こんにちは。ジェイグラブの横川です。
ECは対面でないため、つい画面の向こうには人がいるということを忘れがちで、全て自宅や外から簡単にできてしまうために、判断も短絡的になりがちで、あまり熟慮したとは思えない返品も頻繁に起こります。
これをうまくコントロールできれば、成功に導ける確率が高まるため、常に返品プロセスについては考えておくと良いでしょう。
返品をセカンドチャンスにつなげる5つの方法
返品は不適切に管理すればするほど悩みの種になりますが、返品を避けられない損失と考えるのではなく、返品された理由を追求し、その洞察をもとに、返品プロセスにおいてセカンドチャンス販売の機会を作り出すべきです。
全米小売業協会(NRF)によると、全体の返品率は10.6%で、2020年には4280億ドルの商品が返品されたと推定されています。これだけ返品が多いのだから、返品をする顧客の再コンバージョンに着手しなければ、企業はすぐに損失を被るようになるでしょう。
以下の5つの戦略を実施することで、オンライン・ビジネスの収益を向上させながら、返品を繰り返す顧客を再顧客化することができます。
1.返品された理由を聞く。
解決策を提示する前に、返品理由を確認する必要があります。お客様の気持ちに寄り添い、ニーズを聞き出す。返品の理由を尋ねるプロセスを導入します。返品プロセスにおいて、お客様が情報を入力するためのサイトを活用することもできます。
2.返品許可を設定する。
お客様は返品をする前に、オンライン、Eメールなどで貴社に連絡する必要があります。このときに、別の解決策を提案する機会が生まれ、損失を節約できる可能性があります。自動返品システムを導入している場合は、返品の理由を選択肢を設けるなどで定義し、事前に写真を要求して、サポートチームが承認できるようにすることも可能です。
3.代替案を提案する。
返品の理由が判明したら、代替品を提案することを試みます。購入した商品が洋服で、色やサイズが合わなかった場合、より適した商品を提案することができます。それができない場合は、お客様が興味のありそうな他の商品のお得な情報をお知らせして、販売を救うクロスセリングを試みます。
4.どの製品が返品されているのかをモニターする。
同じ商品が何度も返品されている場合、その理由を理解することで、問題に正面から取り組むことができるようになります。不良品なのか、値段が高すぎるのか、それとも単に広告と合っていないのかを特定することで、問題に対処し、将来的に返品を防ぐことができます。
5.ギフトカードやストアクレジットを提供することを検討する
お客様に返品する意思がある場合、最終的にギフトカードやストアクレジットを提供することを検討することも必要でしょう。また、返品はストアクレジットとしてのみ利用できるポリシーを実施するなどと検討してもいいと思います。
明確で簡単な返品手続きは非常に重要
ビジネスの返品プロセスが迅速で手間のかからないものであることを保証することは、顧客が二次購入に踏み切るための大きな力になります。実際、92%の消費者が、返品プロセスが迅速かつ簡単であれば、その間に2回目の購入をすると回答しています。
返品は避けられないものですが、精通したカスタマーサービスと返品理由を追跡するプロセスを導入することで、販売につなげ、ビジネス収益の損失を防ぐことができるのです。そうすることで、ブランドに対する顧客満足度を全面的に高めることができるだけでなく、口コミによる紹介を促し、新規販売や長期的な維持につなげることができます。
参考:Returns Cost Sellers5 Ways To Turn E-Commerce Returns Into Second-Chance Sales
おわりに
ストアクレジットは、システム的に難しいので、デジタルクーポンを発行するというやり方で良いのではないかと思います。
しかし、ここでケチってはいけないと思います。クーポンを上げると言っても値引きや割引になる程度のものでなく、商品がそっくり買えてしまう、(相手の返品理由が正当なものならば、相手に迷惑をかけていることになるわけですから)「1回限り実質タダ、かつ有効期限無期限」くらいのものは出すべきでしょう。
上記の記事にあるように、ポジティブな口コミも期待できるので、目先の損に気を取られて判断を誤るのではなく、その先で取り返すという視点を持つべきです。昔から言いますよね「損して得取れ」です。