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越境ECブログ

2024年版、アマゾンとイーベイで売ることの違い

こんにちは。ジェイグラブの横川です。

社会人を何十年もやっていれば、知名度があるというだけで選択しても求める結果に繋がらないことや、無料と言う言葉に好感をもって始めてみたら、あとから何かと理由をつけられて費用を請求されるアコギな商売に引っかかったり、騙されまでしないまでもそういう話を聞いてきたりしたと思います。

にもかかわらず、越境EC界隈では懲りずにこういった話に乗っかって失敗・・・という話をよく耳にします。そこで、今回は、昔から書いているプラットフォームの選定の仕方を再び書いておこうと思います。


2024年のeBayとAmazonの販売について

2024年にeBayで販売する場合とAmazonでのそれでは、戦略的に明確な利点と課題があります。Amazonの市場へのリーチは他に類を見ないもので、膨大な顧客ベースにアクセスでき、大幅な売上高を伸ばすことが期待できます。一方、販売手数料が高く、特にフルフィルメント・バイ・アマゾン (FBA) プログラムでは、コンプライアンスとプロフェッショナル・グレードのサービスを要求する厳格なポリシーが伴います。このプログラムは、保管、配送、顧客サービスの処理によって利便性を高める一方で、収益性に影響を与える可能性のある追加コストも発生します。

その一方で、eBayは販売者に高い柔軟性を提供し、ストアや販売戦略のカスタマイズ性を高めています。認知度向上が必要なフェーズの商品、ユニークな商品、収集品、中古品を販売するのに最適なプラットフォームであり、さまざまな期待を持つ多様な購入者層にアピールします。特にニッチな商品の場合、競争はそれほど激しくないことが多く、新しい販売者や特殊な在庫を持つ販売者にとっては参入しやすい環境となっています。さらに、eBayの手数料の低さと、(Amazonと比べた際の)ポリシーの緩さは、利益の最大化を目指す中小企業にとって有利です。

Amazonが提供するセラーツール:

  1. Amazon Seller Central: リストの管理、売上の追跡、パフォーマンス指標の分析を行うための主要なインターフェース。
  2. Fulfillment by Amazon (FBA): 保管、配送、顧客サービスを処理し、販売者がAmazonの物流ネットワークを活用できるようにします。
  3. Amazon 広告: スポンサープロダクト広告、スポンサーブランド広告、スポンサーディスプレイ広告などのクリック課金型広告オプションを提供し、商品の認知度を高めます。
  4. A+ コンテンツ: リッチメディア・コンテンツを使用して製品の説明を強化し、顧客のショッピング エクスペリエンスを向上させます。
  5. Amazon ブランド登録: ブランド保護ツールと高度なレポートおよび分析へのアクセスを提供します。
  6. 在庫管理ツール: 自動補充、予測、マルチチャネルフルフィルメントのオプションが含まれます。
  7. Amazon Global Selling: 通貨換算や国際配送ソリューションを提供し、複数の国での販売を促進します。
  8. Amazon 分析ツール: 販売傾向、顧客行動、市場需要に関する高度な洞察。
  9. オフサイトツール:Amazonには在庫管理ツールが豊富に用意されています 

eBayが提供するセラーツール:

  1. eBay セラー ハブ: リスト、注文、パフォーマンス分析を管理するための包括的なダッシュボード。
  2. プロモーション リスト: 検索結果で製品の可視性を高める広告ソリューション。
  3. eBay ストア: 販売者がブランド・アイデンティティを構築し、顧客体験を向上できるカスタマイズ可能なストアフロント。
  4. Terapeak: 価格、需要、競争に関するデータを提供する市場調査ツール。
  5. グローバル配送プログラム (GSP): 通関と物流を処理することで国際配送を簡素化します(※)。
  6. eBay マネージド ペイメント: 複数の支払い方法を統合する合理化された支払い処理システム。
  7. 在庫管理ツール: 在庫管理、注文管理、マルチチャネル販売のための自動化ツール。
  8. eBay API: サードパーティ アプリケーションとの統合を可能にして、出品、在庫、注文管理機能を強化します。

※参考:eBayが日本セラー向けの公式物流サービス開始
今までは米国ユーザーのみのサービスでしたが、日本でも公式物流サービスが開始されています(サードパーティーを使ったほうが公式サービスより安いですが・・・)

(オリジナル記事ではアマゾン、イーベイ共通で使えるサードパーティーツールの話が続きますが、日本から行う場合は少し勝手が違うことがありますので、この部分は割愛)

Amazonの販売業者は、Amazon Primeの魅力によってしばしば必要とされる、迅速な配送とプレミアム サービスに対する顧客の高い期待に応える準備をする必要があります。対照的に、eBayの顧客の期待はより多様である可能性があり、より幅広い販売アプローチが可能です。

最終的に、eBayとAmazonのどちらを選択するかは、販売者の製品タイプ、ビジネス モデル、戦略的目標によって決まります。各プラットフォームは、さまざまな販売ニーズに適した独自の利点を提供します。

  1. 手数料: Amazonは通常、eBayに比べて販売手数料 (紹介料、成約料) が高くなります。
  2. 市場へのリーチ: Amazonは顧客基盤が大きく、新製品へのトラフィックが多くなります。
  3. 販売者サポート: eBayはストアのカスタマイズと販売戦略に関して販売者に高い柔軟性を提供しますが、Amazonはより厳格なポリシーを持っています。
  4. フルフィルメント: Amazonは、保管、配送、顧客サービスを処理するFBA (Fulfillment by Amazon) を提供していますが、追加料金がかかります。eBayでは同等のサービスは提供されていません。
  5. 商品タイプ:ユニークな商品、収集品、中古品にはeBayが適していますが、新品、ブランド品、需要の高い商品にはAmazonが適しています。
  6. 競争: Amazonのマーケットプレイスは、特に人気商品に関しては競争が激しいです。eBayはニッチな商品に関しては競争が激しくない場合があります。
  7. 顧客の期待: Amazonの顧客は迅速な配送とプロフェッショナルなサービスを期待しており、多くの場合、これがプライム会員の魅力となっています。eBayの顧客の期待は多岐にわたる可能性があります。
  8. グローバルなリーチ:どちらのプラットフォームもグローバルなリーチを持っていますが、Amazonの国際的なインフラストラクチャの方は(GAFAの一角であり、世界中のクラッカーから攻撃の対象になってしまうため、セキュリティ等)、堅牢です。

参考:eBay vs Amazon Selling in 2024


まとめ

選定基準の肝は、最後の8項目リストの3番目

「 eBayはストアのカスタマイズと販売戦略に関して販売者に高い柔軟性を提供しますが、Amazonはより厳格なポリシーを持っています。」

別の言い方をすれば、他社との差異化を図るための戦略はイーベイのほうが多様である、ということになります。そして、5番目の

「ユニークな商品、収集品、中古品にはeBayが適していますが、新品、ブランド品、需要の高い商品にはAmazonが適しています。」

ですが、記事では上記のよう言い切っていますが、どちらも「その傾向が高い」というニュアンスで捉えたほうがいいです。

また、アメリカのAmazon寄りの記事を書く専門家ですら、アマゾンは「売り出す前からNIKEなど、相当に知名度があるか、そこそこ知名度のあるプライベート・ブランドでないと機会はほとんどない」と言っており、売上を上げる前に認知度を上げておくことが重要であることを主張しています。そのため、昔から、認知度アップフェーズならイーベイ、認知度がついたり、リピーターが増えたならアマゾンに引っ越してもいいんじゃない?というように言われます。このプロセスを経ないでアマゾンで成功するには、中国製製品並の価格帯を実現する以外にありません。
(こうしたことをこのブログでは大昔から書いていることを証明するため、下記「関連記事」もご参照ください)。

Writer 横川 広幸

横川 広幸 取締役 越境ECコンサルタント eBayJAPAN創業時に法人営業、マーケティングに従事。eBayに連携した越境ECサイト “Tokyotrad” で日本の仏具を世界86カ国に販売。自らの越境EC成功体験を越境ECアドバイザーとして日本全国でセミナー講演や個別相談を行う。

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