こんにちは。ジェイグラブの横川です。
本日はカレンさんについて書きたいと思います。
その前に、先日弁護士ドットコムというサイトの2023年2月のコラムで「外国人より日本人のほうが大変 宿泊施設の本音、「おもてなし」どこまで?」という記事がありました。
簡単にまとめると、「外国人観光客が日本に戻ってきたことで、迎え入れるホテルや旅館は、接客対応で忙しそうに見えるが、関係者や従業員は、その多くが「外国人より日本人の対応のほうが大変」と答える」という内容です。
この記事を読んでいて心の底から同意しました。なぜなら、ほとんど同じ内容のブログ記事を私は9ヶ月前の2022年5月に書いているからです。
勘の良いかたはもうお気づきかもしれませんが、ここで書いている「カレンさん」とは、人の名前ではありません。
実は英語で「カレンさん」というと、文脈によっては「モンスタークレーマー」という意味になります。そういうスラングなんです。
そのため、海外の掲示板などでヒステリックな反応の書き込みなどがあると「カレンさんは黙ってようか」といったようなリプライがつくことがあります。
ちなみにモンスタークレーマーは和製英語なので海外では通じません。
不満を言うこと・苦情をいうことを日本では「クレーム」といいますが、これも和製英語です。「クレーム(Claim)」は「主張する・要求する」という意味しか英語にはありません。日本のようにはっきり意見を言わない社会では、何かを主張するときは、大抵が不満を述べるときなので、不満・苦情 ≒ 主張 = クレームになっちゃったのかもしれません。日本的な意味でのクレームは英語では「コンプレイン(Complain)」です。
弁護士ドットコムの9ヶ月前に書いた当方のブログはこちらです。
当方ブログの後半部分をそっくり以下に転載します。
クレームは洋の東西を問わず発生します。個人的な経験では、日本人のクレームが一番ウェットで手に負えないと思っています。
「説明文に書いてあるのに読んでいないことで起きるクレーム」を例にしましょう。
越境ECなら「読まなかったあなたが悪い」の一言で割と早く収まるという経験があります。それ以上争ったところで自分が負けるのがわかるからです。訴訟社会の海外ならなおさらです。
一方、日本人は読まなかった自分を棚に上げてネチネチ文句を言い続けます。
この世界一神経質で面倒くさい日本人クレーマーを相手にしてきた過去があれば、なんとかなると思っています。
しかし、もう一つ注意があります。
日本の商習慣では、相手が理不尽なことを言っていても、まず相手をなだめるために自分の意志とは裏腹に「申し訳ございません」から入りますが、これはやめたほうがいいです。そんな下手(したて)に出なくて大丈夫です。堂々と自分の正当性を主張してください。
日本では売り手は買い手に対し下手(したて)に出る習慣がありますが、海外ではかえって相手を緊張させるときがあります。なぜなら海外ではあくまで両者は対等だからです(日本でも法律上は対等です)。
「金を払ってやるからモノをよこせ」「モノを渡す代わりにちゃんと金払え」
両者の関係はそれ以上でもそれ以下でもありません。純粋にこれだけの関係です。お客様は神でもなんでもありません。
ちなみに、この「お客様は神様です」は三波春夫さんが言った言葉として有名ですが、あくまでショーマンとしての彼が言っただけの言葉で、これが日本社会のありとあらゆるところへ独り歩きしている状況をご遺族の方は心を痛めているようです。三波春夫さんの公式サイトにわざわざご遺族の方がそんなコメントを掲載しています。
そう考えると、日本人相手よりストレスも小さいですし、越境ECのほうが楽ですよ。