こんにちは。ジェイグラブの横川です。
どうもECが20年前の「新しもの好きが飛びついている物珍しいツール」だった頃の「何をやっても売れた」時代のままで意識が止まっている人をチラホラ見かけます。
そういう人はECはすぐに結果が出ると思いがちですが、あれから20年も経って「技術も発達して誰でもやっているもの」となったECがそんなに簡単なわけがありません。ましてや認知度のない状態からスタートする越境ECで。
越境ECを始めるにあたっては、よほどの大ブランドか、これまでに時間をかけて現地進出などをし、認知度を上げてきたものでもない限りは「世界から見たら完全に無名」「売り手のあなた自身も信用されない」ことを自覚すべきです。
つまりゼロからのスタートどころか、場合によってはマイナスからのスタートだってあり得るわけです。そうした事実がある中で、目に触れる機会さえ作れれば売れると思ってしまうのは、取り扱う商材に対する愛着が強すぎるゆえの暴走に過ぎません。
そもそもどうやって目に触れさせるのでしょう?仮に目に触れる機会を得ても果たして買ってくれるのでしょうか?買ってくれたとしてもリピートしてくれるでしょうか?その人が他人に推薦してくれるでしょうか?
こうした問題に直面したとき、「商売の基本」立ち返ってください。これは江戸時代の商人たちが言っていたことと全く変わりません。
- 商売の基本はお金より信用である
- 一見さんより常連さん(なじみ客へは最大限のおもてなしを)
- 常連さんになっていただくために客を育てる
客を育てるために「損して得取れ(お金の勘定の話だと思ってたらそれは大いなる誤解です)」や「三方良し」があるのです。マーケティング用語では「リードナーチャリング」などといいますが、そんな難しいワードで煙に巻くつもりはありません。
だって数百年前から伊勢商人、近江商人、大阪商人たちが使ってきた知恵なんですから。これだけ素晴らしい参考となる人たちの知恵を持つ私達が、これらについてうっかり忘れてしまっているのがもったいないと思います。
客を育てる(リードナーチャリングする)とどんないいことが起きるか
- 50%購買機会を増やすことに成功します=売れるようになります。
- 顧客あたりにかけるプロモーション費など33%コストを下げることができます。
- メルマガの反応も4〜10倍跳ね上がります。
- 問い合わせに対するレスポンスを早めます。すると30〜50%常連化します。
- しっかりセグメントできたメールを打つと50%以上クリック率が上がります。
- 次回の購入までの購入サイクルが23%短くなります。
- アップセルやクロスセルなどついで買い率が9%上昇します。
参考:https://blog.hubspot.com/blog/tabid/6307/bid/9876/9-benefits-of-lead-nurturing.aspx
そのためにすることは、植物を育てる過程とほぼ同じです。
■種を蒔く(商品は買ってもらえないが、商品やサービスの内容を認知してもらう)
ダウンロード資料、ブログ、リサーチデータ、動画などを使う世界のプロのマーケッターの82%が、この段階では動画が効果的と言っています。
■水をやる(認知されるようになり、買おうという気にさせる)
上記1より一歩進んだ内容のものを用意、クイズやアンケート、キャンペーンをする
■収穫する(完全に顧客化に成功)
第三者のレビュー、お試しものを用意、顧客に合わせた価格設定など。
具体的な一連の流れは以下です。
- まず、ゴールはどこか決める
- どの属性の人に定めるか決める
- 上記1〜3のそれぞれの段階でなにをするか想定し、決定したら実行する
キャンペーンのうち方にも色々あります。
- お試しキャンペーン
- 販促キャンペーン
- リニューアルキャンペーン
- 再エンゲージメントキャンペーン
などなど。一見すると複雑そうですが、やるだけの価値はあります(昔の商人たちもやってきたことです)。これをやることで、購入する気を起こさせ、買うことの抵抗感を下げ、いつの間にかあなたの商品を知っている人になっていることで、消費サイクルが短くなり、費用対効果も良くなっていくのです。
越境ECはすぐに作れる生搾りジュースというより、ゆっくり醸成させていくお酒に近いと考えます。慌てずに越境ECサイトを醸成・熟成させていきましょう。弊社では常に最新のトレンドを仕入れて越境ECに取り組んでいます。同時に惜しげもなく越境ECの成功法則をお伝えしております。
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