おはようございます。越境ECコンサルタントの横川です。
越境ECで行き詰まる例で多いのは、海外のライフスタイルに合わせたアレンジがなさ過ぎるというものです。ただ、注意していただきたいのは「必ずローカライズしろ」と言っているのではありません。そこは物によりけりです。
しかし、これまで日本向けに売ってた姿のままで売れないのだとしたら、ローカライズを検討しても良いかもしれません。越境ECをやっていると、海外から問合せやリクエストなどが来るものです。それを一読して「無理」と門前払いするのをやめて、一呼吸してほしいと思います。
そこにはヒット商品の玉子となる素晴らしいヒントが隠れている場合があります。アレンジが可能で、しかもそのコストがそれほどかからないという状況であれば、私なら迷わずアレンジを試みます(失敗したところで痛くないわけですから)。
実は私もそうした海外からもらったヒントを利用してアイテムを売った経験を持っております。その時の海外からのメールは日本人の固定概念を思いっきり覆す斬新すぎるアイディアでした。それは間違いなく多くの日本人なら聞けば唸ることでしょう(詳しくはセミナー等で話しております)。
そういう文化的背景の違う人からのコメントには思いもしない大ヒントが隠れていることが多くあります。こうしたところに耳を傾ける、目を向けるというクセがあるとないとで越境ECでは差が付きます。つねにアンテナを張るということです。
私は越境ECのコンサルタントとしてセミナーでは基礎的な知識をお話させていただく機会をよくいただきますが、そこで話すのは「知識も重要だが、意識を変えることも重要だ」と申し上げています。最終的には知識より意識を変えられた人がうまく行っているように思います。
すこし話は変わりますが、アンテナを張るということでは過去のeBayですごいことが起きました。これは2004年のeBayで実際にあったことです。ある時、ある人がいつものようにパンにチーズを乗せてオーブンで焼いたら、焦げがつきました。ここまではよくあることです。
しかし、この出品者のアンテナは違っていました。その焦げが聖母マリアに見えたのです。そして、そのパンをeBayに出品したところ、最終的には28000ドルになりました。2004年のドル円レートは2019年の現在とあまり差がありませんので、ざっと計算しても298万円!!!アンテナを張っていないと、いつもどおりの朝食として胃におさまっていたでしょう。
私はかつて音楽の会社にいましたので、音楽に関する話をしましょう。60年代後半から70年代前半にかけて活躍したミュージシャンに、ジミ・ヘンドリックスという人がいました。彼は好奇心旺盛で、とにかく他人のステージを見て、モノマネではなく、自分らしく使えそうだと思ったものは取り入れたと言われています。
それは素人バンドのギタリストがうっかりギターを落としたときに偶然発した音が良かったと思ったら、その日のステージで自分も自分なりにギターを落としてみる、と言った具合に。
これらの話は色んな意味で奇跡的な話です(わざと真似てもそれはそれでただのモノマネなのでヒットはしないんですが^^;)。しかし、これらは極端な話の部類かもしれませんが、やわらかアタマでものを見るクセが越境ECでは思わぬ成功を手にするチャンスだということは確実に示唆しています。
角度を変えれば、こうとも言えます。「創業者がやって来たことを繰り返す」です。皆さんの会社の創業者は会社を現在まで続く会社に成長させるまでにどのくらいの努力と時間をかけたでしょうか?一生懸命に無名なところからいろんな知恵を絞ってブランディングしてきたのではないかと思います。
いくら日本ではそこそこ名が通る会社でも、海外ではほぼ無名でしょう。であれば、創業者がかつてやったことと同じことをするのだというくらいの覚悟が必要です。そんなに早く結果はでてこないのです。ただ、創業者の時代よりはネットの時代の今なら少しは早く結果を出せるようになるでしょう。