おはようごございます。 ジェイグラブの横川です。
安倍内閣とトランプ米政権の間で新たな貿易協定の合意のニュースがありました。主に農産品や自動車など、昔から日米間で摩擦の起こる分野での話がメインでしたが、アメリカが離脱したTPPと同水準だという報道がありますので、将来的にはアメリカとの貿易も他のTPP加盟国と同じような感じになっていくのかもしれません。
越境ECというと、BtoCやCtoCを連想する方が多いと思います。しかし、BtoBも堅調に伸びております。
また、在庫を日本に置いておいて、注文を受けたら日本から海外の個人へ発送するスタイル(買い手から見れば個人輸入となり、買い手国の許認可や承認等は不要)もありますが、在庫を外国に送っておき、注文を受けたらその外国の倉庫からその国の個人へ送るスタイルもあります(こちらは在庫を輸送する際は貿易扱いになるので、諸外国の所定の許認可、承認が必要になる場合があります)。
BtoBの越境ECを行おうとお考えの方や、BtoCの越境ECだけど、在庫はまとめて海外倉庫に送りたいとお考えの方は、輸送の扱いが貿易になりますので、冒頭で書いたニュースは時には気にしておく必要があります。
BtoBの越境EC 7つの成長戦略
ということで、今回はBtoBの越境ECで成長したい企業様に向けた7つの成長戦略を書こうと思います。
BtoBの越境ECを成功させる近道もBtoCと同じく、ECモールを利用することなのですが、いつまでもモールに頼るのではなく、自社サイトでも結果を出したいとするのならば、やはりきちんとした対策は打たねばなりません。
では、デジタルコマース360のペイジ・スミスの意見も参考に7戦略を書いてまいりましょう。
1.商品やサービスの情報はしっかり書く
当たり前のことかもしれませんが、顧客からのリクエストが無いという場合は、顧客からみたら情報不足の可能性があります。Linkedinの調査によると、コンテンツに情報やデモを掲載することがとても重要であると主張しています。その例として国際決済システムのStripe社のサイトを参考にすべしとしています。
2.SNSをしっかり使う
米国のコンテンツマーケティング研究所の調査によると、BtoBマーケティングでSNSはメール、ブログに次ぐ第三極のツールとして成長しており、SEOにおいてはかなりの影響力を持つことがわかっています。フェイスブック、インスタグラム、ツイッターなど、使い慣れたツールをどんどん駆使しましょう。
3.検索しやすい設計
これは色とか写真の善し悪しといったデザインの話ではなく、サイトの骨格、設計の話です。無駄にスクロールさせるレイアウトや、ごちゃごちゃしていて検索しづらいなどといったサイトはダメです。クリーンな設計、直感的にわかりやすいナビゲーションメニュー(海外向けは左カラムに縦長に設置するより、上部に横長に設置したほうがいいでしょう)などを心がけてください。
4.柔軟性のある支払いオプション
BtoBの場合は様々な慣習が存在するので、できるだけ多くの取引方法に対応できたほうがいいでしょう。また、決済もそうです。クレジットカードだけでなく、他のオプションも設定しましょう。
5.カスタマーレビューやレーティングの導入
BtoBなどの購入においては、サンプルを手にしてから考えるということもあるように、1回で即決というのはなかなかありません。そこで助けになるのが、レビューなどです。
海外からのレビューがない場合は国内のレビュー、取引先からの意見をいただき、翻訳してもいいと思います。実際、Demand Genの調査ではBtoB取引事業者の67%がレビューを参考にしたと答えています。
6.モバイルに対応させたサイトにする
BtoCと違って、規模が大きいBtoBにおいても海外ではもはや66%の経営者がモバイル・フレンドリーにしたほうが結果につながっていると答えています(フォーブスレポート調査)。
7.カスタマーサービスの改善
これは1~6のまとめになりますが、商品やサービスについては詳細な情報を提供すること、購入オプションをできるだけ複数持つこと、質問に対するレスポンスを早くすることなどが挙げられます。このあたりは機械任せでできるところではなく、どちらかといえば人間だからこそ気がつく部分と言えます。
国内外問わず、ECサイトを持てば、自動販売機のように何もせずとも売上が上がると思ってしまう経営者が日本には多いように感じます。海外では機械やAIは人の6割くらいをやってくれればいいと言う感覚の持ち主が多いです。このあたりの意識も変えることが重要です。
まとめ
冒頭でも書きましたが、海外では無名に近い状態であることをしっかり自覚すれば、何から手をつけなければならないかは自ずからわかってきます。それは信頼度を勝ち取ることです。信頼度を勝ち取るには人混みの中でただ突っ立っているのではなく、その人混みに分け入って覚えてもらうようにしないとなりません。それがまさにECモールを利用するということにほかなりません。
また、BtoBにECモールは関係ないと思っていたら大間違いです。海外のバイヤーはECモールから取引になりそうな物を探しているのです。モールにも顔を出してアピールしておかないと仕事に繋がりません。実際、海外では「BtoBを志向しながらもB2Cの関係構築戦術を使用することが必要」であるというのが常識なのです。