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越境ECブログ

新型コロナでEC伸長に伴い、航空業界も大激変。返品率も下がるか?

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

越境ECは新型コロナの影響受け、世界的に業績が伸びましたが、国際物流が一時的に麻痺するなどしたため、越境ECの運営者はかなり苦労しました。なぜなら、発送遅延が起きると返品率が上がるからです。その発送遅延と返品率の関係性については、このブログの後半に書きます。

まずは、新型コロナで国際物流が麻痺状態に陥ってしまった時期がありましたが、この影響で航空業界にも大激変が起きているというニュースをコンパクトにまとめます。


新型コロナECブームで航空業界大激変

エア・カナダから中国のCDBアビエーションまで、航空会社や航空機のリース会社は、新型コロナ感染拡大の中で中古飛行機の価値が(機種にもよるが)20%から47%まで下落する中、eコマースのブームを受けて、古い旅客機を航空貨物機に改造(P2F改造機)する動きが早まっています。

航空業界の調査会社である、シーリウムは、世界のP2F改造機の数が2021年には90機、2022年には109機と36%増加すると予想しています。「新世代の737-800やA321、A330が増加していますが、767のような古いタイプは、アマゾンが自前の輸送システムを構築することにより、ここ数年で強い需要が続いています。」と述べている。

新型コロナ大流行中に多くの旅客航空会社も、より多くの貨物を運ぶために乗客席を取り外すなど、簡単な一時的な改造をしてきたが、今のトレンドはそれを一歩進めたものとなっています。それは、航空業界の旅客輸送量が2019年のレベルに回復するには2024年までかかると予測されているからです。
実際、2020年には貨物機の利用率が過去最高を記録しており、機材のメンテナンス人員の大量失業というシナリオからも解放されています。

ボーイングは、新型コロナの流行に関連して、9月までに貨物の利回りが40%上昇したと述べ、今後20年間の貨物機の納入の60%以上が777のような新しいワイドボディ貨物機ではなく、旧型機を貨物機に変えたコンバージョン(改造機)になると予測しています。ナローボディ貨物機はほとんどが改造機です。

これにより、越境EC業者にとってはきつかった、物流麻痺の回避、輸送コストの安定化、低価格化の実現が期待できます。少なくとも物流の麻痺とコストの安定化は期待できます。

参考:Airlines convert passenger planes into freighters on e-commerce boom


配送遅延は返品につながる

年末のホリデーシーズンが近づくにつれ、オンタイムでの配送には苦労します。特に越境ECの場合はコントロールが難しく、特に今年は新型コロナで物流も麻痺状態ですから、配達日の約束は安易にしないほうがいいでしょう。

ちなみに越境ECを行う事業者様には、海外の消費者の感覚というものを知っておいたほうがいいと思いますので、アメリカのプロペラ・インサイツ社が調査した遅延と返品に関するデータを紹介します。

まず、回答者の半数以上(51%)は、誰かのためにギフトを購入し、ギフトを贈る前に返品したことがあると答えています。その他の理由としては

商品が写真や説明と違っていた(35%)。
自分、または贈る相手に合わなかった(31%)。
比較目的で他の物も買っており、選からもれたから(31%)
と回答しています。

UPSの関連会社、Ware2Goは、ホリデーシーズンのeコマースの返品率は30%前後で推移していると述べ、回答者の61%は、「返品ポリシー」は購入を決定するために非常に重要であると言い、別の 34% はそれがやや重要と答えています。無関心なのは6%だけです。

売り手にとってキツいのは80%もの消費者がホリデーギフトの返品は当たり前のようにできるものと考えていることです。実際、アメリカ人は不要なギフトの返品は迅速にしています。
24%が1週間以内に、33%が1-2週間以内に、18%が2週間から1ヶ月以内に返品しています。

ただ、こうしたキツいデータとは逆に、EC事業者にとって面白いデータもあります。
それは、92%のアメリカ人はホリデーシーズン後に買い物をする予定だということがわかっているということです(通常の休日等のあとに買うと答える率は72%なので、年末シーズン後に買うという率はかなり高い)。ホリデーシーズンが終わった後、どのくらいの期間でショッピングを再開するかについては、回答者によって様々な意見がありました。
31%がホリデーシーズン終了後、数日以内に、34%が1ヶ月以内に、23%は、2-3ヶ月後にと答えています。

参考:Survey Finds Delivery Delays Lead to Returns


2020年の越境ECは新型コロナに翻弄された一年となりました。
暗い話題が多い中、業績が伸びた分野として注目はされたものの、なにか気持ちの晴れない物もありました。しかし、物流面でも解決の方向に向かいそうなニュースに触れることができ、来年は少し明るい兆しと期待が持てそうです。

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Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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