こんにちは! ジェイグラブ越境ECアドバイザーの横川広幸です。
ビジネスには必ず成功者と失敗者がつきものです。アメリカの中小企業庁(SBA)の調査によると、ビジネスを開始してからの最初の1年間の事業者の生存率は78%というデータを発表しています。裏を返せば1年持たずに廃業するビジネスが22%あるということです。
この数字はビジネス一般について調査したもので、これをeコマースに限った数値にするとどうなるでしょうか。イギリスのマーケティング・シグナルズ社が発表した調査結果によると、eコマース・ビジネスを開始して120日経過後で失敗率がなんと90%に達する(※)というすごい数値を発表しました。これはSBAの数値に比べて非常に厳しいものです。
(※)英国で事業に失敗した1253人の聞き取りと、フォーブスやハフポストなど多くのソースから算出している。
この結果から早い段階で失敗した人たちには、2つの主だった原因があったと同社は指摘します。それは、検索エンジン対策の弱さ(それに伴う)と、オンライン・マーケティングの貧弱さです。
確かにこの2点は重要です。マーケティングができておらず、「見えていない」ということは買ってもらえないということにほかなりません。可視化への投資は想定より高額ではないにもかかわらずです。
同社常務のガレス・ホイルも「この対策を事業を始める前にしっかり見定めておくことが重要だ」と指摘しています。続いて失敗の理由ランキングがあります。以下のようになっています。
- 貧弱なオンライン・マーケティング(37%)
- 検索対策不足(35%)
- 取扱商品等の市場規模が小さすぎ(35%)
- 資金不足(32%)
- 値付けや送料等のコスト問題(29%)
- そもそも競争に不向き(23%)
- 大手に市場シェアを握られている(19%)
- カスタマーサービス不足(16%)
- チームビルディングの失敗(14%)
- 製品販売のタイミングミス(11%)
これらは欧米の失敗パターンを反映させていますので、これが直ちに日本企業に当てはまるわけではありません。弊社がここまで多くの会社様のサポートをしてきた経験から申し上げますと、4位の資金不足を理由に失敗した日本企業はほとんどありません。
その代わり「専任、または兼任スタッフが、アサインできなかった(人材不足)」を理由に撤退する日本企業が多く、日本では「金より人」でコケるという印象です。
あと、海外を相手に仕事をしているんだという覚悟と、意識の変革が足りていないという場合もありますね。(そういったことを確認できるワークショップもたまにやってます)。
オンラインストアでは実店舗と同じことをしていては失敗します。そこで同じ轍を踏まないためには何をすればよいでしょう。ターゲットを決めず、中長期戦略を練らないデジタル・マーケティングをしていては、あなたのオンラインストアは友人や家族が知っている程度の範囲から脱せません。
マーケティング・シグナルズ社のガレス・ホイルはこう言います。「顧客の信用やロイヤリティを確立させるのは、数日や数週間など一朝一夕ではできない。検索エンジンに対する可視化や、ブランドの認知度向上を劇的に短期間で、上げるツールなんてものもない。そういったツールやサービス、エージェントを見つけることは重要だが、一晩で成長させるなんて無理なんです。しかし、多くの人は時間をかけずに成功できると考えがちです」
はい、弊社でも3ヶ月から半年で結果が出ると期待して始めようとする人を時折見かけます。しかし、そんな短期間で結果が出るなら、いまから始めようとする時点で負け組のはずです。なぜならもうとっくに世の中成功者だらけで成功者の仲間入りできる余地などなくなっているはずですから。
以下の画像は海外のとある会社のeコマース人材の求人広告です。「向こう3年間のしっかりした戦略を立てられる人」という条件があり、それ以外にもかなり具体的な求人条件を掲載しています。中長期戦略を練らないeコマースは失敗率が上がります。(何も考えなくてもある程度稼げたのは、インターネット黎明期の20年前までの話です)。
ちょっと頑張って、適切な人材をアサインし、無駄なコストを省ければ、失敗率90%の反対側(=成功者10%)に行けるでしょう。ジェイグラブはeBay、Yahoo!などで越境を含むEC歴20年以上のキャリアを持つスタッフがデータ、知見、経験を元に皆様のビジネスが成功するよう伴走支援いたします。
参考:Ecommerce Business Failure Rate at 90% After 120 Days – How to Avoid It With Your Business (Small Business Trends)