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コロナ禍での逆境を跳ね返した実例を紹介します

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

日本の企業は海外と比較して、とにかく決断が遅いというのは有名で、逆に決断の早い隣国の企業に仕事を奪われるケースが続出しています。

品質では隣国企業を凌駕する日本企業ですが、受注は取ってしまったほうが勝ちです。発注者が日本企業の良さに気づけば日本企業にいつか切り替えてくれるということはあるかもしれません。しかし、発注者がそれに気づくには隣国企業による敵失が起きるのを待つしかなく、そこまで持ちこたえられればいいですが、そんな悠長なことやっていたら敵失の前に自滅するでしょう。

現在の新型コロナで経営が苦しいという企業は多いと思いますが、海外ではこの逆境の中で見事なスピードをもって成功させた企業があります。その企業は日本でもおなじみのアパレル企業ののGAPです。新型コロナで自粛やロックダウンが行われていた間、アパレル業界は世界的に大打撃を受けました。そんな逆境の中で跳ね返したのです。すごいことです。では一体どのように動いたのでしょうか。

GAPはB2Cチャネルを強化する代わりに、大量注文のためのGap B2Bポータルを立ち上げて、ビジネスを拡大しました。7月初めに開始されたこのポータルは、医療用ではない再利用可能な布製マスクを企業に販売しています。このサイトは、官民問わず従業員が職場に向かうときなどに使用するためのマスクが購入できるようにするために開発したとのことです。

この動きは、ユニリーバーの一部門であるFoodServiceDirect.comが、パンデミック中のB2B売上の落ち込みをカバーするために、一括購入を好む消費者にリーチすることを目的としたB2C Webサイトを構築した動きに似ています。つまり、従来の企業の方針では考えられなかったプランも始めたということです。

5週間という驚異的なスピード

Gapは、パリを拠点とするテクノロジーサービス企業やコンサルタント会社のCapgemini SEと提携して、B2B Webサイトを実装し、サービスを開始しました。

GAPによると、このB2Bプログラムはたったの5週間というスピードで開始したとのことです。日本では”いい意味で見切り発車する”という発想を持って行動に移せる企業が少なく、1年経ってもスタートできない会社も多いのを体感しています。それに対してこうしたスピード、決断力の速さを思うと、日本企業が世界の舞台で勝てない原因、負け癖が思い出され、意識が遠のきます。

結局、GAPは7月初旬までに、ニューヨーク市、カリフォルニア州や大手コンサルティング会社を含む雇用主に1000万枚の非医療用マスクを販売したと語っています。需要に確実に対応できるようにするため、GAPはそのディープなサプライチェーン関係を利用して、医療従事者コミュニティ向けにも数百万の個人用非医療用マスクなどを調達していると述べています。

「この大流行に直面して、GAPのチームはマスクに対する顧客のニーズに迅速に対応することができました」とeコマースおよびテクノロジー部門責任者であるジョン・ストレイン氏は言います。「私たちは、従業員にこうした製品を提供できるようにしたいと考えている企業からのヒアリングをすぐに始めたので、こうした高品質で再利用可能な非医療用布マスクの提供を望む組織に拡大できたことに興奮しています。従業員が再び仕事に戻れるようにするのに役立つのです。」

機能強化のロードマップ

GAPとGAPジェミニは、既存の仕組みをベースに工夫して構築し、ニーズの変化に応じてこうした製品を販売する機能強化のロードマップを作りました。

GAPは、ポータルを通じて最小ロット100,000枚(20,000枚x 5パックセット)を販売しています。米国のガイドラインに従って設計されたマスクは、フィジーピンク、ロストアットシーネイビー、タンニンブラウンなど、さまざまな色が用意されています。GAPのウェブサイトによると、好きな色の注文や企業ロゴをあしらうこともできるようです。

GAPのB2Bポータルの立ち上げに加えて、Old Navy、 Gap、 Banana Republic、 Athleta, Intermix、 Janie and Jack、Hill Cityなどの系列ブランドも様々な組織に200,000枚を超える非医療用マスクを寄付しています。そして、コロナウイルスのパンデミックの間に困っている人々を助けることができました。GAPの2019会計年度の純売上高は164億ドルでした。

海外に打って出るということは、自社の都合や日本の感覚で考えることから離れてみるということが重要です。そして早く決断すること。決断が早くても現実がついてこれないという場合は工夫する。これだけでも海外の感覚に乗ることができます。日本市場に固執していたらいつか食いっぱぐれます。次世代まで残したいのであれば、いま意識を変えることが重要です。

弊社では常に最新のトレンドを仕入れて越境ECに取り組んでいます。同時に惜しげもなく越境ECの成功法則をお伝えしております。最新の越境EC事情は是非弊社のセミナーで。個別の相談もどしどしお寄せください。現在は補助金を使って越境ECを始めることもできます。
参考:Coronavirus strategy: Gap Inc. pushes into B2B ecommerce

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Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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