こんにちは。ジェイグラブの横川です。
越境ECを行おうというときに、多くの日本企業は、
・売れそうな国や地域を最初に調べる
・すでに目をつけている国や地域で売れるかどうか調べる
の、どちらかを行おうとするのではないかと思います。一般的なビジネスではよく行われますし、それをすることが「できる社会人」だと洗脳されてきた人にとっては疑いのないことでしょう。
しかし、私はこれをナンセンスではないかと考えております。
越境ECは、これまでの市場とは全く異なる新天地であること、人に頼んで調べてもらってもそれが正しいとは限らないし、全世界のありとあらゆる、事細かな事象に完璧に精通している人など誰一人としていないからです。
誰かに案内してもらってヨタヨタと歩くより、サバイバルナイフを持って自ら道を開拓していけるタイプの方や事業者が越境ECには向いています(故に越境ECで大成功と言える企業が少ないのも少し納得がいきます)。
私は、今回のタイトルのように、越境ECは「人間ドック」だと思っています。
人間ドックとは、何をしに行く場所でしょうか。
人間ドックとは、自分の体が健康であるか、どこかに病気が隠れていないか、あるいは将来起きうる病気の種がないかを調べに行く場所です。したがって、医師も自分自身もどう考えても100%健康だと思っている箇所も含めて全身くまなく調べます。そして問題が見つかれば、専門医に集中して治療してもらいます。
最初からどこかの臓器が悪いと分かってて人間ドックに行く人はいません。この場合は専門医に行くはずです。そして、その時は割と自覚症状というものがあるはずです。
越境ECも同じです。どこの国で売れるかはっきりしないのなら、全世界を相手にすべきです。これは、思いもよらない地域から注文が入ったり、思いもよらない地域で大ヒットしたりする可能性があります。世界は非常に広いのです。始めていくうちにある程度の傾向が見えてきたら、特定の国や地域に深化させる。それでいいと思います。
そしてその間に、ライバルが知り得ない情報や経験を積んでいることににもなり、同業他社が二匹目のドジョウを狙おうと動き始めても手遅れという状況にすることができるのです。ファーストペンギンになるということはこういうことで、リスクもありますが、リターンは大きいのです。ついでに言うと、リスクとは、命を損なうようなデンジャラスなことではないので、避けるものではなく、理解して受け入れるものだと思っています。
実際、昨年、弊社が支援した公的機関、自治体の越境ECでは、とある商品がセルビアで大ヒットしました。誰がセルビアで売れると予想したでしょうか。商品を作った当人はおろか、支援した我々の誰もが予想だにしませんでした。こういう事が起きるのが越境ECの醍醐味です。サラリーマン思考で越境ECを考えるから辛くなるのです。フロンティア思考が必要なのです。
ターゲットをどこかの国に絞れるときというのは、病気の自覚症状と同じく、自信の持てるデータが手元にあるときだけです。そしてそのデータは、人に頼んで作らせたものより、自分の目で見てきたもののほうがずっと信頼できるはずでし、失敗しても後悔も軽くて済みます。
どうしても事前調査が必要なら、パスポート持って直接見てきたほうが手っ取り早いですし、渡航費のほうがプロに頼む調査費より安くあがるケースも多いでしょう(プロが調査に使っているツールが、ちょっと調べれば誰でも使えるツールだったなんていうときもありますし)。
越境ECは、現地法人を作ったり、現地にショップを立てて従業員を雇って何年も続けていくことを考えれば、非常にローコストな進出方法です。にも関わらず、無駄な思考で無駄なコストを作っていたら、もったいなさすぎです。
さいごに。弊社のような越境EC支援会社は、人間ドック同様、様々なチェックリストをもとに、越境ECビジネスをスムーズに国際市場に展開するためのアドバイスやサポートを提供しており、まさに人間ドックそのものです。事業の「健康」を保つために必要な検査や対応を行っていますので、遠慮なくいつでもご相談ください。