(この記事は2023年5月に投稿しています)
ジェイグラブの横川です。
日本郵便のプレスリリースによると、今秋から日本郵便のサービス内容が国内・国際ともに大幅に変更されます。秋まではまだ時間があります、余裕を持って対策を打てるようにとの配慮でお知らせされているわけですから、ギリギリになって慌てふためかないように今から対策しておきましょう。
詳細は日本郵便のこのページにございます。
参照:郵便物の特殊取扱料の改定、荷物の付加サービスの料金改定および廃止ならびに国際郵便料金の改定
プレスリリースでは、下記1と2について謳われていますが、郵便局の窓口で見つけた情報もありましたので、それを3として付加します。
1.国際輸送サービスの一部が廃止
2.送料の価格変更
3.EU向け荷物の送付状推奨ルール
1.国際輸送サービスの一部が廃止
コロナ禍の最中は、DHLやFedExなどのクーリエを除くと、日本郵便ではEMSくらいしか利用できませんでしたが、コロナ以前はEMSよりは少し時間がかかるものの、国際eパケットや国際eパケットライト、SALなどが利用できました。
これらのうち、国際eパケットが廃止となり、EMSよりリーズナブルなサービスは国際eパケットライトかSALくらいになりました。
ちなみに、今回廃止となる国際eパケットは、実質小形包装物航空便に書留を付けたものですが、それよりは少しオトクなサービスでした。国際eパケットは廃止になりますが、「小形包装物航空便+書留」という送り方は今後も可能です。この方法で送る際はCN22という税関告知書を書く必要があります。そんなに複雑なものではありません。
CN22とはこんな感じのもので、ステッカー状になっています(参考:日本郵便)
秋以降も残る国際eパケットライトは、実質SALに追跡番号がついたサービスです(SAL自体は追跡番号がつかないサービスです)。
SALとはどういうサービスかといいますと、 Surface Air Liftedの略で、実際の輸送は航空機で行うが、発送地と到着地での手続きは船便扱いで行うというもので、EMSなどと比べると安いものの、時間はかかるというものです。
このように一般的には船便扱いの航空便と説明されますが、実際はトラックが多いです。もう少しわかりやすく解説しますと、Surfaceとは地球表面に接している状態、Airは宙に浮いている状態を指します。つまり、「発送地内と到着地内は地球に面した方法で送ります」という意味です。
例えば、アメリカから福岡へ荷物を送るのに、福岡へダイレクトに飛ぶ飛行機がなく、東京を経由するとします。その際、普通なら、東京についたら、今度は東京から福岡へ飛ぶ飛行機に載せ換えて送ればいいと考えますが、SALの場合は、東京までは飛行機で送るが、東京から福岡までは船かトラックで運びます(到着地内は地球表面に面した方法で送る)という便になります。そのため、時間がかかります。
また、飛行機の優先順位もEMSより低いので、EMSの荷物で貨物室が満杯になってしまったら後回しにされたりします。
そこで、今後日本郵便を使う場合は、EMS、国際eパケットライト、SALのいずれか、あるいはこれらの組み合わせで考える必要がありそうです。ちなみに、今回廃止になる国際eパケットに近いのが、2月に共催セミナーを行ったラトビアのJoomロジスティクスです。
2023年8月18日追記:5月19日にこの記事をあげた時は、上記の通り、Joomが国際eパケットの代替として使えると記載しましたが、現在は、他の輸送サービス会社とほぼ横並びの価格になってしまいました。
2.送料の価格変更
これにつきましては、こちらのページに掲載されていますので、ご参照ください(EMSはいまのところ変更なしのようです)
3.EU向け荷物の送付状推奨ルール
これは、個人的にやっている越境ECの出荷に行った際に見つけてきたものです。
9月下旬以降にEUに送る際は、HSコードを記入したほうが良いという内容です。
HSコードとは「商品の名称及び分類についての統一システムに関する国際条約」に基づいて決められる関税分類番号で、これがあると、相手国に到着した際に相手国税関の通関士の関税の計算が正確かつスピーディーにできるようになるというものです。
HSコードの確認方法は、税関のこのサイトで確認できます。一番上の分類表が最新ですので、常に最新のものを使いましょう。ここで、送りたい商品の分類を確認し、そこにある数字コードを記入します。4桁の数字は大分類、中分類なので、それではなく、通常は小数点を含めた6桁になります(例:1234.56)。
ちなみに、JoomロジスティクスはこのHSコードを商品分類を入れると自動判別される仕組みを導入していましたね。