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越境ECブログ

アリババ傘下のeコマース企業、95%縮小

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

中国ECは中国政府のゼロコロナ政策による極端なロックダウンの影響もありますが、コロナ禍に入ってECは世界中で30%近く成長したにもかかわらず(日本でさえも)、中国だけが成長スピードが緩やかで、失速感があります(市場規模が巨大すぎるので、感覚としてわかりにくいですが)。もともと急激に成長した地域ですので、頭打ちになってきたというだけの話なのでしょうけど。

世界的に進行するインフレの影響で欧米では大企業が人員整理を始めたというニュースもずいぶん報道されましたが、中国でも同様のニュースが入ってきました。


アリババ傘下のeコマース企業、チームを95%縮小

アリババが買収した越境ECのKaola(カオラというスペルで「コアラ」と読みます)は、昨年約400人いた人員を7月に20人以下に減らしたと報じられた。同プラットフォームは現在、美容製品だけでなく、ベビー用品の販売に力を入れている。

この実施は、今年初めに「収支が合わなければ、9月に閉鎖されるリスクがある」という噂がコアラの従業員の間で流れたが、実際に行われた。

昨年、同社は流通取引総額(GMV)で30億元(4億4070万米ドル)未満を集め、同期間に600億元(88億米ドル)に達したTmall Global(天猫国際)などよりはるかに低い水準にある。

2019年、アリババは中国のインターネット企業NetEaseからコアラを20億米ドルで買収した。コアラは4年前から越境EC企業の中で市場リーダーとなっており、2019年上半期の市場シェアは27.7%、2018年のGMVは300億元(44億米ドル)であった。これは、アリババの競合他社が同社を買収できないようにするために行われた取引だったと言われている。

参考:Alibaba-owned ecommerce firm downsizes team by 95%


まとめ

今回の極端な人員整理は、中国経済の失速もあるでしょうが、類似サービスの乱立状態から、成功企業と失敗企業の二極化が始まってきたということでしょう。

ECの世界では、先頭を切ってスタートした企業が多少のトラブルがあっても最終的に市場の大部分を占めてしまい、2番手以降は残された少ないパイを食い合うという状況がよく生まれます(なので、セミナーで早く決断して早くやれと強調するのです)。中国ではこれからEC企業の淘汰が始まるのだと思います。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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