、オンライン販売者は顧客とのコミュニケーション計画を立て、顧客のロイヤルティを高めるための宥和策を提供すべきだとケーバーは述べています。
参照:Survey: 70% of e-commerce shoppers say their goods were shipped late without any excuse
おわりに
年々海外の消費者も遅延についてはうるさくなってきているという記事ですが、それでもハイパー神経質な日本の消費者と比較すればカワイイもんですし、のんびりしています。上記記事にあるように、輸送に問題が合った際の補償や返金などが約4割行われていなかったというのは、日本人から見れば信じられないでしょう。しかし、それがグローバル・スタンダードです(笑)。越境ECではそこまで消費者に怯える必要はありませんし、神格化させる必要も全くありません。
したがって、神様気取りの日本の消費者と対峙してきた経験のある皆様なら、越境ECでの接客など屁でもないはずです。