こんにちは。ジェイグラブの横川です。
2022年7月にドイツでは梱包法という法律が制定されました。これはカーボン・オフセットに基づく発想の法律で、「ドイツにECなどで商品を送る際は、梱包箱や緩衝材などは最終的にドイツで焼却処分することになるので、そうなるとドイツの二酸化炭素排出量は不本意ながら増えてしまうから、代わりにお金を払って下さい」というものです。
この法律はEUでは非常に評判がよく(それだけSDGsに対する意識が高い)、近いうちに他国も追従するだろうと言われています。なお、EUではないですが、台湾は台湾国内の企業だけを対象にした類似した法律を制定しています(そのうち台湾以外の企業にも課すようになるかもしれません)。
これにより、ドイツを除外するという考えも否定しませんが、ドイツはヨーロッパの中では非常にECが盛んですので、売れると分かっているのに避けるというのは、変な経営戦略に見えます。こうした動きは、もう止まりませんので、今のうちにドイツで慣れておくといいと思います。
大まかな流れとしては、
1.ドイツの準公的機関である、梱包登録局(セントラル・オフィス梱包登録所)に登録し、Lucid IDを取得(弊社ではLucidはドイツ語読みして「ルシード」ではなく、「ルシート」と言っています)。
2.ドイツ国内のリサイクル業者に一定期間に送るであろうと予測できる梱包材の重量を申告し、それに相応した金額を支払う。
3.ドイツ梱包登録局に、リサイクル業者と契約・支払いしたことを登録する
ということをします。この3ステップのうち、「1」は2年前に当ブログに掲載済みですので、そちらをご参照下さい(ドイツ梱包法義務登録の方法教えます(その1))。その1からその3まであります。1から順にリンクをたどっていただくと、Lucid IDの取得ができます。
今回は、2と3を2回に分けて掲載します。このあたりはドイツの複数ある民間業者のどれかを選んで進める箇所なので、記載しなかったのですが、リクエストが多かったので、特定の企業に偏りますが、参考になるように記載いたします。
比較的わかりやすいリクレイ・システムズ社と契約、支払いをする
ドイツ梱包登録局でLucidを獲得したら、ドイツのリサイクル業者と契約します。ドイツ梱包登録局では10社のリサイクル業者を指定していますが、日本人にも理解しやすいインターフェースなのがリクレイシステムズ社ですので、これを例に挙げて進めていきます。
まずは新規登録です。
リクレイシステムズ社のアクティベートに行きます(こちらをクリック)。
言語はドイツ語か英語しかありませんので、英語で進めるのが理解しやすいでしょう。
Create an accountをクリックし、必要項目を記入して先に進みます。メールの有効性確認などがあると思いますので、メールの受信もできるようにしておきましょう。
マイナンバーのところは免許証番号や企業なら法人番号でも構いません。
アカウントを作成したら、Sign Inをクリックし、ログインして、My accountページを開きます。このページの左側にある「License Calculator」をクリックします。
遷移したページで、活動したい年をクリックします(通常は一番新しい年になると思います)。
リクレイシステムズ社はリサイクル業者なので、ビンや牛乳パックの箱など、いろいろ選択肢がありますが、越境ECでドイツへ送る場合はPaper, Carton, CardboadとPlasticsあたりがメインになると思います。
ここで、ドイツに段ボール(やプチプチ)などをこのくらい送りそうだなぁと予想される重量を入れます(予測より少なかったり、多かった場合はあとで修正します)。ここではあくまで予想値ですので、「どのくらいの数字を入れればいいですか?」と聞かれても弊社では答えようがありませんので、ご自身でお決め下さい。そうしますと、見積もりが出ますので、確認して「Next」を押します。
なお、ここでの重量は、商品を含む重量ではなく、梱包材のみの重量です。
内容を確認して「Next」を押します。
お好みの決済方法を選択して支払います。
最終的に以下のような画面になれば、リクレイシステムズ社との契約、支払いは完了です。
このあと、最終ステップとして、改めてドイツ梱包登録局のサイトに行き、リサイクル業者と契約をして、支払いをしたことを登録しに行きます。これは次回のブログでご説明いたします。