こんにちは。ジェイグラブの横川です。
毎度おなじみの「ネットを始めれば短期間で売れる」ですが、これは英語でも「Shiny-Object Syndrome(キラキラ目標症候群)」と呼ばれ、日本でもそうした期待を持ってしまう人が少なからずおります。
しかし、現実は非常に厳しく、ヨーロッパではオープンから約4ヶ月で9割は失敗するというデータがあったほどです。
しかし、成功の秘訣があるのなら、失敗の必然の理由もあるのです。今回は、この耳の痛い失敗理由を学ぶことで、成功者側へ近づこうという試みです(一部は日本企業向けに編集しています)。
御社のECが失敗する13の理由
現在、ECの失敗率は80%と相当なものになっています。そのうちの22%は運営開始から1年以内に発生しています。
理由はいくつかありますが、御社のECが失敗する可能性の高い理由としては、計画の不備、SEOの不備、非効率的なフルフィルメント、無料配送の不足、節操のないモノマネなどが挙げられます。オンラインで成功するには、努力が必要なのです。
どんなことでもそうですが、ECを成功させるには、これまでに経験したことのないような努力と献身が必要です。一夜にして大金持ちになれるわけではありませんし、1ドルでも稼げるようになるまでには長い時間がかかるかもしれません。
しかし、虹を見たければ、まず雨を我慢しなければなりません。チャンスを広げるために、次のようなことは避けましょう。
不十分な計画
ECサイトは、何よりもまずビジネスです。他のビジネスと同様に、正確な計画が必要です。市場評価、ターゲット層、主要な人口統計などは、ECのビジネスプランに最低限含めるべきものです。
今日の話題の商品が明日には棚上げされているかもしれません。そのため、長期的な目標を計画し、顧客に提供するすべてのものを検討する必要があります。
フルフィルメントの問題
ECのスタートアップにとって、フルフィルメントはビジネスの生命線です。注文を受けて出荷するという課題は、論理的に複雑です。どのように行うのかフローと脳内予行演習はしっかり行っておきます。
不合理な価格
多くの企業が陥るのは、不合理な価格設定です。もし、競合他社よりも高いとしても需要と供給を理解した上で、合理的な価格を設定する必要があります。
SEOを理解していない
ECは複数の要素で成り立っています。サイトの全体的なデザイン(※)の一部として、SEOは含まれるべきです。しかし、ECのSEOは、標準的なブログのSEOとは少し異なります。ECのSEOプランについては、次のことを試してみてください。
※日本では「デザイン」とはイラストやレイアウトといったグラフィック系の装飾という意味合いが強いですが、英語では「デザイン」とは空間的なものや計画・企画といったことも含みます。
- ウェブクローラーのためのレビューを用意する
- ユニークな商品説明をする
- 関連性の高いカテゴリーを作る
- リッチな再利用可能なソースコードを利用する
- サイトのスピードを最適化する
これらは、ECのSEOスコアを高めるために不可欠な要素です。最近では、ページスピードが重要視されています。Google PageSpeed Insightsでストアのスピードを確認することができます。
貧弱なサイトデザイン
SEOに加えて、ウェブサイトのデザインも成功を決定する重要な要素です。重要なのは、ほとんどの場合、シンプルにして、レイアウトに注意してください。大胆な色使いのごちゃごちゃしたサイトは、ユーザーが何かをクリックする前に離れていってしまう可能性が高いです。
また、トップページでは、大きなブランドを優先的に表示することも有効です。ユーザーはブランドとの関連性を好むもので、御社のサイトに正当性を与えます。
誘引要素がない
外部からの訪問経路を活用することで、売上を最大化することができます。例えば、あるユーザーが他のサイトでAppleのiPhoneのレビューを見て、御社のスマートフォンアクセサリーショップへのリンクをクリックしたとします。
外部からのリードは、御社のビジネスに直接関連するブログなど、店舗に顧客を連れてくるようにデザインされた関連コンテンツによって生成されます。
イライラするチェックアウトシステム
ECサイトを閲覧するユーザーは、欲しいものを簡単に見つけたいと思っています。最初から最後まで、すべてのプロセスがシームレスで、迅速かつ効率的である必要があります。チェックアウトの不備は、出荷時のカート放棄率を68%にまで高めています。
最大の原因の1つは、最後のハードルで高額な送料を追加することです。このような費用は、ユーザーが確認ボタンを押すずっと前に明確にしておくべきです。
プロモーションコンテンツの不足
ECの運営とは、基本的に商品販売をしていることになります。そして、商品はたった一つのこと、つまり広告から恩恵を受けます。そのため、関連するウェブサイトや自社のウェブサイトで商品を宣伝することで、売上を最大化することができます。
例えば、秋が深まってもBBQを行うのであれば、来年まで在庫が残ってしまわないように、セール価格を宣伝しましょう。
貧弱な画像
商品を販売するというECサイトの性質上、ECサイトは視覚的な体験となります。そのため、サイト上の画像には細心の注意を払う必要があります。高解像度でありながら適度に圧縮された画像を使用しましょう。
また、可能であれば、ズーム、色見本、360度表示などの特殊効果を提供しましょう。
タフな競争(節操のないモノマネ)
インターネットは広大で、何百万ものブログやECストアが競合しています。競争相手は、非常に成功しているブロガー、熱心なECの専門家、または大企業によって運営されているかもしれません。
現在、ウェブ上には2,400万のECサイトが存在します。そのため、意味のある勝負をするためにはニッチな分野が必要です。
このような競争の激しい時代に、成功したスタートアップは際立っていなければなりません。
多すぎる取り扱いジャンル
競合を理解し、ニッチを形成する一環として、種類を売りすぎてはいけません。例えば、家電量販店であれば、テレビやパソコン、スマートフォンやタブレットなど、すべての商品を扱うことは難しいでしょう。
それよりも、Microsoft Surface Proやその付属品など、専門家として1つか2つのアイテムに絞って販売する方が効果的です。
投資不足
ECのスタートアップを最大限に活用するためには、資金を投入する必要があります。以下のようなサイト自体への投資も必須の条件です。
- 適切なウェブホスティング
- フルフィルメントシステム
- プロフェッショナルなウェブデザイン
- 専門的なSEO
- デジタルマーケティング
これらはすべて、外部のサービスを利用して簡単に入手できます。
一攫千金思考
世界のウェブ上には、失敗したブログやEコマースサイトが散見されますが、これはある非効率的な考え方によって放棄されたものです。多くの人は、インターネットを使えばすぐに金持ちになれると思っています。これは全くの誤解です。
もちろん、そのようなことがまれに起こる、孤立ケースもありますが、それはほとんどの場合期待できません。成功するためには、時間、献身、学習と適応の意欲、そして情熱が必要です。一夜にして成功するわけではありませんから、長い時間をかけて準備してください。
参考:13 Reasons Why Your eCommerce Venture Might Fail
さいごに
もう、弊社のセミナーで言っていることとまったく同じでした(笑)。
そして、特に共感したのが、「タフな競争」と、「一攫千金思考」のくだりです。冒頭では「Shiny-Object Syndrome(キラキラ目標症候群)」という言葉を紹介しましたが、この記事では「Get Rich Quick Thinking」と表現しています。言っている内容は同じです。
また、タフな競争では、オリジナルのニッチを持つことが重要です。ネットは先行者優位が強烈に働くので、他人が見つけたニッチは、その人が高シェアを握っていて、真似ても多くが勝てません。
他人に真似できないニッチを持つべきなのです。そうなると、自ずと自分の得意分野を伸ばすということを進める以外にありません。得意でないのにただ売れているからというやり方は長続きしませんし、焼畑農業経営になってしまうので、いつまでも安定しないでしょう。
この記事は保存しておいてもいいでしょう。