ジェイグラブの横川です。
高品質な製品販売、高品質な顧客サービスを心がける時、越境ECでは配送保険をどうしようか検討することになるかと思います。
配送保険は、DHL、FedEx、日本郵便など、主要な運送業者が商品破損、盗難、紛失に対してオプションで用意しています。これとは別に、認可を得た保険会社が、特定のケースについてはより安価で提供している場合があります。
保険というのは「買い手に優しい」という、一般的には良いことですが、企業にとってはコストとなり、それが最終価格に反映されるため、より高価に映ってしまい、モノによっては売れづらくなる可能性も秘めています。
実際に越境ECを始めると、店舗の信用維持のために返金や、戻ってこない可能性があるとしても交換品を送信する必要があります。顧客はそれを期待するからです。実際には、その商品は無事に手元に届いているのに破損しているだの紛失しているだのと虚偽の申告をする人もいるかも知れません。それでもいずれにせよ、その買い物客に払い戻しをすることになる可能性があります。それもコストのひとつと割り切る売り手が海外ではほとんどです。
一般的にFedExなど運送業者は、「宣言された価値」を元に荷物を保護する形態を採用しています。大体売り手は、追加料金なしで100ドルまでは保険がかけられます。多くの場合、100ドル以下の貨物が破損または紛失した場合、荷送人は商品の価値と送料を回収することができます。
100ドル以上の価値のある荷物については、超えた部分に保険を掛けるには最低料金がかかります。例えば、2021年には、申告価格が100.01ドルから300ドルのパッケージには、FedExなどは3.45ドルが請求されます。300ドルを超える場合、400ドルを超える場合、500ドルを超える場合と、金額に応じて手数料は変動します。
日本郵便のEMSの場合は20,000円までは自動で保険が付きます。それ以上の額の場合は50円ずつ加算されます。
冒頭でモノによっては保険をかけると売れづらくなる可能性もあると書きましたが、ハイエンド製品、大容量、高品質の顧客サービスを心がける場合は、保険をかける意味が出てきて、かつコストダウンに繋がる可能性もあります。
例えば、平均単価20,000円の商品を100個出荷すると3個は破損、紛失、盗難などが発生し、3%の破損率を出すとします。
また、その商品の利益率がは35%で、破損等が発生したら、交換をしているとします。
この場合仕入れなどの額は13,000円になります。そして破損等が発生した場合で、何もしていない場合は26,000円のコストを掛けたことになります(最初の出荷と、交換品出荷のため)。そして最初に20,000円で売ったのですから、つまりは6,000円の損失が生まれます(実際には送料なども発生しますが、ここでは考えないことにします)。
しかし、ここで、1回の出荷につき100円の保険をかけたとしましょう。破損が生じたら13,000円のコストを2回かけることになりますが、そのうちの最初の分は保険でカバーされますので、実質負担は2回目の13,000円のみ。ちゃんと利益の7,000円は確保できます。保険の100円を差し引いても手元に6,900円残ります。
私は保険をかけるかと言えば、場合によります。
確実に届くのがわかる国、万が一何かあっても誠実に対応してくれる可能性の高い国、信用できるリピーター、少しくらいの損は構わないと思える商品などのようなときはかけてません。